2016/08/04

SRIXONSRIXON×松山英樹レポート

【SRIXON × 松山英樹 スペシャルWEBサイト】メジャーの優勝争いの中で取り戻したショットのキレと自信 ~「全米プロゴルフ選手権」でメジャー自己最高の4位タイに入賞~

 日本のゴルフファンには、青木功とジャック・ニクラウスの死闘の舞台として馴染みの深いバルタスロール・ゴルフクラブで開催された今年の「全米プロゴルフ選手権」。第1回大会が行われた1916年からちょうど100年の節目となった今大会で、松山英樹はメジャーでは自己最高位となる4位タイに食い込んだ。

 午前7時20分に10番ホールからスタートした初日。ボギーが先行したものの3つのバーディを取り返し、メジャーでは今年の「マスターズ」の初日以来のアンダーパーとなる1アンダー「69」でラウンド。パーオン率は83.33%に達し、松山本来のショットのキレを見せた。

 午後スタートとなった2日目もショットは好調。2番パー4では、残り130ヤードの第2打をカップインさせイーグルを奪った。4番から7番まではバーディ、ボギーを繰り返したが、その後はひたすらパーを重ね最終18番で5mを沈めてバーディフィニッシュ。この日「67」と3つスコアを伸ばすとともに、首位と5打差の9位タイに順位を上げ、

「そこは素直にうれしい」

 とメジャーで3試合ぶりの予選通過に安堵の表情を浮かべた。

 そして、雷雨のために第3ラウンドをスタートさせることができず、一日36ホールのタフな戦いを強いられることになった日曜日。朝7時に第3ラウンドをティオフした松山は、2番でエッジからの7mを沈めて幸先よくバーディを奪う。5番はこの日唯一のボギーとしたものの、9番パー3ではティショットを2m、10番パー4では残り180ヤードの第2打を6mにつけ連続バーディ。最終18番でも1.5mを沈め、このラウンド4つ目のバーディ。第2ラウンドと同じ「67」で回り、通算7アンダー、首位に4打差の暫定5位タイという好位置から最終ラウンドに臨んだ。

 その前半、松山は9ホールをすべてパーで上がり、10番もパーとした時点で首位に2打差まで迫った。そして11番でこのラウンド初めてのバーディ。その後も好調なショットで再三1.5~5mのバーディチャンスにつけたが、いずれもわずかな差でカップインはならず。ようやく最終18番で3mのバーディパットを沈め通算9アンダーとしたが、勝利には5打届かなかった。

「チャンスで入らないのが今の実力。伸ばすためのパットが入らないと勝負にならない」

 タフなパー4が続くアウトコースにくらべると、パー5が2つあることもあり、まだスコアを伸ばしやすいと言われるバルタスロールのインコース。その9ホールでバーディを積み重ねた他の上位陣のように十分にチャンスをものにできなかった悔しさを口にした。一方で、メジャーで4ラウンド連続のアンダーパーをマーク。決勝の36ホールでボギーがわずかに1つという安定感のあるプレーを見せ、

「自信がないのが少し戻った。練習では(自信が)100あるのに試合では0になっていたのが、(今は)少し残っている」

 と、今年最後のメジャーでの戦いを終え、明るい表情で話した松山。さらに、

「ちょっと冷静に、メジャーで勝つためにどうしたらいいか考えたい」

 と早くも来年のメジャーでの戦いに目を向けた。

 今季のメジャーでの松山は、残念ながら「全米オープン」と「全英オープン」では満足のいく結果を残せなかったものの、初戦のマスターズでは7位タイに入っており、4試合中2試合でのトップ10入りは胸を張っていいはず。それに、中嶋常幸プロ以来、日本人で2人目の全メジャーでのトップ10フィニッシュという記録も残した。

 念願のメジャー制覇は来年以降に持ち越しとなったが、主戦場の米ツアーはこれからが佳境。さらにその後は日本ツアーに参戦する可能性もある。自信を取り戻した松山が今後どんなプレーを見せてくれるのか、大いに楽しみにしたい。