2019/08/09

D-Cafeレポート

『リラックス・トーク』めざすのは、ともにツアー初優勝 ~香妻陣一朗&小木曽喬~

今回は、香妻 陣一朗プロと小木曽 喬プロによる対談をお届け。香妻プロ25歳、小木曽プロ22歳と年が近く、コース内外で行動を共にすることが多いという二人が、お互いのゴルフの特長や、共通の目標であるツアー初優勝について語り合ってくれました。

D-cafe:お二人は一緒に練習ラウンドをすることが多いそうですね。
小木曽:はい。今シーズンからですが、陣さん(香妻プロ)や浅地さん(洋佑プロ)とさせてもらっています。
香妻:たしかに最近は多いね。
小木曽:それと、陣さんは僕の“呑み”の師匠なんです(笑)。
香妻:いきなりそういうこと言うなよ(笑)。でも、まあまあ呑むんですよ、こいつ。
小木曽:はい。ちょっとは呑めるようになりました。
D-cafe:(笑)。お二人には何か共通点があるのでしょうか?
香妻:いえ、ないです(笑)。ただ、お互いプロ入りは早かったですよね。僕は高校を卒業してすぐプロになって……。
小木曽:僕は大学2年でプロに転向しました。
香妻:僕も一瞬だけ大学進学を考えました。でも、ツアーのQTを受けたら、結果的にファイナルまで行けたので、もうプロになろうと。早くお金を稼ぎたいという気持ちもありました。

小木曽:僕は高校3年で「日本アマ」に勝ったのですが、もう1回出たいなと思って、大学に入ってもう1年アマでやったんです。
香妻:なんなん、それ? 変わりもんだな、こいつ(笑)。
小木曽:(笑)。それに「日本学生」にも出てみたかった。で、1回出てみて、もういいなと思ったのでプロに。でも陣さん、早くプロになって正解じゃないですか?
香妻:正解かどうかは分からないけど、大学へ行くより楽しかったかもしれない。プロになった頃は稼げなかったけど、翔太君(秋吉プロ)や大二郎君(出水田プロ)と一緒にチャレンジ((現AbemaTVツアー)を回って楽しかったから。
D-cafe:試合で同じ組でプレーしたことは?
小木曽:何度かありますよ。去年の「中日クラウンズ」では、陣さんが「61」というスゴいスコアを出しましたよね。
香妻:あぁ、予選の2日目ね。オギ(小木曽プロ)も、去年の「マイナビABCチャンピオンシップ」の最終日に一緒に回った時はいいゴルフしてたよ。

D-cafe:お互いプレーしやすい相手なのでしょうか?
小木曽:ええと……陣さんはプレーが速いんです。だから「自分も速くしなきゃ」となるんですよね(苦笑)。陣さん、ホントに速いんで。
D-cafe:香妻プロはそんなに速いんですか?
香妻:速いです(笑)。
小木曽:プレーの速さでは、陣さんはツアーでも5本の指に入りますね、絶対。
D-cafe:そうなんですか。ちなみに他の速いプロは?
香妻:やっぱり孔明さん(小田プロ)でしょ。
小木曽:上井さん(邦裕プロ)もメチャクチャ速いです。
D-cafe:小木曽プロはどうなんですか?
小木曽:僕は……遅いです(苦笑)。
香妻:そう? 俺はオギを見てて「こいつ、遅いな」とは思わないけどね。

D-cafe:相手のプレーを見て、ここは上手い、スゴいと思うところはありますか?
小木曽:陣さんはパットですね。しっかり打ってタッチを出す。僕はあんなに強く打てないのでスゴいなと思います。
D-cafe:たしかに香妻プロは、平均パットの順位が昨シーズン4位で、今シーズンも3位です(注:「日本プロ」終了時点)。パットはずっと得意なんですか?
香妻:昔から得意といえば得意ですね。
小木曽:パットって、感性が大事ですよね。
香妻:そう、パターはセンス! パットを教えるなんて無理っすよ! どうやって距離を合わせるかとか……。
小木曽:あのタッチで打つということは、陣さんはラインを読む“目”もいいと思うんです。

D-cafe:パットに関して、香妻プロが小木曽プロにアドバイスはしないんですか?
香妻:しないですね。だって、オギもパットは上手いですから。別に教える必要ないです。アプローチも上手いし、ティショットも上手いと思います。
小木曽:でも、アイアンショットはダフるんです(苦笑)。
香妻:あぁ、アイアンね。下手とまでは言わないけど、「何やってんだ、あいつ」と思うことはあるね(笑)。
小木曽:(笑)。まあ、アイアンショットの精度を上げるのが僕の課題だと思っています。

D-cafe:ご自身の今シーズンの前半戦について振り返っていただけますか?
香妻:トップ10入りは1回だけでしたけど、ゴルフの内容は悪くないのでまあまあですかね。一時調子が悪くなりましたが、すぐに戻りましたし。去年が悪かったので、それにくらべると今年は断然いいです。身体の感じも含めて。
小木曽:僕も調子は悪くなかったのですが、賞金額が小さい試合でいいゴルフができたのに、大きな試合で稼げなかったのがちょっと……。ただ、去年は決勝ラウンドのスコアが悪くて順位を落とすことが多かったのが、今年は予選を通過したあと順位を上げることができているので、そこは進歩かなと。あとは、初日にいいスコアを出せていないのが課題で、初日の順位がいいと楽にやれると思うので、もう少し初日に頑張りたいですね。

D-cafe:シード権についてはどう考えていますか? 香妻プロの場合、昨年はあと一歩で逃して悔しい思いをしたと思うのですが。
香妻:去年はまさかシード権を落とすとは思っていなかったので、落とした時はショックでしたね。ただ、今シーズンもシード権を持っていた時と変わらない気持ちでプレーできているし、シード権に関しては一切意識していません。自分では余裕で獲れると思っているので。
小木曽:僕は、去年はずっとシード権を獲ることを目標にプレーしていたのですが、終盤の大きな試合で続けて予選落ちをしてしまって獲れなかったんです(苦笑)。
香妻:去年、賞金はいくら稼いだの?
小木曽:1,100万円弱でした(注:賞金ランキングは80位)。それで去年思ったのは、シード権を目標にしていたらシード権は獲れないということ。去年はとにかく予選落ちは避けようとして、ずっとカットラインを意識したゴルフになってしまったんです。だから今年は優勝争いするのを目標にしています。

D-cafe:優勝といえば、昨年は、先ほど名前の出た秋吉プロや出水田プロ、それに香妻プロと同い年で同郷の稲森佑貴プロが初優勝を飾りましたね。やはり「俺も!」という気持ちはありますか?
香妻:もちろん、優勝したい気持ちはありますよ。ただ、勝負ごとには時の運というのもあると思うんです。勝ちに行って、それで勝てるような世界でもないと思う。勝てる時は勝てるだろうと。
小木曽:僕は去年は優勝というものが全然ピンと来なくて、まだ無理というか、「どんなものなんだろう?」と思っていました。でも、今年、浅地さんが優勝したのを見て、「やっぱり優勝っていいな」と思えたんです。だから、今はAbemaTVツアーでも地区オープンでもいいので優勝したいとすごく思いますね。
D-cafe:ツアーはこれから後半戦ですが、やはりファンは優勝を期待していると思います。
香妻:そうですよね。僕も優勝するイメージはメチャクチャできてます! 
小木曽:僕はまだ1回しかトップ10に入ったことがないので、まずは最終日に最終組の近くでプレーしたいですね。
香妻:最終日・最終組はまだ経験がないの?(注:香妻プロは2度経験)
小木曽:はい。だから、せめて最終組に近いところでプレーできれば、優勝争いの雰囲気が分かるし、“こうしないといけない”というのも分かると思うので。

D-cafe:どちらが先に初優勝をするか、楽しみにしています。頑張ってください。
香妻、小木曽:はい、頑張ります!

《Profile》香妻陣一朗(こうづま・じんいちろう)
1994年鹿児島県生まれ。2012年プロ転向。16年チャレンジトーナメント(現AbemaTVツアー)初優勝を飾ると、同年レギュラーツアーで初のシード権を獲得。身長165センチ、体重71キロ。血液型A。

《Profile》小木曽喬(おぎそ・たかし)
1997年愛知県生まれ。2014年、大会史上2番目の17歳115日で「日本アマ」を制覇。15年プロ転向。16年チャレンジトーナメント初優勝。現在福井工業大学在学中。身長178センチ、体重72キロ。血液型B。