5月第4週に開催された国内男女ツアーで、ダンロップ契約プロの秋吉翔太と岡山絵里がともにツアー初優勝。また、米女子ツアーではミンジー・リー(オーストラリア)が今季2勝目を飾った。
まず、ザ・ロイヤル ゴルフクラブ(茨城)で行われたジャパンゴルフツアー「~全英への道~ミズノオープン at ザ・ロイヤル ゴルフクラブ」。秋吉は首位に3打差の6位タイから最終ラウンドをスタートさせた。国内ツアー史上最長の8007ヤード(パー72)という難コースを相手に上位陣がスコアメイクに苦しむ中、秋吉は前半をパープレーで凌ぐと、後半に入り10番、13番でバーディ。14番で一つ落としたものの、この日の平均ストロークが「5.406」を記録した705ヤードの15番パー5で、この日5つ目のバーディを奪取。通算1アンダーでホールアウトすると、後続組のプレーヤーはそれを上回ることができず、ツアーで初めての栄冠を手にした。
秋吉は熊本出身の27歳。樟南高(鹿児島)卒業後の2009年にプロ転向し、14年にチャレンジトーナメント(現AbemaTVツアー)で初優勝すると、翌年には同ツアーで2勝。ツアーには14年から本格参戦していたものの、16年末のファイナルQTでは上位に入れず、翌17年のツアー出場権を逃した。だが、同年7月の「ダンロップスリクソン福島オープン」の最終予選会で本選の出場権を獲得すると、本選で6位タイに入賞。それによりツアーの出場優先順位を上げ、出場試合を増やした秋吉は、10月の「日本オープン」で自己最高(当時)の4位タイに入るなど数少ないチャンスを活かし、初のシード権を獲得した。さらに、今年4月の「中日クラウンズ」では3日目を終えて単独トップと優勝争いを演じると、5月21日に行われた、「全米オープン」の出場権をかけた最終予選会で見事トップ通過。本選の出場権を獲得したが、今回のツアー優勝により、「全英オープン」への切符も手に入れた。
また、関西ゴルフ倶楽部(兵庫)で開催されたLPGAの今季第13戦「リゾートトラスト レディス」。岡山は、初日に3連続を含む7バーディを奪い、この日のベストスコア「65」をマークして飛び出すと、2日目も首位をキープして最終日へ。自身にとって5度目の最終日最終組でのプレーとなったこの日も、好調なショットとパットを武器に5つのバーディを積み重ねて4アンダー「68」をマークし、通算13アンダーの首位タイでホールアウト。そしてプレーオフの1ホール目でパーをセーブし、激闘に終止符を打った。
今年でプロ4年目、21歳の岡山。大阪商大高在学中に「全日本女子パブリックアマチュア」「関西女子アマチュア」などのタイトルを獲得し、卒業後の2015年プロテストに一発合格すると、同年に早くもステップ・アップ・ツアー初優勝を達成した。翌16年7月にはツアーで初めて首位で最終日を迎え、初優勝への期待がふくらんだが2位に終わった。それでも、この年賞金ランキング39位となり初めてシード権を獲得すると、昨シーズンは計9度のトップ10フィニッシュ。今シーズンも前週までに2度トップ10入りしていたが、今回、ツアー参戦89戦目にして、ついに初勝利を手にした。
そして、トラビスポイント・カントリークラブ(米ミシガン州)で行われたUSLPGAツアー「LPGAボルヴィック選手権」。3日目に4アンダー「68」をマークし、2位に2打差をつけ単独トップに浮上したリーは、最終日も5つのバーディを奪い、前日と同じ「68」でラウンド。通算16アンダーまでスコアを伸ばし、2位を1打差でかわして2月の欧州女子ツアー「オーツ・ビクトリアオープン」に続く今季2勝目を飾った。
16歳で「全米女子ジュニア」を制したのをはじめ、「オーストラリア・アマチュア」の連覇、17歳でオーストラリア女子ツアー制覇と、アマチュア時代に輝かしい戦績を残したリー。プロ転向後も順調に勝利を積み重ねてきたものの、昨シーズンは未勝利。だが、今年2月に欧州女子ツアー初優勝を飾ると、今回、アメリカツアーでは2016年10月以来となるツアー4勝目。しかも、最終日の5月27日は自身22度目の誕生日というメモリアル優勝となった。