2024/04/22

D-Cafeレポート

《リラックス・トーク》〝安定感〟で選んだスリクソン・ボール。今年は自分で納得のいくショットを打ちたい ~ 時松 隆光 ~

 みなさん、はじめまして。時松 隆光です。今シーズンから、スリクソン・ボールの契約プロとしてツアーを戦うことになりました。これからどうぞよろしくお願いいたします。
 僕はこの数年間、ボールについてどのメーカーとも契約せずにプレーしてきました。そのため、ダンロップのプロ担当の方から、「ボールのテストをしませんか?」と時々声をかけてもらっていました。それで去年の夏に、初めてトーナメントの練習日にスリクソンのボールのテストをして、感触がよかったことから試合でも使ってみました。

 まず試したのは『スリクソン Z-STAR ♦️(ダイヤモンド)』で、ミドルアイアンで打った時の弾道がきれいで、すごく僕の好みに合っていたのですが、その後、ドライバーの飛距離など、いろいろ考えた末に『スリクソン Z-STAR XV』(以下、XV)を使うことにしました。それ以来、試合でもずっとXVを使っていたので、今年から契約していただくことになったのです。
 僕がXVを選んだ理由。ひとつには、自分のフィーリングと実際のショットのギャップが小さいからです。

 実を言うと、去年は春先からボールのフィーリングがいまひとつで、特にアイアンショットが自分でイメージするほど飛ばなかったと思えば、逆に飛びすぎてしまうことがありました。僕はツアーでは飛距離が出る方ではないので、ティショットでハンディを負うことがあります。そのため、2打目以降の正確性が飛ばす人に追いつく上でポイントになるので、やはりアイアンの距離感がすごく大事になってくるのですが、そこがなかなか上手くいかずに悩んでいました。そんなこともあり、去年、スリクソンのボールをテストさせてもらったのですが、XVは、アイアンショットでのタテ距離のバラつきがないなと感じました。

 XVとそれまで使っていたボールを比較した時、特に違いを感じるのは風が吹いた時。たとえばパー3でティショットを10球打ったら、XVの方がより多くターゲットの近くに収まる気がします。
 今ではツアーのパー3も飛距離が伸びてきて、200ヤードのホールもざらにあるので、簡単にボギーが出てしまいます。そんなタフなコースセッティングでは、いかにティショットでナイスオンできるかが勝負。もちろん毎回無風だったらいいんですけど、やっぱり風が吹く日もあるので、そういう状況では僕はパンチショットをします。そんな時に、XVは自分のイメージ通りに飛んでくれて、「ちょっと当たりが薄かったからこんなもんかな」とか、「ちょっと捕まってしまったけどどうかな」と思ったショットでも、タテ距離が想定内に収まってくれる――。特に、僕が200ヤードを打ちたい時に持つ5番アイアンとか4Uですごく感じます。

 XVに替えてから、ドライバーの飛距離も伸びていると思いますが、ドライバーでいちばん感じるのも、やっぱりバラつきが小さいこと。アイアンと一緒で、ミスヒットしたなと思ったショットが、タテ方向、横方向ともに、思ったほど曲がらずに、ターゲットからあまり離れないところに行ってくれると感じます。プロでも、毎回ナイスショットを打てるものではないので、やはり失敗した時にブレが小さいのは強みですよね。そんなドライバーでの安定感も、今回、ボールをスイッチしようと思ったきっかけになりました。
 ボールは、すごく飛んで、スピンもギュッとかかるのがベストなのですが、Z-STARシリーズの3つのボールをトータルで見ると、やっぱり僕にはXVがいちばん合っているかなと感じています。

 去年は、僕がツアーに出るようになってからいちばん苦しいシーズンでした。トップ10入りが2回しかなかったし、その2回目も11月の終わりになってからで、最終戦にも出場できませんでした。 
 データを見ても全体的に不調でした。以前の不調では、ショットはバラバラなんだけどパットがいいとか、逆にパットはよくないけどショットがいいという感じだったのですが、去年はショットもパットもバラバラで、すべてに改善すべき点があったので、余計に苦しく感じましたね。だから、今年は去年のようなことがないよう、このオフは、以前よりも練習時間を増やして、筋力トレーニングやランニングもしっかりやったつもりです。

 ただ、今シーズンは具体的な目標は立てていないんです。去年は〝こういう球を打ちたい〟と思っても、実際にその球を打てた回数が10回のうち半分もなかったんです。だから、今年は成績や順位よりも、まずは自分の打ちたい球を打てる回数を増やす方が大事だと思っていて、10回のうち半分以上それができれば、ゴルフの内容もかなり変わってくるはず。もちろん優勝もしたいのですが、そういうことを重視しています。

 ご存じの方もいるかもしれませんが、僕のツアー初優勝は2016年7月の「ダンロップ・スリクソン福島オープン」(※)でした。同じ月にあったチャレンジトーナメントで優勝したことで資格を得て出場し、優勝できたのですが、本当にあの試合で僕の人生は変わりました。それこそダンロップが新たに試合を始めようと考えてくれなかったら、今の僕はないと思うので、そういうところもしっかり感謝しています(笑)。

 それに、女子プロの人気がすごいと言われている今、こうやって男子プロの僕と契約してサポートしていただくのも本当にありがたいこと。先ほども言いましたが、僕のツアー初優勝は少なからずダンロップのおかげでもあるので、少しでもいい結果出して、日頃のサポートの恩返しができればと思っています。

(※)東北地方で唯一開催される男子レギュラー競技として2014~21年に開催。「ゴルフを通じた地域活性化」「地域密着」「ジュニア育成」「東日本大震災からの復興に取り組む福島の応援」など独自のテーマを掲げた。

時松 隆光(ときまつ・りゅうこう)
1993年福岡県生まれ。5歳でゴルフを始め、沖学園高校3年時の2011年に「九州アマ」で優勝。翌年プロ転向。16年チャレンジトーナメントで初優勝を飾ると、同年の「ダンロップ・スリクソン福島オープン」でツアー初優勝。ツアー通算3勝。身長169センチ、血液型AB。愛称の「ゲン」「ゲンちゃん」は本名の「源蔵(げんぞう)」が由来。