2022/09/29

D-Cafeレポート

《 淺井 咲希、勝 みなみ、小祝 さくら Angels on the Fairway 》 ツアーは終盤戦に突入。それぞれの目標に向かってGO!

「去年の終盤にくらべると、ショット、特にティショットの調子はよくなっていると思います。時々ですがアンダーパーも出ているので。ただ、その調子が1ラウンド持続しないのが問題ですけど(苦笑)」と、今季の自身のプレーについて語る淺井 咲希プロ。前週には久しぶりにステップ・アップ・ツアー(以下、ステップ)に出場し、「ステップのほうがスコアの伸ばし合いになるので、レギュラーツアー以上にティショットが大事だと感じました。OBを打ったら予選を通過できないので、うまく調整していかないと」と改めて課題を実感したのだとか。

 一方で、「この4年間、レギュラーツアーに出場したことで得たものも大きいということもよく分かりました」と自信も得た様子。そして、「去年は一試合一試合結果を出そうと頑張ってやったのですが、その場しのぎだと逃げの気持ちになるし、スイングも崩れてしまって。それが去年の反省点で後悔したので、今は成績を求めるより、『自分がイメージした通りにできた!』というプレーを少しでも増やしていければと思っています」と、試合に臨む心構えについて話していました。

 宮城の名物料理と言えば、やはり牛タン。今年も多くのメディアが、選手たちが牛タンを食べてパワーを蓄えていると報じていました。淺井プロも「昨日さっそく食べました(笑)」とのことでしたが、「でも、私は、その土地の料理はあんまり食べないんです」とも。では、何を食べるのかというと、「餃子です(笑)。それこそ毎日のように遠征先で食べています。餃子は昔から大好きで、栄養バランスもいいので」。ちなみに餃子を食べるのは、全国展開している有名店「O」に決めているそうで、「大阪じゃなくて京都のほうですよ。私は、ホテルにチェックインしたら、まず〝O〟がどこにあるか調べます。仙台でももう見つけてあります(笑)」と餃子愛をアツく語っていました。

 リランキングの順位の関係で、今シーズンの終盤戦はステップが主戦場になるという淺井プロ。ただし、レギュラーツアーを優先する気持ちは変わらないようで、「予選会が設定されている試合があれば挑戦します。予選会に出場すると、その時点でその週のステップへの出場資格がなくなるので、しっかり予選会を通過したいです。そして本選に出られたら、一発逆転を狙って行くしかないです」。

 そしてステップに出る場合も、「優勝すればQTはファイナルから出られるので、ステップでも1勝が目標。中途半端なプレーはせず、毎試合優勝を狙って〝攻めのゴルフ〟をしようと思ってます」と、レギュラーツアーと同様、優勝を狙ってプレーするという淺井プロ。今大会は残念ながら予選通過はなりませんでしたが、淺井プロの次週以降の頑張りに注目です。

 JLPGAツアー史上初となる4日間ノーボギーで圧勝した「楽天スーパーレディース」(7月第5週)を含め、7月から8月にかけて6試合連続トップ10フィニッシュを果たした勝 みなみプロ。夏場に好調だった要因として、「ショットがよかったです。特にドライバーがいいと他のショットもよくなってくるし、パットも入るようになります。優勝した試合も、ショットとパットが噛み合っていたかなと思います」と、ドライバーのティショットが安定していたことを挙げていました。

 また、昨シーズンまでとの違いについて尋ねると、「去年はメジャー(日本女子オープン)に勝ったものの、自分のスイングに確信が持てませんでした。だから、保険をかけながら振っていた感じで、危なっかしいゴルフをしていたんです(苦笑)。それが今年は、ミスが出る原因を調べて、何十個もあったのを3つぐらいにまで絞ることができたことで、自信を持って振れるようになりました」という答えが。元々定評のあった飛距離に自信が加わったドライバーショットは、これまで以上に強力な武器になっているようです。

「仙台市内だといろいろな料理が食べられるのでしょうが、毎年私はもっとコース(利府ゴルフ倶楽部)に近いエリアに泊まっているので、あまり選択肢がないんですよね。だから、自然と晩ご飯は牛タンになります。まあ、大好きなんですけど」と笑う勝プロ。では、1週間のうち何回牛タンを食べる? 「それはもう毎日でも(笑)。ただ、お気に入りのお店はありますけど、『ここじゃないとダメ』というお店はないですね」。その理由について聞いてみると、「だって、それだと一つの味しか食べられないから。牛タンって、お店によって肉の切り方とか焼き方が違いますよね? 火加減や焼く時間が違えば、食感も全然違うから、それも含めて楽しんでいます」と、牛タンへのこだわりを語る勝プロでした。

 9月最初の試合で優勝争いの末に単独5位に入賞。でも、調子がよかったわけではないそうで、「(初日、2日目と)トップにいましたが、自分の中では、スイングしていて〝あれ?〟という感じがしていたんです。その感覚が翌週も続いて、予選落ちしてしまって……」。ただ、その後、練習でその原因を探し当ててショットを修正。今大会の練習ラウンドでは、ドライバーで球がつかまり、強い風の中でもいいショットが打てたそうです。

 そんな勝プロに、残りシーズンの目標を聞いてみると、「今年の目標が〝3勝以上〟なので、あと2勝しなきゃいけないんですけど(笑)、本当に惜しいなという試合がいくつもあったんですよ。そういう試合で、自分に何が足りなかったのは分かっているので、それをクリアできれば、たぶん2勝できるんじゃないかと。中でも、やっぱりメジャーに勝ちたいです」。すでに挑戦を表明している今季終了後のアメリカツアー予選会に弾みをつけるためにも、ツアー終盤戦での2勝目、3勝目に期待しましょう。

 5月下旬の「リゾートトラスト レディス」でツアー7勝目を飾り、今大会前のメルセデス・ランキングで6位と今シーズンも好調の小祝 さくらプロ。ベストゲームはやはり優勝した試合かと思いきや、「いえ、そんなことはなくて(苦笑)。あの試合では3日目にショットの調子がすごくよくて、〝64〟というスコアが出たのはラッキーでしたが、今年はショットとパットがなかなか噛み合わなくて。だから、ベストとか会心のゴルフってないですね」と予想外の答えが。小祝プロいわく、開幕直後はショットが絶好調だったもののパットで苦戦。逆に今はパットの感触はいいものの、ショットがいまひとつなのだとか。

 さらに、「優勝争いをしていて、いい感覚でプレーできていたのに、もったいないミスをして流れが変わってしまったり。一打の重みを感じます」と反省を口にする小祝プロ。それでも、昨シーズンにくらべ、フェアウェイキープ率、パーオン率ともにアップしていることに触れると、「はい、よくなりました」と笑顔に。オフに取り組んだスイング改造の成果が出ているようです。

「宮城に来たら、必ず食べるというものはありますか?」という問いに、「はい、やっぱり牛タンです(笑)。宮城に来て、牛タンを食べないで帰る人ってほぼいないと思うんですけど」と笑顔で答える小祝プロ。毎年必ず行くという店があり、今年も仙台入りした日に早くも訪れたのだとか。お味について聞いてみると、「おいしいですよ。でも、いつも知り合いの人が予約してくれるので、店の名前は憶えてないです(苦笑)」と小祝プロらしい(!?)答えが。また、その店以外で食べることもあるそうで、前日は韓国料理店で牛タンをオーダーしたとのこと。ただ、試合が始まってからはホテル内で食事を済ますつもりだそう。それもあってか、「今日も食べに行きます(笑)」とうれしそうに話していました。

 今大会を含め残り10試合と、終盤を迎えている今シーズンの国内女子ツアー。どの選手も調子も上げていきたいところだと思いますが、小祝プロからはこんな答えが。
「最近思ったことなんですけど、調子がいいとあまり深く考えなくても勝手に上手くいってくれるんですよ。でも、予選通過できるかどうかギリギリの時には、すごく頭を使います。調子の悪い時のほうが、いろいろ考えるし、プレー中も試行錯誤しないといけませんよね? それはそれで必要だと思うんです」。スコアメイクに苦しんだ試合でも収穫はあるということなのでしょう。

 そんな小祝プロに、改めてシーズン終盤戦の目標を聞いてみると、「今年の目標が複数回優勝なので、もう1勝したいですね。それと、自分の思い通りというか、納得のいくゴルフができればいいなと。今はそれができていないので、結果はどうであれ、まずはそういうゴルフがしたいです」。今大会ではトップ10まであと一歩に迫る12位タイに入った小祝プロ。自身が納得のいくゴルフができれば、きっとシーズン2勝目も実現するはずです。