2019/05/22

D-Cafeレポート

<D-cafe> D-cafe リラックス・トーク 夢はマスターズ出場。そのために、今は少しでも多く試合に出たい~上村竜太~

D-cafe:いきなりですが、かなり立派な体格をしていますね。 
上村竜太プロ(以下、上村):はい(笑)。我が家はみな身長が高い家系なんです。僕は182センチですが、父はもっと大きくて186センチあります。
D-cafe:それはスゴいですね(笑)。体重も92キロあるそうですが、これまで何かトレーニングをしてきたのでしょうか?
上村:いえ。ゴルフのほかには、子どもの頃に水泳をやって、小学校のクラブ活動でバスケットボールをやったぐらいですね。まあ、食べることは好きですけど……。
D-cafe:たしかに、たくさん食べそうですね(笑)。さてゴルフですが、始めたきっかけをおしえてください。
上村:5歳の時に友だちがやっていたので始めました。まず練習場に行ったのですが、最初は全然ボールに当たらなくて。僕は負けず嫌いなので「なんで当たらないんだ!」と思いながらずっと打っていました。それで、始めて1週間後に「知覧カントリークラブ」という、鹿児島で有名なコースに連れて行かれて、200ぐらい打ってしまったのですが(苦笑)、なんだか楽しくなってしまって、それから練習するようになりました。
D-cafe:鹿児島といえば、稲森佑貴プロや勝みなみプロと交流があるそうですね。
上村:はい。稲森さんとは僕が小学3年の時に知り合って、一緒にラウンドしたりするようになりました。そのあとすぐ稲森さんはプロになってしまったのでご無沙汰していたのですが、去年僕がプロになってからは、いろいろ話を聞かせてもらったり、オフの合宿に参加させてもらったりしました。みなみちゃんとは、やはり小学校低学年の頃に、同じ練習場に通っていたのが縁で仲良くなりました。みなみちゃんもアマチュアの頃からかなり忙しかったので、みなみちゃんが鹿児島に帰ってきた時に一緒にご飯を食べに行ったり、ゴルフをしたりしていました。
D-cafe:プロゴルファーをめざそうと思ったのはいつ頃からなのですか?
上村:小学生の頃から漠然となりたいとは思っていましたが、本格的に意識し始めたのは中学を卒業して高校に進学する時ですね。高校2年でプロテストに受かった稲森さんは特別ですが、鹿児島の人たちは高校卒業後すぐに受験することが多いんです。その影響で僕も大学進学は考えていなかったので、受けるなら高3だと決めたんです。
D-cafe:子どもの頃に憧れていたプロはいるのですか?
上村:フィル・ミケルソン選手が好きなんです。ウエッジでボールを後ろに飛ばしたり、普通なら絶対にしないようなことを試合でしてしまうところに惹かれるし、とにかく見ていて「スゲーな!」と。僕もそういうゴルフがしたいと思っています。

D-cafe:プロテストでは狙い通り一発合格を果たしましたね。
上村:はい。ただ、合格できたのはよかったのですが、トップ合格を狙っていて、途中までいい感じだったのに最終日に“転んだ”というか、2オーバーを打ってしまったのが……。それに、直後にセカンドQTが控えていたので、あまり喜んでいる時間がなかったですね(苦笑)。それでも年末に近づくにつれて「プロになったんだ」という実感はだんだん湧いてきました。
D-cafe:そして、プロテスト合格者が競う「日本プロゴルフ新人選手権大会」(昨年12月開催)でも優勝しました。おめでとうございます。
上村:ありがとうございます。プレーオフにはなりましたが、初日、2日目といい流れでプレーできました。あの大会に勝つと翌年の「日本プロ」の本選に出場できるので優勝を狙っていたんです。ご存じのように今年の日本プロは鹿児島(いぶすきゴルフクラブ)での開催が決まっていたので、どうしても出たかった。今年の日本プロには、地元にいるたくさんの後輩や知り合いが観に来てくれるそうなので、みんなを楽しませるようなゴルフをしたいと思っています。
D-cafe:さらに、初めて挑戦したファイナルQTでは、20位という成績で見事ツアーの出場権も獲得しましたね。
上村:QTについては、プロの先輩方から、サードを通過するのも相当難しくて、ファイナルに出られるようになるには4、5年はかかると聞いていました。だから、サードを通過できた時点で、「ファイナルでは(最終日の)6日目まで残ろう。そうすればAbemaTVツアーの出場権も見えてくる」と考えました。それでいざプレーしてみたら、思いのほかスコアがポンポンと伸びてくれました。
D-cafe:それにしても最終日の「66」というスコアは立派です。
上村:ありがとうございます。最終日は6つか7つ伸ばさないと出場権は難しいと思っていたので、とりあえず「66」をめざすつもりでスタートしました。それ以外考えていなかったし、目の前の一打に集中していました。そうしたら目標通りのスコアが出て、(今季前半戦のツアーの出場権が得られる)20位に滑り込んだ、という感じです。
D-cafe:それでいきなりレギュラーツアー出場への道が開けたわけですね。
上村:自分でもびっくりしました(笑)。アマチュアの頃にもツアーの試合には一度も出たことがなかったので、ホント、何が何だか分からないというか。まったく想像がつかない世界なので、怖さや不安はなくて、「どうなるのかな?」というワクワクのほうが大きいですね。

D-cafe:ゴルファーとしてのご自身の強みはなんだと思いますか?
上村:身体が大きいので、みなさんからは飛距離が武器だと思われているみたいですね。たしかにティショットは300ヤードぐらい飛ぶとは思いますが、自分ではアイアンの正確性が強みだと思っています。持ち球のフェードボールで、どんなピンポジションでも狙っていける自信があります。だからティショットも、飛ばすよりも2打目以降のことを考えて打つようにしています。
D-cafe:一方、ツアーで戦っていく上での課題はなんでしょう?
上村:それは、ツアーでプレーしていればどんどん出てくると思っていて、適応力もそのひとつだと思います。今年は、ほぼ未経験のコースでプレーしないといけないので、一回プレーしたらすぐにいいスコアを出せるように、考え方や攻め方を身につけないといけないですね。
D-cafe:プロとしての目標はいろいろあると思いますが、最終的な目標はなんですか?
上村:やっぱりマスターズに出るのが夢ですね。僕がゴルフを始めて、最初に存在を知ったメジャーがマスターズだったので、やはり自分の中では特別です。もちろん、出場するには日本でトップにならないといけませんけどね。それと、他のメジャーも、ゴルフを始めた時から出たいと思ってきました。ちょっとずつですが、その目標に近づいてきているのかなと思っています。
D-cafe:では、最後に今シーズンに賭ける意気込みを聞かせてください。
上村:はい。今はまだツアー前半戦の出場権しかないので、まずリランキングで上位に入って、少しでも多く試合に出られるようにしたいです。出られる試合を増やさないと何も始まらないので。そうして試合に出たら、しっかり成績を残してシードを獲りたいですね。とにかく今年は僕にとって未知の世界というか、今までとはかけ離れたところに来ていると思うので、「やれるだけやってみよう!」という気持ちでいます。
D-cafe:活躍を期待していますので、ぜひ頑張ってください。

上村竜太(かみむら・りゅうた)
2000年鹿児島県生まれ。5歳でゴルフを始め、鹿児島県の男子アマチュアの頂点を競う「南日本ゴルフ選手権」を中学3年から3連覇。神村学園高3年だった昨年(2018年)、プロテストを受験し合格を果たすと、同年の「日本プロゴルフ新人選手権大会」で優勝。また、同年のファイナルQTで20位に入り、今シーズンのツアー前半戦の出場権を獲得。身長182センチ、92キロ、血液型A。