2021/07/08

SRIXONツアー情報契約プロレポート

《さまざまな感染症対策を施し、有観客で2年ぶり7度目の開催!》「ダンロップ・スリクソン福島オープン2021」開催レポート

 大会アンバサダーの古閑美保プロが、ギャラリーのみなさんと一緒にコース内を歩き、目の前のプレーを生解説する本大会の大人気企画が、新型コロナ対策のため、今回はオンラインイベントに衣替え。JGTO競技担当理事で、今大会のコースセッティングアドバイザーである田島創志プロをパートナーに迎え、決勝ラウンドの2日間、各日1時間ずつコース内を巡って解説する模様を、大会公式サイトでライブ配信し、Twitterではリアルタイムで質問を受け付けました。

 26日(土)は1番ホールとワンオンが可能な9番ホール(パー4)、27日(日)は9番のグリーンからティイングエリアまでを、文字通りロープの内側を歩いてプレーを解説。両プロは、自身のプレーヤーとしての経験をまじえ、ティショットの狙いどころやプレーヤー心理、男女プロのコースマネジメントの違いなどについて語ったほか、視聴者から寄せられた「お二人の勝負メシは?」「優勝予想スコアは?」といった質問に軽妙なトークで答えるなど、息の合ったコンビぶりを見せていました。

 開催テーマの一つに「ジュニアゴルファーの育成」を掲げている本大会。例年、出場選手の協力のもとギャラリーのみなさんにジュニア育成のための募金をお願いしてきましたが、今回は感染症対策として、募金に代わりオンラインによるチャリティオークションを実施。収益金は全額がジュニア育成に充てられました。
 一方、松山英樹プロの「子どもたちに是非ゴルフというスポーツに興味をもってもらいたい」という想いから2015年にスタートした、ジュニアゴルファーを招待するイベント「松山英樹ジュニアインビテーション」は、例年通り大会3日目(26日)に開催。今回は、「福島ジュニアオープンゴルフ」の上位入賞者で、福島県内の小中高校に通うジュニアを中心に20名が参加しました。ジュニアたちは、練習場とスタートホールで選手たちのプレーを見学したあと室内に移動し、本大会のテレビ解説を務める中嶋 常幸プロの講演を聴講。その冒頭には、松山プロからのビデオメッセージが放映されました。中嶋プロは、自身の体験をまじえ、今年のマスターズ・トーナメントでの優勝争いや松山プロのプレーの素晴らしさについて語ったほか、「自分に妥協しないで」「自分の限界を超えてください」といったアドバイスを贈っていました。
 その後、ジュニアたちはグランディ那須白河GCのNASUコースに移動。福島県プロゴルフ会所属のプロたちによるアドバイスを受けながら3ホールをプレーし、トーナメント体験を終えました。

 東日本大震災の発生から今年でちょうど10年。本大会では「震災からの復興に取り組む福島の支援」を重要なテーマに掲げ、毎年開幕前日の水曜日に、コース内レストランで親睦会「ふくしま交流の夕べ」を開催してきました。これまでは協賛社のみなさんや大会関係者、出場プロが多数出席して親睦を深めてきたものの、今回は感染症拡大防止の観点から参加者を絞って実施するとともに、会の模様をオンラインで配信しました。
 イベントでは、出場選手を代表して選手会長の時松隆光プロと地元・福島出身の内藤寛太郎プロによるトークセッションを実施。それぞれ「大きなターフが取れるのが気持ちいい」「アイアンショットの精度が必要」と、大会の魅力やコース攻略のポイントについてコメントしていました。

 また、2人をはじめ参加者のテーブルには、福島牛のサーロインと福島県産の野菜を使ったローストビーフ丼とステーキ丼が振舞われました。さらに会の途中には、全米オープン出場のため、やむなく今大会を欠場したディフェンディングチャンピオンの星野陸也プロと、松山英樹プロがVTR出演。ともに大会の成功と盛り上がりを願うメッセージを寄せていました。
 そして、最後に時松プロは「福島が元通りになることを願いつつ、精一杯いいプレーをお見せしたい」と本番での健闘を誓っていました。

 2020~21シーズンの国内男子ツアーで、有観客で開催するトーナメントとしては2戦目となった本大会。スタッフに事前のPCR検査を実施したほか、ギャラリー向けにも、さまざまな感染症対策を行いました。
 まず、検温は2段階で実施。会場に向かうギャラリーバスに乗る前に1度目の検温を行い、入場時には、ギャラリーゲートに用意されたサーモグラフィで2度目の検温を実施しました。
 また、運営スタッフとギャラリーの接触機会をできるだけ減らすために、当日券の販売は行わず、入場チケットはインターネットによる販売に限定しました。大会プログラムや組み合わせ表などの配布も今年は見合わせ、代わりに大会公式サイトで確認できるよう、会場内にサイトのQRコードを掲示しました。
 さらに、食事に関しても手指の消毒用アルコールの設置をはじめ、各種の感染症対策を実施。アルコール類は持ち込みを禁止し、販売を見合わせました。また、広範囲で食事をすることによる感染拡大を防ぐために、食事できる場所をギャラリープラザに限定。飲食関連の売店は例年より少なくする一方、食事用のスペースをたっぷり確保するとともに、座席はすべて横並びにし、隣座席との距離を十分にとるレイアウトを採用しました。


2013年まで19回にわたって行われていた地方競技「福島オープンゴルフ」を引き継ぎ、2014年に男子レギュラーツアーのトーナメントとして誕生。住友ゴム工業、福島中央テレビ、日本ゴルフツアー機構による主催で行われ、男子ツアーを実施していない地域でのツアー競技開催による「ゴルフ活性化」をはじめ、「ゴルフを通じた地域活性化」「地域密着」「ジュニア育成」「東日本大震災からの復興に取り組む福島の応援」「総事業費のスリム化」など、大会独自のテーマを掲げている。