私は、ツアー選手の中では飛距離が出るほうではないんです。だから、ボール選びでいちばん重視するのは飛距離。飛ぶかどうかがとにかく重要です。これまでずっと『スリクソン Z-STAR XV』(以下、XV)を使ってきて、新しいモデルでも「XV」を選んだのは、やっぱり飛ぶからです。
これまでのボールとの飛距離ですか? 一緒に打って計測はしていないのではっきりとはわからないのですが、新しいボールのほうが、球に勢いがあって、飛んでいるのは間違いないと思います。また、新しい「XV」に切り替える際に、「Z-STAR 」と打ち比べてみたのですが、やっぱり「XV」のほうが飛んでいました。
それと私の場合、あまり飛距離が出ない分、ティショットは正確性で勝負なんです(注:昨年のフェアウェイキープ率は8位)。クラブとの兼ね合いもありますが、「XV」はコントロール性能もいいと思いますね。
アプローチショットについても、カバー(のコーティング材)が新しくなってスピンが増えた気がします。ラフが深くて、グリーンが硬いツアーのセッティングでプレーしていて普通にスピンがかかるし、自分のイメージしたところに止まってくれますからね。
そんな感じで、「XV」は飛んで止まってくれるボールなので、すごく満足して使っています。
私は昨シーズンからスリクソンのボールを使っていて、それまでいろいろなメーカーのボールを打たせてもらったのですが、その中でも「打感がいい!」というのがスリクソンのボールの第一印象でした。打感がしっかりしていて、なんというか“中身が詰まっている”気がしました(笑)。私は基本的にドライバーからアプローチまで、インパクトの音がしっかり聞こえて、手応えも“しっかりめ”のボールが好きなんです。
その点、新しいXVは、これまでと同様に打感がしっかりしているので、すごく私の好みに合っていますね。また、ドライバーショットに関しては、少しスピン量が減って弾道が強くなったので、より一層飛びそうなイメージが湧きました。だから風にも強くなったなと感じます。
逆にアイアンショットやアプローチショットではスピンが増えたと思います。一般的には、打感がしっかりしていると、あまりスピンがかからないイメージがあるかもしれませんが、XVは打感がしっかりしているけど、スピンもちゃんと入るんです。やっぱりボールは“飛んで、止まってくれる”のが理想的ですが、XVはまさにそんなボールなので、すごく使いやすいですね。
私は、パッティングの打感がいいかどうかで使うボールを決めます。いちばんプレッシャーがかかるのがパッティングだし、繊細なタッチが要求されるから。だから、新しいボールを打つ時も、まずパッティングから試すのですが、新しい「XV」もパッティングの打感のよさで選びました。
今回、「Z-STAR」と「XV」の両方をパターで打ち比べたのですが、「Z-STAR」が全体的にソフトな感じなのに対し、「XV」は、しっかりヒット感があります。ただ、「XV」はパンと離れるわけではなくて、“食いつき感”もあるので微妙なアジャストがしやすいなと感じました。しっかりしているけれど、食いついてくれる打感がすごく気に入りました。
長いショットに関しては、「前のモデルとくらべてやわらかくなった」という声を聞いたのですが、実際に打ってみると、やわらかさの中にも“芯”があるなと感じます。それと、スピン量が安定しているせいか、飛距離のバラつきが減った印象もありますね。
一方、アプローチショットで感じるのは、スピン量が増えたこと。前のモデルよりウェッジの溝に食い込んでいる感触があって、その分スピン量が増えたので、ツアーの硬いグリーンでも止まってくれます。といっても、スピンが入りすぎるわけではなく、適度なスピン量なので距離感が合わせやすいんです。
ということで、私はドライバーからパッティングまですごく満足して使っています。