2022/03/03

SRIXON製品情報

《 ダンロップの飛距離MAXボールが挑んだ飛びの限界突破! 》 ぶっ飛び × よりソフトな打感 = 『スリクソン X3』!!

Q.初代から数えて3代目となる『スリクソン X3』(以下、X3)ですが、ズバリどんなボールなのでしょうか?
児島 まず、飛距離について高い評価を得た前モデルよりもさらに飛びます。そして、打感、特にショートゲームの打感が向上しました。この2つがX3のメインコンセプトです。

Q.前作の「X2」も打感のよさが好評だったと聞いていますが、今回、打感のさらなる向上をめざしたのはなぜですか?
児島 はい。「X2」のユーザーを対象にした調査では、「よく飛ぶ」という声と同時に、「打感がよくなった」という意見がたしかに聞かれました。ただし、それはドライバーに関する話で、アプローチショットやパットでは「やっぱり硬い」「カツッという音がする」という声が少なくありませんでした。私たちが実施した、当社の社員数十人を対象にした実打テストでも、実際にそうした意見は出ました。そこで、企画チームとも相談して、そういう声があるならば、新しいモデルではやはり改善していかないといけないなと。

Q.なるほど。では、開発はどんなことから始めたのでしょう?
児島 打感をよくするのは大事なのですが、やはり「X3」の最大の特長は〝飛び〟です。なので、まずは飛距離アップから取り組みました。

Q.ボールの飛距離を伸ばすには、いくつか方法があると思いますが。
児島 おっしゃる通りで、主な方法としては、ディンプルの改良、打ち出し角を高くしてスピン量を減らす、初速を上げるといったものがあります。ダンロップのボールは、対象ユーザーに合わせて飛ばすための方法もそれぞれのモデルですみ分けをしていて、歴代のXでは、3つ目の「初速」、つまり、インパクト時のエネルギーをそのままボールに伝え、速いボールスピードで飛ばす、というコンセプトで開発してきました。そのため「X3」でも、いかに初速を上げるかを考えました。

Q.では、初速を上げるために何をしたのでしょう?
児島 前作もそうでしたが、新たにコアを開発しました。現行の「スリクソン Z-STAR XV」のコアには、研究部門と協業で開発した高反発添加剤が使われています。XVも飛びが売りのボールですが、「X3」はそれ以上に飛距離に特化したボールですから、その反発材料をXV以上に添加して反発を上げ、より大きく飛ばすことをめざしました。

Q.すると、コアの硬度は上がったのですか?
児島 いえ。コアを硬くすると、どうしても打感が悪くなってしまいます。硬くせずに、反発性能だけを上げることができるのが、今回採用した高反発材料の魅力なんです。

Q.なるほど。すると、〝飛びのエキス〟とでも言うべき高反発添加剤の量を増やすことでさらに飛距離が伸びたと。
児島 いえ、そう簡単な話ではなくて(苦笑)。というのも、最初にお話ししたように、「X3」では、ショートゲームでの打感の向上もめざしたのですが、それにはやはりカバーをやわらかくするのが有効です。ただ、そうするとドライバーのスピンも増えてしまい、高反発材料を入れても飛距離が落ちてしまうことがわかったのです。

Q.なるほど、カバーをやわらかくしつつ、スピンを減らす必要があったのですね。
児島 そうなんです。そこで私たちが着目したのが、コアの硬度分布でした。前作では、コアの中心から外側までの硬さを平坦にした構造を採用しました。そうすることでボールが潰れずにインパクト時のエネルギーがそのままボールに伝わり、遠くに飛ぶと訴求したのですが、X3では、中心がやわらかく、外側に向かって硬くなる「外剛内柔構造」のコアを採用しています。ゴルフボール、これはカバーではなくボール全体としての話ですが、一般的には硬いほうがスピン量は多くなり、やわらかいほうがスピンは少なくなります。コアの硬度差を大きくした「X3」は、より潰れることでスピンが減り、なおかつ添加剤の効果で反発も前作より高くなっています。さらに、ボールの潰れは打感のよさにもつながります。その結果、前作の打感のよさは踏襲しつつ、飛距離を伸ばすことができたのです。

児島 大二郎(こじま・だいじろう)
住友ゴム工業㈱ スポーツ事業本部 商品開発部 ゴルフボール技術グループ

入社後1年目よりディスタンス系ゴルフボール開発に携わる。大学・大学院時代から培った化学知識を、ゴルフボール各部材の設計に活かす。現在発売中の「ゼクシオ リバウンド ドライブ」も担当し、開発者としての経験を積み『スリクソン X3』開発を担当。

Q.次に、「X3」のもうひとつのコンセプト「ショートゲームの打感の向上」についてお聞きします。そのためにカバーをやわらかくするというお話がありましたが、実際にどれくらいやわらかくなったのでしょうか?
児島 はい。前作とくらべてカバーを5%ソフト化しました。もっとソフトにすることもできるのですが、ドライバーの反発が落ちないようにするためにはそれがギリギリでした。

Q.カバーの材質は変わったのですか?
児島 いえ、前作と同じアイオノマーですが、配合の種類を変えることでやわらかくし、ショートゲーム性能をアップさせています。また、今回のカバーには、傷つきにくいという特長もあります。カバーをソフトにすると、その分フェースに食いつくために、擦り傷のようなものができることがあります。実は前作のユーザー調査では、傷に関するコメントもあって、企画チームから「改善できないか」と要望されていました。そこで、いくつもの配合を検討した結果、やわらかいけれど傷つきにくい配合を見つけることができました。

Q.なるほど。コアに硬度差をつけることで余分なスピンを減らして飛距離を伸ばし、なおかつカバーをやわらかくできたのですね。
児島 ええ。ただ、私たち開発チームとしては、「もっと飛距離を伸ばせないだろうか」と粘りまして(笑)。検討した結果、「ゼクシオ リバウンド ドライブ」と同様の〝軟・剛・軟〟という「REBOUND FRAME(リバウンドフレーム)」構造を採用しました。やわらかいコアを、硬い中間層で覆うことで、余分なスピンを抑えることができます。これは、ドライバーだけでなくアイアンでも有効です。

Q.「X3」は、ドライバーだけでなくアイアンでも飛距離が伸びるということですか?
児島 はい。ドライバーだけでなく、アイアンでも飛距離の伸びが顕著です。プロや上級者なら、アイアンショットは高い球でスピンをかけてピンをデッドに狙いたいですよね? でも、アベレージゴルファーの場合、そこまで飛距離も高さも出ないので、たとえば5番アイアンで狙わないといけないとなると、グリーンを外す確率が高くなってしまいます。それを、6番や7番で狙えるとなれば、パーオンできるチャンスも増えます。その意味では、「X3」はアベレージゴルファーにはとても魅力のあるボールだと思うんです。

Q.「X3」の開発担当者として、特に苦心されたのはどんなところでしょうか?
児島 はい。先ほどもお話ししたように、ショートゲームの打感をよくするためには、カバーをやわらかくする必要があったのですが、やわらかくするとスピンが増えますし、反発性能が下がって飛距離が落ちてしまいます。そのため、どこまでやわらかくするかという構造面の判断は難しかったですね。
 それと、コアに加える高反発添加剤をXVよりも増やしたことで、工程に乗せるまでが大変でした。

Q.高反発添加剤は、たんに量を増やせばよいというわけではないのですね。
児島 そうなんです(苦笑)。「XV」の開発を担当した先輩社員に、なぜ添加剤をその量に決めたのか聞いたところ、「それが限界だった」と。成型が難しい、品質が均一にならないといったことが理由で、私も製造現場の方から、「ここまで増やすと大量生産できない」と言われました。話には聞いていましが、実際にいろいろな問題が起こることを、試作を通して学びました。

Q.それでも、最終的にはXVよりも量を増やすことができたのですね?
児島 はい。生産技術チームの方たちと、試作の結果を受けて、対策について何度もミーティングを重ねました。材料部門の方たちにも協力を仰ぎ、過去に同様の事例がなかったか、どう改善すべきかという相談をしました。そうした多くのみなさんのサポートのおかげで、反発性能の高いコアをつくることができました。

Q.まさに技術を結集したという印象です。では、最後に、開発者として、「X3」の購入を検討しているゴルファーのみなさんにメッセージをいただけますか?
児島 ヒューマンテストでの出来事なのですが、60歳くらいの男性で、最近飛距離が落ちてきたという方が「X3」を試打したところ、「打感が気持ちいい」という感想に加えて「飛距離が戻った気がする」と話していました。この方のように、飛距離で悩んでいる方はクラブを替えて飛ばそうと考えることが多いと思いますが、「X3」を使って、ボールでも飛ばせるんだということを実感してもらえれば。ダンロップでいちばん飛ぶボールである「X3」がさらに飛ぶようになったので、1ヤードでも遠くに飛ばしたいという方にはぜひ使っていただきたいですね。

〈スリクソン X3の実打テスト(アプローチショット、パット)でのテスターの声 〉
「インパクト時に、ボール表面のやわらかさを感じる」
「パットでフェースにコンタクトした瞬間の感触がソフト」
「X2よりも音が低く、ゼクシオ リバウンド ドライブに近いマイルドさを感じる」
「硬すぎず、やわらかすぎず、好きな打感。スピンも思った以上にかかる」
「カツッという音がしないのがいい」

アベレージゴルファーを対象にした実打テストでは、多くの人がアプローチショットとパットで「X3」のボール表面のやわらかさを実感。
特に、アマチュアでも打点のバラつきが少ないパットでは、前作との明らかな違いを感じ取ったという。

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