2020/10/09

XXIO契約プロレポート

《新企画! 月刊ゼクシオLOVE三姉妹》 VOL.4-2  ショット、パット、メンタルのすべてがかみ合っている今こそ優勝したい ~青木 瀬令奈~

Q:まず、9位タイに入賞した「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」(以下、選手権)についてお聞きします。開催コースの「JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部」はタフで難しい印象を受けましたが、初日に「66」という好スコアをマークしましたね。
青木:たしかにコースは難しかったです。プレーするのは今回が初めてだったのですが、初めて練習ラウンドをした時には「なんじゃ、このコースは⁉」と(笑)。リンクスなので木がほとんどなくて、ブッシュからはライオンが出てきそうな雰囲気で(笑)。ティーイングエリアに立っても、「どっちに打つの?」というホールがいくつもあったし、フェアウェイが見えないので目標をとりにくかったですね。グリーン周りもラフが長かったのですが、初日はショットもよかったですし、パットもよくてバーディパットがビシバシ決まってくれました。

Q:そんな初日に対して、2バーディ・ノーボギーだった最終日は“耐えるゴルフ”だったのでしょうか?
青木:そうですね。風が4日間の中でいちばん強くて、ピンポジションも難しかったですから。そんな中で、ノーボギーでプレーできたのはよかったですし、周りの選手、特に同じ組で回った選手からは「ボギーなしはスゴいね」と言ってもらいました(笑)。

Q:今シーズン5試合目で初めてトップ10に入ったことについてはどう感じましたか?
青木:まずはホッとしました(笑)。私自身、メジャーでは去年も成績がよくて、全部賞金は7ケタを稼ぐことができたんです。他の試合ではあまりよくなくても(苦笑)、メジャーで結果を残せるのは、自分のペースで試合に臨めているからなのかなと思います。

Q:翌週の「デサントレディース東海クラシック」でも、初日の「69」をはじめ3日間アンダーパーでラウンドしました。最近調子が上がってきた要因はなんでしょう?
青木:気持ちや考え方の部分が大きいかもしれません。実は選手権の前の試合では、キャディの大西翔太コーチが中継番組の解説を担当したので、別のキャディさんに担いでもらったのですが、その方から「コーチともっと話し合ったほうがいい」とアドバイスされたんです。それは主にパー5の攻め方に関することで、データを見ると、私はパー3ではけっこうバーディが獲れているのに(注:パー3平均スコアでランキング8位※)、パー5はランク外なんです。たしかにパー5のセカンドの攻め方で大西コーチと意見が食い違うことはあります。練習ラウンドで一度決めたとしても、いざ本番になると迷うというか(苦笑)。そこを含めて話し合った結果、パー5でもしっかりバーディが獲れるようになりました。

Q:気持ちの面でも何か変化があったのでしょうか?
青木:はい。ボギーのあとにバーディが獲れる“バウンスバック”ならいいけれど、バーディのあとのボギーが多いなとここ数年感じていました。そこで、結果を視点にするのではなくて、その手前のプロセスを大事にするようにしてみたんです。パットにしても、入らなくてもいいからやるべきことをしっかりやろうと。そうしたら、選手権では余計なプレッシャーを感じることがなくなって、パットが面白いように入ったんです(笑)。3mぐらいのパーパットも同じで、やるべきことをやろうと思った瞬間にカップが近く見えて。それもコーチと話し合った結果なので、話し合ってよかったし、こういうことを積み重ねていけば優勝争いができるとも思えるくらい、今はすごくいい状態ですね。

Q:ショットも好調だということですが、それには要因はあるのでしょうか?
青木:それも大西コーチが解説の仕事をしたことと関係があるのですが、大西コーチが他の選手のスイングをいっぱい見たことで、ずっと一緒にいると見えなかった私の悪い部分が見えるようになったそうなんです。具体的には、バックスイングが縮こまっていて、ダウンスイングでクラブが急角度に入った結果、スピンが増えて右に飛んでいました。それを選手権の時に指摘されたので、バックスイングでヘッドを遠くに上げるようにしたら、インパクトでボールを押せるようになって、すごくいい球が出て飛距離も出るようになりました。だから、今はショット、パット、メンタルのすべてが本当にかみ合っているなと感じます。

Q:ツアーのスタッツを見ると、フェアウェイキープ率が5位(※)とティショットが安定しています。それに『ゼクシオ エックス』ドライバーは関係しているのでしょうか?
青木:はい(笑)。「エックス」のフェースは目標に合わせて構えやすいですし、打感も、一度ボールがフェースにくっついてから出ていくので、操作性のよさを感じますね。でも、フェアウェイキープについて特に意識はしていないんです。ただ、フェアウェイをキープしたい時ほど、“大きな球”を打つことを心掛けてはいます。フェアウェイに置きに行こうとすると、腰が止まったりして結局曲がりますからね(苦笑)。大きな球を打とうとすれば、最後まで身体が止まらずに振っていけます。それに、同じラフに入るなら、飛んでグリーンに近いラフに入ったほうが次は短いクラブで打てますよね? そのつもりでティショットを打つと、いい球が出るんです(笑)。

Q:以前、歌うことでリフレッシュしていると話していましたが、今はいかがですか?
青木:今は遠征が多いのであまり歌っていないのですが(笑)、音楽は聴いています。9月に試合が続いて3週間ホテル暮らしだった時にはちょっと疲れがたまったのですが、スタート前にテンションが上がる“タカラヅカ”の曲をガンガン聴いたら疲れが吹き飛びました(笑)。その曲はトレーニングをする時にしかかけないのですが、あの時は特別に聴いてみました。疲労回復に関しては、あるゲン担ぎをしていて、それを始めてからはずっとスコアがいいんです。でも、それを言ってしまうと効き目が切れそうなので言いませんけど(笑)。

Q:(笑)。では、最後にこの秋のご自身の抱負をお願いします。
青木:はい。これから毎週のようにトーナメントが開催されることは、選手としてもプレーヤーズ委員長としてもありがたいなと思っています。私としては、毎年出場するのを目標にしている「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の出場資格がどうなるのかも気になるところなのですが、あの試合に確実に出るためにも、調子がいい今、ぜひ優勝したいと思っています。優勝したら、どんなゲン担ぎをしているかもお話しします(笑)。

※データはすべて9月末時点