2023/07/18

D-Cafeレポート

《ダンロップ契約プロたちのJLPGAツアー奮闘レポート②》今季前半戦の自身のプレーを振り返り。愛用中の〝ゼクシオ〟も紹介

今季のベストフィニッシュ:パナソニックオープンレディース 4位タイ

 今シーズンは、QT上位の資格でツアーに本格参戦している新海 美優プロ。4月下旬の「パナソニックオープンレディース」では4位タイと久々に上位入賞を果たしました。
 実は3月中旬の試合中に足を痛めてしまい、その後の3試合を欠場した新海プロ。「パナソニック~」はその復帰戦に当たり、「ショットもまずまずでしたが、パットとアプローチがよかったです。私は距離が出る方ではないので、ショートゲームがスコアメイクの鍵なのですが、休んでいた3週間は足が痛くてショット練習ができなかったので、アプローチとパットの練習に集中したんです。あの試合ではその成果が出た感じでした」と自身にとって今年のベストプレーというその要因を分析。また、フェアウェイキープ率が現在1位(7月9日時点)と、ずっと好調をキープしているドライバーショットも上位入賞に貢献したようです。

 ティショットについて、「去年の途中からすごくいい感じです。曲がらないように特に意識しているわけではなく、普通に振って曲がらないです。クラブがいいんだと思います(笑)」と話す新海プロが昨シーズン途中から愛用しているのが『ゼクシオ エックス ドライバー』。「試打してみて、つかまりがよくなって出る球も強くなったのですぐにチェンジしたのを覚えています。そうしたら曲がりも少なくなって。去年秋に優勝したステップ・アップ・ツアー『山口周南レディースカップ』のコース(周南CC)は狭いホールが多かったのですが、そこでも自信を持って振れました」とプロ初優勝にも一役買った様子。
 また、3Wと5Wも「ゼクシオ エックス」を使用していて、「私はフェアウェイウッド(FW)でグリーンを狙う機会が多いので、FWの精度がすごく重要なのですが、ゼクシオ エックスはFWも曲がらないし、球が上がりやすいのでグリーンで止まるんです。なので、ピンを狙っていける感じはあります」と、こちらにも厚い信頼を寄せているようです。

 前述した初優勝は8ホールに及ぶプレーオフの末に手にしたもの。それについて、「すごく難しいコースで耐えて勝てたのはやっぱり自信になったし、あまりスコアが伸びないコースで、どこがチャンスなのかをちゃんと見極めるのもすごく大事なんだなと。勉強になりました」と収穫を語る新海プロ。今季の中盤戦は苦しい戦いが続いていますが、1stリランキングの順位により、多くの試合に出場可能。「リランキングの順位も気になるのですが、そこはあまり気にしすぎずに、シード権を獲ることを目標にやろうと思っています」とあくまでシード権獲得をめざします。
 そして、そのためのポイントとして挙げるのが4日間競技。「4日間の場合、スタートが午前と午後に分かれますが、私の場合、初日が午前で2日目が午後だと成績がよくなくて……。だから、どうやって調整すれば、いいプレーができるかというのをずっと試行錯誤しています。とにかく体力勝負にはなるので頑張ります!」と新海プロ。後半戦での巻き返しに期待しましょう。

今季のベストフィニッシュ:ブリヂストンレディスオープン  3位タイ

 今シーズンの菅沼 菜々プロは、自身にとって4戦目となった「ヤマハレディースオープン葛城」(4月上旬)で初のベスト10フィニッシュ(10位タイ)。さらに、5月中旬の「ブリヂストンレディスオープン」で今季自己最高位となる3位タイでフィニッシュしました。その時期について振り返り、「去年がすごくよかったので(※年間ランキングをはじめ各スタッツでキャリアハイを記録)、それにくらべると、ちょっと見劣りする部分はありますけど、それほど悪い成績でもなかったと思います。ただ、3位タイに入っても、自分の中でスイングに気持ち悪い感覚があって(苦笑)」とスイングに違和感があった様子。
 ただ、「宮里藍サントリーレディスオープン」(6月上旬)の練習日にひらめくものがあったそうで、「練習ラウンドをしていたら、すごくいい感触があったんです。それまでのスイングから、ほんの少しだけ変えたのですが、本当にちょっとしたことで感触がよくなって。距離感もよくなった気がします」と菅沼プロ。「スイングと成績は比例するわけじゃないんですけど」と言いつつ、その試合では6位タイという好成績を残しました。

「去年はパッティングもよくて、2つの平均パット数(※パーオンホール、1ラウンド当たり)はどちらも5位だったのですが、今年はなぜか決まらなくて、それがちょっと歯がゆい感じはあります。パットもやっぱり確率なので、入らない時もあれば、入る時はめっちゃ入るんですけど(笑)」と、今年はパットに苦心しているという菅沼プロ。
 一方、よい意味で変化があったのがドライバーショットだそうで、「去年よりドライビングディスタンスが5ヤード近く伸びました。オフにかなりトレーニングとティショットの練習をしたおかげだと思います。クラブはシャフトを含めて去年と変わっていないので、体の動きがよくなったことで伸びたのかなと。5ヤードというのはかなり大きな違いだし、やっぱり飛んでる感じがしますね」とのこと。ちなみに、愛用ドライバーは『ゼクシオ エックス』で、「ヘッドの座りがいいのでスムーズに構えられるのと、ヘッドが薄めなのでボールが上がりやすいところ、それに、スイートエリアを外しても飛距離のロスや曲がりが少ないところがいいです」。

 今シーズンはメルセデスランキング5位以内(※昨年は8位)とツアー初優勝を目標に開幕を迎えたという菅沼プロ。今回の取材時には「残り試合はまだまだたくさんあるし、全然焦りはないですね。ここから頑張っていけたらと思っています」と語っていた通り、「アース・モンダミンカップ」で4位タイ、続く「資生堂 レディスオープンでも11位タイと、気温の上昇とともに調子を上げてきました。
「いい成績が残せるようになれば、自然と決まるようになるかなと思っています」と話していたパッティングも上向きの気配。スイングのよい感触を取り戻したこともあり、「ショットがよくなってきているし、これから自分でも楽しみです」という菅沼プロ。優勝争い、そして念願のツアー初優勝に期待がかかります。

今季のベストフィニッシュ:リシャール・ミル ヨネックスレディス  8位タイ

 安田 彩乃プロも、QT上位の資格でツアーに本格参戦中。これまで2度トップ10入りを果たしています。その前半戦での自身のプレーについて聞いてみると、「今年は、オフから取り組んできたことに手応えを感じています。予選落ちすることがあっても、悪くない状態がずっと続いていて、上位を目指せるゴルフができるようになってきました」と明るい表情でコメント。取り組んできたことというのは、パーオン率向上のためのスイング改造だそうで、「特に女子はパーオン率がメルセデスポイントに比例すると思うのですが、以前の私は18ホール中、半分とか、それ以下しかパーオンできなくて。それだとバーディが獲れずツアーで戦えません。だから、アイアンショットの精度を上げるために、オフに思い切ってスイングを変えたんです。そのおかげで今年は平均で11、12ホール、いい時には全ホールでパーオンできるようになりました。ようやく結果につながってきているなという感じです」と、その成果を実感しているようです。

「私は、バックスイングでテークバックが浅くなるというか、身体が回らなくなる傾向があったんです。だから、身体をもっと回すイメージで練習しました」とスイング改造について語る安田プロ。その効果はアイアンショットだけでなくドライバーにも表れているそうで、「かなり飛ぶようになって、去年よりたぶん10ヤード近くは伸びているんじゃないかと思います。体を回すようになってヘッドスピードが上がった分、飛んでいるのかな、と」と飛距離アップを実感。
 そんな安田プロは、昨シーズンから『ゼクシオ 12 ドライバー』を愛用中。「『12』も『エックス』もすごく振りやすいので、どっちにしようか悩んだのですが(苦笑)、最終的に『12』の方が飛距離が出たので選びました。それと、今年に入ってから、シャフトを先が走るタイプからしっかりめのタイプに替えたのですが、それがすごく自分に合っていて、それも飛距離アップにつながっていると思います」と、現在のエースドライバーに満足しているようです。

 前半戦で好成績を収めたことで、1stリランキングで上位に入り、9月中旬までのツアー出場資格を得た安田プロ。「もちろんしんどいなと思う時もあります(笑)。でも、自分がやっていることが結果につながってくると、もっと頑張ろうって思う気持ちになるし、毎週楽しくやれています」と充実した日々について笑顔で話します。
 そして今後の目標に掲げるのが、自身がまだ手にしたことのないシード権。さらに、「どうしても出たいんです」と力を込めるのが、ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」。「今年は気持ちが違いますし、いつも以上にリコーカップに行きたいんです。意地でも出たいと思っています(笑)」と安田プロ。その目標を叶えるためにも、もうひとつの目標である〝ツアー初優勝〟を達成してほしいものです。

今季のベストフィニッシュ:宮里藍 サントリーレディスオープン  22位タイ

 プロ入り3年目の薮田 梨花プロもまた、QT上位の資格でツアーに参戦中。自身にとって初のフル参戦となった前半戦の自身のプレーを振り返ってもらいました。
「レギュラーツアーは毎週のように試合があるし、試合に出られるうれしさを感じます。その一方で、やはり日本のトップであるツアーでは自分の思うように上手くプレーできないので、すごく厳しいなとも思います(苦笑)」。もともと得意だというドライバーショットも「開幕から1か月ぐらいはけっこう飛んでいたんですけど、その後、合わせるような打ち方になったりして、自分本来の飛距離は出せていないかなと思います」と調子はいまひとつの様子。ただ、そんな中でも手応えは感じているようで、「予選は通過できても、なかなか上位に行くのは難しいなと感じるのはたしかです。でも、ルーキーの年に主催者推薦でツアーに出させてもらった時に、予選を通過するのはすごく大変だなと思ったのですが、それにくらべると、今年は予選を通るようにはなったので、そこはちょっと成長した部分だと思います」と笑顔でコメントしていました。

 先述したドライバーのティショットは、一時は「人生で初めて」というほど左へのミスショットが続き、「動揺してしまって、かなりつらかったです」と苦笑いの薮田プロ。ただ、その後はコーチからのアドバイスもあり、今では左へのミスはなくなり、本来の調子を取り戻しつつあるのだとか。4日間プレーした「宮里藍サントリーレディスオープン」(6月第2週)ではトータルのドライビングディスタンスで9位にランクインするなど、持ち前の飛距離も戻りつつあるようです。
 そんな薮田プロが今シーズン途中から使っているドライバーが『ゼクシオ エックス』。「ショットが曲がっていたときに、やっぱりジュニアの頃から使っていたゼクシオのほうがいいかなと思って替えました。『エックス』を選んだのは初代モデルを使っていて、その印象がよかったから。使ってみると、やっぱり安心感があるというか、構えやすい感じがあります」。クラブへの安心感にショットへの自信が加わった今、飛距離はさらに伸びるかもしれません。

 ティショットが復調した効果か、薮田プロは先に述べた「宮里藍サントリーレディスオープン」でツアー自己最高位の22位タイに入ると、1stリランキング前の最後の「ニチレイレディス」でも予選を通過。リランキング順位を上げ、9月中旬までの出場権を確保しました。
 ドライバーショットに自信を取り戻した今、薮田プロが上位に入るための課題に挙げるのがパッティング。それについて、「トップの選手たちはすごく長いパットも決めてきますよね。〝もう全部入れる〟みたいな気持ちで打つのと、〝2パットでもいいかな〟と思いながら打つのとでは、全然違うなって思います。とにかく最後はパット勝負なので、強気にいかないといけないと思っています」と、メンタルの重要性を強調します。今季開幕前には「1年を通して試合に出場することと、シード権を獲ること」を目標にしていたという薮田プロ。後半戦で活躍し、ぜひその目標を叶えてほしいものです。