2023/10/12

XXIOレポート

《 青木 瀬令奈 & 安田 祐香 ゼクシオアンバサダー通信 》今年のツアーも大詰め。それぞれの〝自身初〟の目標達成をめざして

今季のベストフィニッシュ:Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント  優勝

「暑いのが好きで夏場が得意な私としては、今年の夏は正直あまりよくなかったなと思います。その理由を探し求めていたのですが、『日本女子プロゴルフ選手権』(9月上旬)あたりから、それが見えてきたかな」
 と、今夏のプレーを振り返る青木 瀬令奈プロ。
 その理由として、「ショットとパットの嚙み合わせがよくなかった」ことが挙げられるそうですが、それよりも大きいのは気持ちの部分なのだとか。

「初優勝する前とくらべると、今は(優勝したいという)気持ちが足りない……大西コーチにはそんなふうに見えるようです。私自身は以前と変わっていないつもりなのですが(苦笑)。私の場合、以前のように試合中に緊張を感じたり、心拍数が上がったりする方が結果がいいみたいなんです。その気持ちの違いが1ラウンドの1打、2打の差になって、それが4日間になると、優勝争いや、もしかしたら優勝もできていたかしれないと思うことがあって……。だから、もう少しだけ気持ちを入れようと」 

 それに気づいたという「日本女子プロゴルフ選手権」では、初日はかなりの強風が吹いた午後のスタートだったものの2アンダー「70」でラウンドし、10位タイの好発進(最終順位は15位タイ)。
「その前週の北海道でもそうだったのですが、ショットの調子があまりよくなくても、強い風の中でプレーしていると、いいゴルフができるんです。打ち出す方向さえ合っていれば、あとは風が運んでくれるというか。だから、逆球が出ないようにとか、振りすぎないようにと考えてプレーしていたら、ショットがだいぶよくなってきました」 
 強風というタフな条件が、かえってショットの復調に役立ったようです。

 クラブに関しては、『ゼクシオ エックス ドライバー』をはじめ同じセッティングで開幕からプレーしている青木プロですが、ボールは、長年愛用している『スリクソン Z-STAR XV』 に加え、7月上旬から『スリクソン Z-STAR ♦︎(ダイヤモンド)』も使用中。そのきっかけは、小学生の頃から親交があるという星野 陸也プロのアドバイスだったそうで、
「陸也君が、『瀬令奈さんはセカンドショットをフェアウェイウッドとかハイブリッドで打つでしょ。それなら〝Z-STAR ♦︎〟がいいんじゃないですか? ロングショットでスピンがかかりやすいボールだし、洋芝(のフェアウェイ)とも相性がいいですよ』と教えてくれて。だから、この夏は、スピードが速いグリーンでは『Z-STAR ♦︎』を使っています。グリーンでより止まりやすいという安心感があるし、パットではフェースにくっつく感じがあるから。逆に、あまり速くないグリーンでは、しっかりヒットして球がよく伸びる『Z-STAR XV』を使っています」
 と、グリーンの状態に応じて使い分けているそうです。

 そんな青木プロは、先日の「日本女子オープンゴルフ選手権」で最終日に3アンダー「69」をマークし、大会での自己最高位となる3位タイに入賞。
「〝気持ち〟でカバーできたのと、パッティングもかなりよかったです」
 と好成績の要因を振り返ります。それに加え、傾斜した打席のあるゴルフ練習場で打ち込んだことも効果的だったようで、
「鏡を見てスイングをチェックしたら、アドレスで骨盤の位置が右に寄り過ぎていて、それが原因でスライスが出るのかなと。だから、骨盤が左にくるように、ひたすら左足上がりの打席で打たせてもらいました」

 また、アップダウンの激しいコース(芦原GC)をプレーし、打ち上げが苦手なことに気づいたことが、翌週の「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」での5位タイ入賞につながったと言います。
「東名CCも3分の1ぐらいは打ち上げのホールなので、その攻略がカギでした。それが、日本女子オープンで下準備ができて。その状態で臨めたのがよかったんだと思います」
 さらに、日本女子オープンの練習日には器械で弾道などを計測しながら練習したそうで、
「自分の感覚とデータがズレていても、それがわかるだけでショットへの不安はだいぶ違います。ショットとパットが噛み合わない日はありますけど(苦笑)、ここ数試合はすごく充実しているし、いい感触でプレーできているかなと思います」
 と明るい表情で話す青木プロ。最後に、今シーズンの目標にしてきた自身初の年間複数回優勝について尋ねると、「はい、もう、やりますよ!(笑)」と力強く話してくれました。

今季のベストフィニッシュ:スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント  2位

 まず安田 祐香プロに尋ねたのは、ホステスプロとして出場した「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」(8月中旬)について。
「前週の試合は、調子は悪くなかったのに予選落ちしてしまったんです。だから軽井沢の試合は正直〝どうなるかな?〟という感じで迎えました。それに、会場の軽井沢72ゴルフ北コースは、去年は予選を通過できなかったし、どちらかというと苦手意識があって(苦笑)。ただ、やっぱりオーバーパーを打たないことがすごく大事だと思っていました」
 と言う安田プロ。初日はパープレーでやや出遅れたものの、2日目は6バーディを奪うなど5アンダー「67」、最終日もボギーなしの「69」と連日好スコアをマークし、同大会では自己最高の14位タイでフィニッシュしました。

「全体としてはいいゴルフができたと思います。2日目に意外といいスコアを出せたので(笑)、最終日はのびのびプレーできました」
 と笑顔で話す安田プロに、この夏の自身のプレーについても聞いてみると、
「調子自体はよかったと思います。特にショットはドライバーのスタッツが去年よりよくなっているので」
 と話すように、トータルドライビング(※ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率の順位を合算した値)は去年の78位から今年は27位と大幅に上昇。また、パーオン率も去年の67位(65.000%)から12位(72.000%)と、こちらも大きくランクアップしています。それについては本人も意識していなかったようで、
「そんなに上がってるんですね(笑)。アイアンショットは、感覚的には去年とあまり変わってはいないのですが、今年は大きなミスが減って、悪くてもパーオンできているイメージです」
 とコメント。好調なショットに加え、身体面でも不安がなく練習を十分にできていることも、今季メルセデス・ランキングで常にシード権圏内をキープしている要因のようです。

 一方で、安田プロ自身が課題だと感じているのがパッティング。
「パットについては周りの人からも言われます(苦笑)。ピンから遠くてもパーオンできている分、ツーパットが増えているのだと思います。それを、仕方ないと思わずに、ワンパットで決め切ることができれば優勝できると思っています。いいショットができているので、いいパットもしたいですね」

 そう話す安田プロですが、ホステスプロとして出場した「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」(9月下旬)では、2日目に3アンダー「69」をマークし単独2位に浮上。最終日はスコアを伸ばせなかったものの、
「ロングパットが入ったし、〝これは決めたい〟というパットを決められたのはよかったです」
 とパッティングに手応えを感じた様子。さらに、翌々週の「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」では、初日から「67」「69」「69」と3日連続で60台のスコアをマークし、ツアーでのベストフィニッシュとなる単独2位に入賞しました。

「まずよかったのは、ボギーが少なかったことですね。それと、アイアンショットもよかったです。ラフからでもバーディチャンスにつけられたし、フェアウェイバンカーからもしっかり乗せられたので。グリーンのスピードも私に合っていたと思います」
 と好成績の理由を話す安田プロ。単独2位に入ったことでメルセデス・ランキングは28位にアップし、自身初のシード権獲得がほぼ確定したことについては、
「毎年この時期は正直すごくピリピリしていたので(苦笑)、気が抜けた訳ではないですけど、いつも以上にやりたいことができるというか、のびのびプレーできるかなと思います」

 さらに、現在の順位をキープすれば、ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の出場が可能。
「これまで出たことがないので、やっぱり出てみたいですし、1試合でも出場できる試合が増えるのは、自分にとってすごく重要。それを目標に今から頑張りたいです」
 その目標を達成するために、ツアー終盤戦ではどんなプレーを?
「宮城や静岡もそうですが、秋は私の好きなコースでの試合が多いので、今の調子のまま望めれば、展開がすごく楽しみです。地元・兵庫での試合も残っていますし、優勝争いができているので、チャンスがあったら、優勝できるように頑張ります」
 シード権獲得だけでなく、ぜひツアー初優勝を達成してほしいものです。

(※)今シーズンのデータはすべて10月8日時点のもの。