2014/09/24

SRIXONSRIXON×松山英樹レポート

【SRIXON × 松山英樹 スペシャルWEBサイト】メジャー制覇という目標にまた一歩近づいたルーキーイヤー ~フェデックスポイントランキング28位で2013~14シーズンを終了~

 PGAツアーにおける松山英樹のルーキーイヤーが終わった。

 1年近くに及んだシーズンを振り返る時、そのクライマックスと言えば、やはり今年6月の「ザ・メモリアル・トーナメント」でのツアー初優勝だろう。準メジャーと呼ばれる格の高い大会として、ビッグネームたちが本気で優勝を狙う大会をルーキーで制したことは、本人も大いに満足したに違いない。

 だが、それから3カ月半が過ぎた9月半ば、最終戦の「ツアーチャンピオンシップ by コカ・コーラ」を戦い終え、シーズンを振り返る松山の口から聞かれたのは「ダメでしたね」という落胆の言葉だった。

 それは、昨秋から今春にかけて3度トップ10に入ったものの、優勝して以降はトップ10入賞を果たせず、自身が最大の目標に掲げるメジャーでも、昨年は2度トップ10に入ったのに対し、「全米オープン」と「全米プロ」の35位タイが最高という結果を受けてのことだったようだ。

 だが、初出場や数回の出場でメジャーに勝つ例はあるものの、メジャー制覇の多くはやはり経験や努力を積み重ねた結果であり、今の松山で言えば、PGAツアーでの戦いの延長上にメジャーもある。その意味で、ツアーで1勝を挙げた松山は、メジャー制覇という目標にまた一歩近づいたと言えるだろう。

 それに、実力者揃いのPGAツアーの中でもわずか30名しか出られない最終戦の舞台を踏み、現在の実力の指標となっているオフィシャルワールドゴルフランキングでも、6月に自己最高の13位を記録して以降、長く10位台をキープできたのは、プレーが高いレベルで安定していればこそだ。たしかに、メジャー優勝経験者がひしめくトップ10にまだ入ったことがないことを考えれば、彼らと松山との間にはまだ差があるのかもしれない。でも、それはわずかな差であるとも言える。

 そういえば最終戦の後、松山はこんなことも言っていた。

 「身体の状態がよくなかった2月の試合(ウェイストマネージメント・フェニックスオープン)で上位(4位タイ)に入れたのに、状態がいい今、入れないのはなぜだろう」

 「体調とスコアは比例しない」とは、プロたちがよく口にする言葉だ。それは、実力のある選手の場合には、「身体が万全でなくても優勝争いはできる」ということでもあるが、松山はそれを世界一のツアーで実践している。それに加え、松山には「噛み合えば世界のトップランカーにも勝てる」という期待感も漂う。

 次のメジャーまでは、これから半年以上も待たなければならないが、米PGAツアーは3週間後には早くも新シーズンの開幕を迎える。束の間の休息になるだろうが、今シーズンの経験や悔しさを力に変え、一回り大きくなった松山に再会できるのを楽しみにしたい。