男子プロゴルフの今季メジャー第1戦「マスターズ・トーナメント」。出場する顔ぶれの豪華さや、戦いの舞台となるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの華やかさから“ゴルフの祭典”と呼ばれるこの大会に、今年、松山英樹が5年連続7度目の出場を果たす。
アジアアマチュア選手権優勝者の資格で初出場した2011年大会で27位タイとなり、見事ローアマチュアに輝いた松山。プロとして初出場した2014年大会では予選落ちを喫したものの、その2か月後にPGAツアー初優勝を飾り世界のトッププロの仲間入りを果たすと、翌年からはマスターズでも優勝争いの常連に加わった。
4度目の出場となった2015年大会には、10位タイからスタートした最終日に、この日のベストスコア「66」をマークして通算11アンダーでホールアウト。マスターズでは自己最高となる単独5位に入賞した。そして翌2016年大会では、最終日にスコアを崩しながらも7位タイに入り、日本人初となるマスターズでの2年連続トップ10フィニッシュ。さらに、すでにシーズン2勝を挙げて臨んだ昨年大会では、優勝争いには絡めなかったものの、最終日に7バーディを奪う怒涛の攻めを見せ、ベストスコアタイの「67」でラウンド(結果は11位タイ)。優勝候補の本命としての意地を見せた。
そうして挑む7度目のマスターズ。優勝争いに加われるかどうかは、松山本人も語っているように、いかにパー5でスコアを伸ばせるかにかかっている。実際、5位に入った15年大会では、4日間計8ホールのパー5で11ストロークも縮めているし、ベストスコアを出した昨年の最終日も、4つあるパー5のすべてでバーディを奪った。松山本来のアイアンショットのキレをもってすれば、その再現は十分に可能だろう。
今年に入ってからの松山は2月初旬に左手親指付近を痛め、その後に参戦予定だったトーナメントへの出場を見送った。復帰後に出場したのは2試合だけではあるものの、マスターズ前の2週間を調整にあてたことは過去にもある。松山本人も3月下旬の大会での取材で「少し不安はあるけれど、(マスターズに向け)うまく調整できると思う」と語り、大会前週の3月30日(金)には早くもオーガスタで練習ラウンドを行なった。
四大メジャーの中で唯一、毎年同じ会場で開催されるマスターズだが、その舞台となるオーガスタナショナルは、気候の違いに加え、大小の改造を重ねることで、見せる表情は毎年違うと言われる。現に、過去3年間の優勝スコアは「270」「283」「279」と大きく変動している。経験だけでなく、ゴルファーとしての総合力が問われるコースに、26歳となった松山がどう挑むのか。めざすのはもちろん、日本人男子がまだ誰も成し遂げていないメジャー制覇だ。