※JGTO(日本ゴルフツアー機構)が運営する男子下部ツアー。
昨年まで7回目にわたって開催された国内男子レギュラーツアー「ダンロップ・スリクソン福島オープン」。福島の震災からの復興支援やゴルフを通じた地域活性化をテーマに掲げた一大ゴルフイベントが、今年、装いも新たにABEMAツアー「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」として再スタートを切りました。
昨年までと同様、福島でのゴルフの普及やジュニア育成をめざす本大会の特徴のひとつが、出場するアマチュア選手の人数の多さです。今年の出場選手は全部で148名。そのうちアマチュアが23名でした。
今年で27回目を迎えた「福島県オープン」のアマの部優勝者(注:プロの部優勝者も出場)のほか、主催者であるダンロップが中学・高校・大学の年代別の全国大会の成績上位者を推薦しました。その中には5名の中学生も含まれていて、これは通常は1~2名というABEMAツアーの他の試合とくらべても異例の多さ。ジュニアを含むアマチュアゴルファーがオープン競技でプレーする機会を増やすことで、個々のレベルアップにつなげてほしいという本大会ならではの試みです。
一方、出場するプレーヤーたちに、より高い目標をめざしてもらうために、優勝者およびローアマチュアを、11月にフェニックスカントリークラブ(宮崎県)で開催されるレギュラーツアー「ダンロップフェニックストーナメント」に招待。本大会が、ジュニア競技・地方オープン競技と、トッププロが競うレギュラーツアーとをつなぐ橋渡し的な役割を果たすことにより、ゴルフ界の活性化をめざします。
そして、3日間の競技は最後まで目が離せない熱戦に。最終組の一組前でプレーするH・リー選手が最終18番パー5でイーグルを奪い、通算15アンダーでホールアウト。ダンロップがサポートしている、最終日単独トップからスタートした近畿大学2年生の山下 勝将(まさゆき)選手とトップタイで並びました。
ただし、最終組の山下選手も負けていません。18番ホールでティショットをバンカーに入れたものの、そこからの第2打は3W でピンそば1m弱につけるスーパーショット。そのイーグルパットを沈めた山下選手は、この日6アンダー「66」をマーク。通算17アンダーまでスコアを伸ばし、初日からトップを守り続けての〝完全優勝〟を達成しました。
今年の「日本学生ゴルフ選手権」で上位に入賞したことにより今大会への出場を果たした山下選手の優勝は、ゴルフのすそ野を広げることをめざした今大会にふさわしいものでした。
大会最終日となった9月3日には、試合会場内でジュニア育成やゴルフ普及のための取り組みも行なわれました。
最終組を含む上位3組のプレーヤーたちの協力により実施したのが「キッズエスコート」です。各選手は、日頃スナッグゴルフを楽しんでいる地元・西郷村の子どもたちを両脇に伴って1番ホールのティーイングエリアに登場。5歳から12歳まで、計21人の子どもたちは3組に分かれ、ティオフ前の選手や青木 功JGTO会長らとともに記念撮影を行ったほか、キャップにサインをもらうなど、束の間の交流を楽しんでいました。キッズエスコートに参加した子どもたちは、午後にはグランディ那須白河ゴルフクラブのアカデミーコースで開催されたスナッグゴルフの親子大会に出場しました。
また、今大会は無観客での開催となりましたが、ジュニアゴルファーたちにプロのプレーやトーナメントの雰囲気を間近で味わってもらおうと、郡山市内のゴルフスクールに通う小・中学生10人を大会として特別に招待しました。
日頃彼らのレッスンを担当している福島県プロゴルフ会所属の伊東 弘昭プロに引率されてコースの中を歩いて回ったジュニアゴルファーたちは、伊東プロの観戦マナーに関する解説を聞きながらプレーを観戦。「遠くから打ってカップのすぐ近くにボールを止めるのはスゴい」「プロのプレーを見て、自分ももっとコースでプレーしたくなった。中学でもゴルフを続けたい」と感想を話してくれた彼らの中の数人は、プロをめざしているとのこと。近い将来、この舞台でプレーしてくれる選手が出てくることを期待しましょう。
プロトーナメント開催のほかにも、ダンロップでは福島でのゴルフの普及やジュニア支援のための取り組みを行っています。そのひとつが、今年新たに始めた地元の中学生ゴルファーへのサポートです。
今大会が開催された西郷村は「スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ全国大会」の開催地でもあるものの、村内の中学校にはゴルフ部がありません。せっかく小学校でスナッグゴルフに親しんだ子どもたちに、次のステップとして、中学校でゴルフを楽しんでもらうためにはどうすればよいか。その手段として、ダンロップでは、地域のみなさんが主体的に運営し、小学生たちにスナッグゴルフの指導も行なっている「西の郷スポーツクラブ」に、中学生のゴルフを活動種目として加えてもらうよう提案。それが受け入れられ、今年6月活動がスタートしました。
この活動に対し、ダンロップでは、練習用ゴルフ用品の提供のほか、冬季の練習場の整備などの協力を続けていくことにしています。
福島県では、カテゴリーごとに「福島県オープン」、「福島県シニアオープンゴルフ」、「福島県女子オープンゴルフ」、「FPGSジュニアサーキット」、「JLPGA全日本小学生ゴルフトーナメントinふくしま」といったトーナメントが開催されています。ダンロップでは、そうした大会の発展がゴルフの活性化につながると考え、それらすべての大会に協賛しています。
それらの大会のうち、「福島県オープン」とともに福島プロゴルフ会(FPGS)が主催するのがジュニアゴルファーのための競技会「FPGSジュニアサーキット」。FPGSでは、ジュニアゴルファーのためのレッスン会や合宿も実施していますが、ジュニアサーキットは、父母たちからの「試合をやって、緊張感が経験させてほしい」という要望を受けて昨年からスタート。一人でラウンドできる子どもなら小学校低学年でも出場が可能で、年に3~4回開催される予定です。