子どもの成長を見守るゴルフ場の存在|グランディ那須白河ゴルフクラブがダンロップとともに目指す地域活性
今回は、トーナメント会場となる『グランディ那須白河ゴルフクラブ(以下グランディ那須白河GC)』の支配人、上遠野雄太さん(以下、上遠野)にお話を伺います。「グランディ那須白河GCがあるからこそ実現できている」とダンロップも語る、取り組みの歴史と想いに迫ります。
上遠野)まずお話をいただいたときには、非常に嬉しかったことを覚えています。グランディ那須白河GCとして女子ツアーの大会である『リゾートトラストレディス』を開催した経験はあるものの、男子のツアーを開催するのは初めてのことでした。
上遠野)いまでも思い出されるのは、初開催だった2014年に悪天候で雷の中断などがあり非常にバタバタしたことです(笑)。初回だったので少し焦ったところもありますが、ダンロップさんを中心とした運営の皆様のおかげで、大きな苦労はなく大会を運営していくことができました。
コース管理の面で大変なこともありますが、私たちもこうしたゴルフトーナメントを開催できていることにそれぞれ想いがあり、1つのお祭りのような形で非常に充実して、楽しく関わらせていただいています。
上遠野)コースを広く皆さんに知っていただけるというのは一番大きなメリットです。この会場に実際に足を運んでいただく方も含めて、このゴルフ場の良さをわかっていただけることはとてもありがたい機会です。
上遠野)私の個人的な話になるのですが、実はスキーのインストラクターとして子どもたちにスキーを教えることが1つの夢でした。種目は異なりますが、ゴルフにおいても子どもたちにスポーツの魅力を伝えた際の笑顔や仕草は本当に素晴らしいですよね。会場に来ている子どもたちが目を輝かせて選手を見ていたり、選手と触れ合ったりする姿を見ると、私もすごく感動します。
そうした子どもたちが選手に憧れ、「ゴルフをやりたい!」と思ったときに、できる場所がなければその気持ちは憧れのままで終わってしまいます。その“場をつくる”ことはゴルフ場の使命だと思っています。スキー同様、ゴルフもお金のかかるスポーツではあるので、“気軽に楽しめる環境をつくる”ことも重要な役割だと感じています。
上遠野)こうした考え方は、私の前任の高久の影響も大きく受けています。高久の三女のみなみさんが現在ツアープロとして活躍しており、小さな頃から費用や環境という点では苦労をしながら実力をつけてきました。こうした負担を緩和し、多くの子どもたちにゴルフに触れてほしいという想いが強いので、西の郷スポーツクラブの活動に関してはこちらが利益を出すことは考えず無償で貸し出しをしています。幸い、グランディ那須白河GCは27ホールのコースと那須コースという9ホールのパブリックホール、3ホールのアカデミーコースがあり、コース数は充実していますので、このメリットを最大限に有効活用し、ジュニア育成に協力できればと思っています。
那須コースでは、スナッグゴルフをしていた子どもたちが芝生の上を走り回るような姿も見ることができます。本当にいい環境だなと思いますよね。
上遠野)端的に言えば、“体を動かす”こと自体がすごくいいことだと思っています。少子化や、多種多様なスポーツがある中で、子どもたちにゴルフ競技の魅力をどのように伝えていくかという点は課題です。しかし、まずは“外に出て体を動かすこと”の楽しさを実感してもらわなければならないですし、“自然=緑に触れる”ことのできる体験も、自然を日々整備して守っているゴルフ場だからこそ与えることができます。手入れされた広大な庭で遊ぶようなイメージですよね。自然いっぱいの中で、思い切って外で身体を動かすという経験は、多くの子どもたちに味わってほしいです。
上遠野)そうですね。ゴルフ場としては以前からスナッグゴルフに取り組んでいたのですが、なかなかその認知を広げたり、魅力に気づいてもらうことに難しさも感じていました。そんな中で『ダンロップ・スリクソン福島オープン』が開催されたことをきっかけに、地域の小学校にスナッグゴルフのセットを寄付していただいたことで、スナッグゴルフ自体が地域の方も巻き込んで盛り上がりを見せるようになっていったことを実感しています。
上遠野)大会の名前や位置付けは変わっても、ゴルフ場として何かを変えるわけではありません。熱い気持ちで優勝を目指してこのグランディ那須白河GCに来てくれる選手たちに対して、日々のトレーニングの成果を発揮するための場所を一生懸命に作っていきます。
上遠野)形を変えて早々、この大会でダンロップフェニックストーナメントへの切符を掴んだ杉浦選手が、そのまま優勝するというシンデレラストーリーが起きました。そのストーリーに少しでも携われたことが嬉しいですし、この夢のあるチャレンジの舞台から大きく羽ばたく選手が1人でも多く出てくることを願っています。