2021/09/07

D-Cafeレポート

《リラックス・トーク》練習量が増えたことで芽生えた自信。これからもっと上位に入賞して、シード権を獲りたい ~ 菅沼 菜々 ~

 みなさん、お久しぶりです。菅沼 菜々です。いつも応援していただき、どうもありがとうございます。今日は私の近況についてお話ししようと思います。

 先日は、私が日ごろお世話になっている東松山カントリークラブ(埼玉県)で、メンバーのみなさんとの親睦コンペに参加してきました。東松山CCでは、高校1年の夏頃から練習させてもらっていて、平日は放課後に、土日はほぼお邪魔していました。プロになってからは、オフのほか、新型コロナウイルスの影響で試合がなかった去年の前半も、たびたびラウンドをさせていただきました。

 メンバーさんには、これまでもオフに何度か私主催のコンペに参加していただいているのですが、今回は、ダンロップさんと、私が今年から所属している、あいおいニッセイ同和損保さんに初めて協賛していただきました。
 当日は、まず参加された方数人にワンポイントレッスンをしました。といっても私はほとんどレッスンをしたことがないので、「こんなことで困っているんです」と相談されたらどうしようと不安だったのですが、やってみたらなんとかなりました(笑)。

 その後、私はあるショートホールで待機して、そのホールのプレーを終えたみなさんとパット対決をしました。私よりカップの近くに寄せた方がいたら、その組のみなさんに、NEW『スリクソン Z-STARシリーズ』をプレゼント。そのほか参加者全員に、私の使用済みの『Z-STAR XV』にサインを入れてお渡ししました。

 私はたくさんの人の前で話すのが苦手なので、コンペ前のスピーチは何を話したか自分でもよく覚えていないのですが(苦笑)、おしゃべりは得意なのでたくさんの方とお話ししました。今はコロナの影響でなかなかご声援をいただくのが難しいのですが、今回、「応援してるよ」「頑張ってね」と直接言ってもらえたのはうれしかったです。それに、「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えられるのもうれしいし、また機会があればイベントをやりたいなと思います。
 ちなみに、「XV」はジュニアの頃からずっと使っていますが、私は特にパットの打感が気に入っています。パターの打感は好みが分れると思いますが、私は「XV」のしっかりした打感が好きなんです。そのほか新しい「XV」は、ドライバーショットの飛距離が2~3ヤード伸びていて、これはデータを計測してもらってわかりました。
 それと、私は「XV」の手触りも好き。コーティングのせいなのか、指で触るとしっとりした感じがしてメチャいいんです。それが、アプローチショットでフェースに乗る感じにつながっているんじゃないかと思います。

 ご存じの方もいるかもしれませんが、私は今年、6月の「ヨネックレディス」で3位に入ることができました。私にとってツアーでのベストフィニッシュで、最終日には「64」(8バーディ・ノーボギー)というスコアを出すことができました。私の人生の中でもベストスコアで、プレーの中身も100点満点でした。

 あの日は、ショットもパットもよかったのですが、運もありました。あのコース(ヨネックスCC)の13番ホールはティショットの落とし場所が狭くて、右は少し曲げるとOBになってしまうんです。私はフェードヒッターなので、そのホールがすごく苦手なのですが、最終日は右に打ってしまって。「あ、終わった……」とあきらめたのですが、行ってみたら、絶対にないと思ったボールがギリギリ残っていました。たまたま左傾斜のところに落ちて内側に跳ねたとフォアキャディさんが教えてくれたのですが、OBにならずによかったですし、「いいプレーをしているときには運も味方してくれるんだな」と感じました。

 また、先月の「CAT Ladies」では8位タイに入りました。開催コースの大箱根GCは高速グリーンなので、元々速いグリーンが好きな私とは相性がいいんじゃないかと思っていたのですが、練習ラウンドではそれほど速くなかったんです。初日のパッティンググリーンでも、「ちょっと速くなったかな?」というぐらいだったのですが、スタートホールの10番で、5mぐらいのバーディパットを5mもオーバーしてしまって、「えっ? 速い!」と(苦笑)。そのホールは3パットのボギーにしてしまったのですが、そこからだんだんタッチを合わせることができて、「私、やっぱり速いグリーンは得意なんだな」と思いましたね。

 最終日はものすごい風が吹いて、しかも、いきなり風が吹いたり、止まったりで打つタイミングが難しかったのですが(笑)、プレーしていて楽しかったですね。あれだけ風が吹くとかえって面白かったし、楽しまないとたぶんいいスコアは出ないじゃないかと思います。

 今年に入って時々上位に入れている理由の一つは、100ヤード以内のショットの精度が上がったから。シード選手なら、その距離をフェアウェイから打てば、10回のうち9回はグリーンを外さないと思うんです。でも、ルーキーだった一昨年の私は、ウエッジのショットが本当に下手で(苦笑)、3、4回は外していました。それは、たとえばグリーンの右端にカップが切ってあっても、ピンをデッドに狙って、右に外してしまっていたからなのですが、今は、少し左から攻めるようにしています。
 ただ、130ヤード以内なら、やっぱりピンを狙っていきたいので、オフに9番アイアン以下のショットをたくさん練習しました。おかげで、今はピンの位置がグリーンの右端でも左端でも自信をもって狙っていけるようになったし、以前のようなミスをしなくなりました。

 パッティングも、ツアーのグリーンに慣れたこともあって、いい感じでできています。たまに、「なんだか感覚がおかしいな」と思っても、練習する中で自分で調整できるようになりました。そこも成長した部分かなと思います。

 それと今年は気持ちの面でも変わりました。きっかけは、さくらちゃん(小祝プロ)に話を聞いたことです。さくらちゃんとは、同じダンロップ契約というだけでなく、ウエアも契約先が同じなので、以前から仲良くしてもらっていて、私の地元の近くで開催されて、私が出場できない試合の時にも、食事に誘ってもらったことがありました。

 それが、今年の3月に2人で食事をした時に、私がなにげなく「オフ(休日)はとっているんですか?」と聞いたら、さくらちゃんは「オフは試合が全部終わったらとる」「シーズン中は練習しない日はない」と。プロがこんなことを言ってはいけないのですが、私は練習が好きではなくて(苦笑)、以前は2週間に1日はパット練習以外何もしない日があったんです。
 でも、さくらちゃんの話を聞いて、「賞金ランキングのトップにいる人がそんなに練習しているのに、自分は何をしているんだろう?」と思って、急にスイッチが入って、何ならさくらちゃん以上に練習しようと思うようになりました。それからは、私も一日も休まずに練習して、やれることをすべてやるようにしてから、成績もちょっとずつ上向いてきた気がします。練習自体、今は好きになって、朝からずっと練習していたいと思うほどなので、本当に“さくらちゃんさまさま”という感じですね。
 さくらちゃんとはその後も一緒にご飯に行くことがあって、5月の試合で同じ組でプレーした時には、さくらちゃんが「今日、サムギョプサル食べたくない?」と聞くので、私も「いいですね!」と言って食べに行きました(笑)。

 さて、女子ツアーも後半戦に入っていますが、私の目標は今年こそシード権を獲ることです。私の周りでは、獲得賞金額3500万円ぐらいが当確ラインじゃないかと言われていて、私の賞金はまだ半分ちょっとなのですが、出られる試合はまだ多いので、優勝争いをして、あと2、3回、できればもっとトップ5に入れたらいいなと思います。もちろん優勝はしたいけれど、それはあまり意識しすぎないようにして。

 去年までは、予選落ちしても「悔しいな」と思ってそれで終わっていました。でも、今年は予選落ち自体少ないし、多少結果が悪くても、「これだけ練習しているのだから大丈夫」という自信も出てきました。なので、このままシーズンの最後まで戦えればと思っています。

菅沼 菜々(すがぬま・なな)
2000年東京都生まれ。5歳でゴルフを始め、埼玉栄高3年時の「日本ジュニア」(2017年)で優勝。18年プロテストに合格し、翌19年からツアーに本格参戦。2020~21シーズン賞金ランキング63位(9月5日時点)。身長158センチ、血液型AB。