2020/09/03

SRIXONツアー情報契約プロSRIXON×松山英樹レポート

スリクソンのNEWドライバーを投入。白熱の優勝争いの末、3位タイに入賞

 米男子ツアーの2019-2020年シーズンのプレーオフシリーズ第2戦「BMW選手権」。松山英樹は最後まで優勝争いを演じ、昨年大会に続き3位タイでフィニッシュした。
 2003年の「全米オープン」の舞台でもある会場のオリンピアフィールズCC(イリノイ州)は、7366ヤード・パー70という長さに加え、フェアウェイが絞られ、グリーンも硬くて速い、まるでメジャーのようなタフなセッティング。多くのプレーヤーがスコアメイクに苦しみ、4日間通算でアンダーパーを記録したのはわずかに5人だけ、そのうちの一人である松山は終始上位でプレーした。
 第1ラウンドで3アンダー「67」をマーク。米ツアーでは自身初となる初日単独トップと好スタートを切った、2日目は1打差の3位タイに順位を下げたものの、3日目には「69」で回り、通算1アンダーの首位タイに。3年ぶりの米ツアー6勝目に向け、絶好の位置で最終日を迎えた。
 だが、その最終日は思ったようにショットコントロールができず、1~2mのパーパットを沈めて凌ぐ場面が続く。15番でこの日3つ目のバーディを奪ったが、上り3ホールはすべてパー。プレーオフに進んだD.ジョンソン、J・ラームの2人にあと一歩及ばなかった。
「勝つためには、パット以上にショット力が大事になると痛感させられた」
「ここまでできたのは収穫だけれど、ショットを立て直さないとコンスタントに上位にはいけない」
 ホールアウト後、松山はショットの調整の必要性について語った。
 ただ、4日間を通してショットの感触が悪かったかというと、そうではない。第2ラウンドを終えた時点で、松山は自身のティショットについてこう話した。
「自分の思っている視界から消えるような球が、この2日間で3回くらいしかなかった。先週やそれ以前なら10回くらいあったのが減ってきているので、よくはなっていると思う」
 そんな松山が、今大会で初めて実戦投入したのが、スリクソンのNEWドライバー「ZXシリーズ プロトタイプ」だ。新しいドライバーに替えて方向安定性が高まったわけだが、変化したのはそれだけではない。
 第3ラウンドの15番パー5。スリクソンのNEWドライバーを振り抜いたティショットは、「あんなに飛んでいるとは思わなかった」と松山自身も驚く383ヤードのビッグドライブを記録。4日間の平均飛距離も、自身の今シーズンの平均をおよそ22ヤードも上回る325.5ヤードと大きな伸びを見せたのだ。ショットの立て直しが必要とはいうものの、これが明るい材料であることはたしかだろう。
 今大会で3位に入ったことで、フェデックスポイントランキングを10位に上げた松山。最終戦「ツアーチャンピオンシップ」では、トップと6打差からのスタートとなる。ちなみに、同大会への出場は7年連続となり、これは過去に4人しか達成していない快挙だ。ポイントランキングの上位30人しか出場できない最終戦は、今週以上にハイレベルの優勝争いが予想される。絶好調とはいえない状態ながら、現在のワールドランキングのトップ2人と互角に渡り合った松山には、優勝のチャンスは十分にある。
 新型コロナウイルスの影響により、今年は最終戦後に全米オープンやマスターズなどのメジャーが控えるという変則スケジュールではあるものの、そのメジャーに弾みをつけるためにも、松山の最終戦での有終の美に期待したい。