2021/11/01

D-Cafeレポート

《岩井 明愛&千怜プロ スペシャルインタビュー》ライバルではなく、仲間。二人で世界を舞台に活躍したい

D-cafe:ふだんはお互いを何と呼び合っているのですか?
岩井 明愛プロ(以下、明愛):私は〝ちーちゃん〟ですね。
岩井 千怜プロ(以下、千怜):ちょっと前までは、〝あきちゃん〟でしたけど、最近は、私、〝岩井さん〟て言っちゃうんです(笑)。
明愛:あー、それもよく言うね(笑)。今はお互い、そのほうが多いかも。

D-cafe:お二人の髪型はだいぶ違いますよね。(姉の)明愛さんはショートで、(妹の)千怜さんは伸ばしています。
明愛:元々は私も髪を伸ばしていたのですが、高1の時に私が切って。
千怜:そうだったね。

D-cafe:それには何か理由があったのですか? お互いを間違えられないように、とか。
明愛:いえ、ただ切りたかっただけです(笑)。それから私はずっとショートですね。

D-cafe:双子ということで、やはり間違えられることはあるのでしょうか?
千怜:知り合いにはほとんどないですけど、ゴルフ場ではけっこうありますよ。
明愛:トーナメント会場で先輩プロの方から「このあいだ一緒の組で回った子だよね?」と声をかけられて、「あ、いえ、たぶんもう一人のほうだと思います」とか(笑)。
千怜:あー、それはあるね(笑)。

D-cafe:お二人とも血液型はA型だそうですが、性格はだいぶ違いますか?
明愛:違いますね。千怜は私より几帳面です(笑)。あと、いつもなんて言ってたっけ?
千怜:〝練習を重ねて、努力する〟。
明愛:そう、努力家という感じですね。
千怜:明愛は……、いい意味で大雑把ですね(笑)。

D-cafe:ゴルファーとしてはいかがですか? 何かのインタビュー記事で、お姉さんはアグレッシブで、妹さんは慎重とおっしゃっていましたが。
千怜:たしかにそうかも。でも、最近は私も攻めるようになりました。やっぱり攻めるとそれだけチャンスが増えるし、明愛のプレーを見ていて、攻めた方が面白いなと思ったので。

D-cafe:お二人でゴルフの話はよくするのですか?
明愛、千怜:
(口を揃えて)いえ、しないです。

D-cafe:たとえば、お互いのスイングの話とかもしない?
明愛:しないですね。ただ、千怜がステップ・アップ・ツアーで優勝したあとに、メンタルのことは聞きました。たとえば、「最終日はどんな気持ちでプレーしたの?」とか、「ウイニングパットはどんな気持ちで打った?」とか。

D-cafe:お二人は姉妹ですが、ゴルフではどんな関係なのでしょうか? やっぱり〝ライバル〟ですか?
明愛:いえ、違います。仲間みたいなものですかね。それでここまで来れたので。
千怜:〝一緒に頑張ろう!〟という感じですね。

D-cafe:プロゴルファーをめざそうと思ったのはいつからですか?
明愛、千怜:
二人とも高校1年の時です。

D-cafe:それは、何かきっかけがあったのでしょうか?
明愛:元々私たちはゴルフだけでなく、陸上も真剣にやっていて、中学に入ってからも、夏は短距離走、冬は長距離走をやっていました。一時は陸上で行こうかなと考えたのですが、だんだんゴルフの成績のほうがよくなっていって。それで、高校ではゴルフに絞ろうと決めて、やるなら強豪校に入って強くなりたいと思ったんです。みんなで切磋琢磨できるなと。それで埼玉栄高校に入って、プロをめざすようになりました。
千怜:高校に入った時に、気持ちが変わったよね。

D-cafe:最終プロテストは、明愛さんが3位、千怜さんが9位タイでの合格でしたが、気持ちの余裕はあったのでしょうか?
明愛:いえ、全然(苦笑)。4日間通してずっときつくて、特に3日目はきつかったですね。2日目を終えて、私はまだ中途半端な位置にいて、3日目でスコアを落としてしまうと、4日目に巻き返さないといけなくて、それも難しいと思ったので、3日目は緊張しましたね。結果的に、3日目も4日目も伸ばすことができたのでよかったのですが。
千怜:私は、2次テストがかなり危なっかしくて(苦笑)、精神的に追い詰められた中で通過したので、最終テストはどちらかというと気楽にプレーできましたね。自信がついてきた中での受験だったので、いちばん自分を出せた試合でした。

D-cafe:新型コロナウイルスの影響で、テストが1年延期になったのは、精神的にきつかったのではないですか?
千怜:いえ、私はラッキーだなと思いました。というのも、去年は調子が悪くて、去年テストを受けていたら、たぶん受かっていなかったと思うので(苦笑)。
明愛:私は、テストが延期になったのは全然気にならなかったですね。延びたら延びたで、そこに照準を合わせればいいだけだと思っていました。

D-cafe:ところで、お二人はスリクソンのボールはいつから愛用しているのですか?
千怜:中学ではもう使ってたよね?
明愛:えーと、中2とかじゃなかった?

D-cafe:今はお二人ともNEW『スリクソン Z-STAR XV』を使っているそうですが、どんなところが気に入っていますか?
明愛:他のボールを打ったことがないのですが(苦笑)、よく飛ぶところです。
千怜:私は打感ですね。「Z-STAR」も打ったことがありますが、「XV」のほうがアグレッシブにプレーできる感じがして、その分飛距離も伸びる気がします。打感がしっかりしている方が自分に合っているし、ドライバーからパターまで、打っていて気持ちがいいです。

D-cafe:ご自身のゴルフのセールスポイント、強味はなんだと思いますか?
明愛:強味……、うーん、自分ではこれといって思い当たらないんですよね(苦笑)。

D-cafe:(笑)。では、千怜さんから見た明愛さんのセールスポイントは?
千怜:いや、もうアグレッシブなところですよね。ショットもパットもどんどん狙っていくので。
明愛:それでいいかな?
千怜:いいんじゃない?
明愛:強味は、アグレッシブなところです(笑)。

D-cafe:(笑)。千怜さんご自身はいかがですか?
千怜:私は〝耐えるゴルフ〟ですかね。厳しいパーパットを決めて、意地でもボギーを打たないとか。

D-cafe:一方で、ご自身の課題は何だと思いますか?
明愛:私は精神面とパターですかね(苦笑)。パットって、やっぱり気持ちの強さが大事だと思うんです。私は、緊張してしまって、思うようにストロークできないことがあるので、なるべくフラットな気持ちで打てるようになりたいです。
千怜:私は、最近、飛距離を伸ばしたいと思っています。もう少し飛ばしたいですね。

D-cafe:お二人ともアマチュア時代からレギュラーツアーに出場していますが、プロとして活躍する自信はありますか?
明愛:はい。『この自信はどこから来るんだろう?』とは思いますが(笑)、とにかく自信はあるので、ツアーでも戦っていけるなと思っています。
千怜:私も同じで、気持ちが強ければ、ツアーでも優勝できると思っています。

D-cafe:最後に、今後の目標をお聞きしたいのですが、まずは近いところから。
明愛:ツアーで優勝したいですけど、それにはまず試合に出ないといけないので、近い目標としては、QTで上位に入って、来年のツアー前半戦の出場権を手に入れることですね。
千怜:私も一緒で、やっぱりQTを上位で通過することです。

D-cafe:では、将来の大きな目標は?
明愛:大きな夢としては、千怜とツアーで優勝争いをすることですね。最終日・最終組でプレーして。
千怜:それ面白そう(笑)。私は国内ツアーで……20勝かな?
明愛:大丈夫、イケるイケる(笑)。それと、私は海外メジャーで勝ちたいです。
千怜:私は、東京オリンピックを見てすごく影響を受けたし、やっぱりカッコいいなと思いました。明愛と二人で世界を舞台に戦えたらカッコいいなと思います。

D-cafe:ありがとうございました。大きな目標に向かって、お二人で頑張ってください。

岩井 明愛(いわい・あきえ)
2002年埼玉県生まれ。埼玉栄高3年だった昨年の「日本女子オープン」で14位タイとなりローアマチュアを獲得。今年9月のステップ・アップ・ツアー「山陽新聞レディースカップ」でプロ初優勝。身長161cm。武蔵丘短期大学在学中。

岩井 千怜(いわい・ちさと)
2002年埼玉県生まれ。アマチュアとして「埼玉県女子アマ」3連覇(2018~20年)、「日本ジュニア」5位(2018年)などの戦績を残す。今年9月のステップ・アップ・ツアー「カストロールレディース」でプロ初優勝。身長162cm。武蔵丘短期大学在学中。