NEW『スリクソン Zシリーズ』ドライバーの開発に当たり、担当スタッフたちは、外観や弾道、打感などについて、これまで以上に契約プロたちと頻繁にやりとりを重ねました。香妻陣一朗プロも、試作モデルが出来上がるたびに試打しては、フェースの向きやスピン量について自らの要望を伝えてきたそうです。
「ただ、最初の試作モデルを見た時に、“今までのスリクソンのドライバーとは明らかに違う”と感じました。その印象は常に変わりませんでしたね」
そうして完成した『Z785 ドライバー』(以下、Z785)。香妻プロがもっとも気に入っているのは打感のよさだと言います。
「ヘッドは弾きがいいのですが、それだけではなくて、ボールがフェースにひっついてくれるんです。だから、インパクトでボールを押せる。この“押せる”という感覚はすごく大事です」
また、外観も気に入っているという香妻プロ。ずっと460ccのヘッドを愛用してきたため、同じ容量の「Z785」は構えた時に安心感を与えてくれるそうです。そして、ヘッドのチェックポイントとしていちばん大事だという「フェースの向き」も、「Z785」はスクエア。これも構えた時の安心感につながっています。さらに香妻プロが気に入っているというのが、カーボンが搭載されたクラウン部分。
「カーボン部分が格子状になっていて、構えた時にいいイメージが持てますね」
そして、気になる飛距離も、
「芯を食った時には、これまでとくらべて5ヤードは伸びていると思います」
という香妻プロ。さらに方向安定性についても、
ツアー屈指のロングヒッターである出水田大二郎プロ。ダンロップゴルフ科学センターでの最終調整を経て、香妻プロと同様、「ダンロップ・スリクソン福島オープン」から「Z785」の使用を開始しました。
出水田プロのドライバー選びのポイントは、ずばり構えた時の“顔”。スクエアなフェースが好みで、わずかでも左を向いていると構えにくく、トウ寄りのフェースが右に曲がっていく“逃げ顔”も、右に飛んでいく気がして嫌なのだとか。
では、「Z785」のフェースはどうかというと、
「まさにスクエアな顔をしていますよね。初めて見た時に、シュッとしていてシャープで、“いい顔をしているな”と思いました。それに、“今までのスリクソンのドライバーとは全然違うな”と」
そのヘッドから放たれるショットも、これまでとは違うそうです。
「以前使っていたモデルは弾道が高めで、ドーンと飛んでいく感じでした。それはそれでよかったのですが、『Z785』はそれにくらべるともう少し低めで、中弾道で前に進んでいく気がします。それに、計測してもらったデータでは、スピン量が理想的と言われる2300~2400回転/分あたりで安定している。だから、球筋もとても安定しているんです」
他のプロと同様、試作モデルができるたびに、開発スタッフとやりとりを重ねたという古田幸希プロ。特にこだわったのが、ヘッドのシルエットだそうです。
「トウのラインや、ネックからヘッド後方にかけてのラインについて、“こんな感じが好きです”と自分の要望を伝えました。それと、クラウンの頂上の位置についても“ここにあるといいですね”と具体的にお話ししました」
そうして出来上がった「Z785」のヘッドについて、古田プロはこう絶賛します。
「クラウンの頂上の位置がちょうどいいですよね。頂上がフェース寄りでも後方寄りでもダメなんですけど、これはいい位置にあるから、自分が打ちたい球のイメージが湧きやすいんです。ヘッドの形も、丸よりは三角に近いので僕には構えやすい。生意気なようですが、僕が想像していた以上にいいドライバーです(笑)」
そんな古田プロは、「ダンロップ・スリクソン福島オープン」から本格的な試打と調整を開始。その過程で気づいたことがあるそうです。
「僕は元々ドローヒッターだったのですが、ある時期から球筋をフェードに変えようと取り組んできました。そのため、ヘッドもつかまりすぎるのは嫌だったのですが、『Z785』を打っているうちに、やっぱり自分にはドローのほうが合っていると感じたんです。それでいろいろなロフトやシャフトを試しているうちに、“これだ!”という組み合わせが見つかりました」
今シーズン2位に2回入賞するなど好調のルーキー、勝みなみプロ。7月中旬の「サマンサタバサ・レディース」の練習日に初めて「Z785」の試打を行い、早くもその週から使用を開始しました。
勝プロは、アマチュア時代から歴代のスリクソンのドライバーを愛用してきたため、初めて「Z785」を目にした時には驚いたそうです。
「それまでのヘッドの形とは全然違って、スリクソンぽくなかったので、正直“どうしたんだろう?”と思いました(笑)」
ただ、アドレスしてみると、違和感なく構えられたという勝プロ。そして、実際に打った時には別の驚きがあったそうです。
「弾きがいいなと思いましたし、初速の速さを感じました。それまで使っていたモデルとくらべて、“こっち(Z785)の方が飛んでるな”と直感しました。それに球が強いから、たぶん風の影響も受けにくいだろうなと思いました」
事実、トーナメントで使い始めると、それまでとくらべて5~10ヤード、平均すると7ヤード前後は飛んでいることがわかったそうです。そうした飛距離の伸びに加えて、勝プロが感じているのが「Z785」のスイートエリアの広さ。
「“ヒール寄りに当たった”と思ったショットでも、芯でとらえた時とくらべてそれほど飛距離が落ちず、ちゃんと飛んでくれると感じます。そこは、以前のモデルとの大きな違いですね」
使い始めて2試合目の「センチュリー21レディス」の初日の13番ホールでは、出場選手中2位の270ヤードというビッグドライブを記録。さらに最近は、シャフトの長さを従来の45.25インチから45インチに替えたそうです。
「飛距離が伸びたのはいいのですが、あまりフェアウェイキープ率がよくないんです(苦笑)。それで、クラフトマンの方とも相談して、方向性をよくするために短くしました。そうしたら、振りやすくなって、ストレートボールで落ち際にちょっとだけドローする、自分の理想の球が出るようになった。だからすごく気に入っています」。