2024/07/19

D-Cafeレポート

《リラックス・トーク》次の目標は国内メジャー優勝。でも、意気込みすぎず普段通りプレーしたい ~ 小祝 さくら ~

 みなさん、こんにちは。小祝 さくらです。もうすぐ夏も本番ですが、お元気でしょうか? 今日は、私が今季2勝目を挙げた先月の「アース・モンダミンカップ」のお話からしたいと思います。
 みなさんご存じだと思いますが、あの試合は悪天候で連日サスペンデッドになったので、プレーしていても、「これ、何日目?」「何ラウンドしたんだろう?」と、もう自分でも訳が分からなくなってしまいました(笑)。待機時間もすごく長かったので、レストランでお昼ごはんを食べたし、お風呂場の脱衣所で横になったり、ストレッチをしたりしていました。それでも、待ち疲れというか、休憩していても疲労がたまったので、体力的にはしんどかったですね。

 最終日の月曜日は、2位とは6打差(の単独トップ)でスタートしたのですが、特に前半は、目標にしていたフェアウェイキープもできなくて、なかなか難しいゴルフでしたね(苦笑)。私は、優勝争いをしている時は絶対にリーダーボードを見ながらプレーするんです。あの日も、調子がよくなかったこともあって、2位と差あってもボードが見られるところは見ながらプレーしていました。同じ組の選手も調子がよかったし、他の組の選手も追い上げて来ている気配はあったので、2打差にまで縮まったとわかった時には、「やっぱりそうだよな」と思いました。ただ、焦りは意外となくて、「まだまだこれからチャンスはある」と思ったし、ハーフターンでは気合を入れて、しっかり気持ちを切り替えました。

 バックナインに入ってからは何度かバーディチャンスもあったのですが、全然パットが入らなくて……。それでも、14番でようやく初めてのバーディが獲れました。次の15番で長いバーディパットが決まって、17番ではスリーパットしてしまってバタバタしましたが(苦笑)、18番では、3打目のアプローチショットがピンに寄ってバーディを獲ることができました。

 あのアプローチショットは簡単に見えたかもしれませんが、ボールがバンカーの縁の近くのラフに止まっていたので、スタンスがギリギリとれる状況でした。だから、実は打つ前は全然寄る気がしなくて、「ボギーも十分ありえるな」と思いながらショットしたんです(笑)。
 あの日は、前日の雨から一転して晴れて、いきなり今年いちばんの暑さになって、身体もびっくりした感じで大変でした。そんな中でも、しっかりと最後までいいゴルフができたかなと思います。

「アース~」の少し前には「全米女子オープン」に出場してきました。私は今回が3回目の出場で、結果は自己ベストの9位タイでした。
 今年の大会は、日本人選手がたくさん上位に入りましたが、特に優勝した笹生 優花ちゃんはスゴかったです。最終日、私は優花ちゃんと同じ組でツーサムでプレーしていたので、優勝を生で、目の前で見ることができて、同じプレーヤーではあるんですけど、迫力を感じたし、すごく感動しました。とてもいい経験だったなと思います。

 私自身もけっこういいゴルフができました。最終日の前半は「アース~」と同じで苦しかったのですが、後半は粘り強くプレーできて、終盤にバーディが獲れたし、少しですが巻き返すことができたので、すごく自信にもつながったなと実感しています。

 いま振り返ってみると、あの試合では全体的には調子がよかったので、自信を持ってプレーできていたのだと思います。たしかにコースは難しかったけれど、思い描いたプレーができたし、自分の実力が出せれば、ああいう成績を残せることもわかりました。かといって、アメリカのツアーに行きたいという気持ちはやっぱりなくて(笑)、海外メジャーに出て、その時の自分の力を試せればいいなと思っています。

 今年の全米女子オープンには、竹田 麗央ちゃんも初めて出場して、私と同じ9位タイに入りました。麗央ちゃんとは、去年からプロ野球の試合を一緒に観に行くようになって、今年は予定が合った時には何度か練習ラウンドも一緒にしました。麗央ちゃんは私の5つ下なのですが、性格が似ているからなのか、一緒にいてラクなんです。
 彼女のゴルフを見て思うのは、本当にパワーがあるなということ。飛ぶし、球に高さがあるし、フェードボールがすごく安定しているので、飛んで曲がらないんです。本人はロブショットが苦手だと言っていて、以前、「どうやって打っているんですか?」と聞かれたので、私が打ってみせたら、麗央ちゃんもすぐにできちゃった(笑)。だから、小技も全然下手じゃないし、難しいアプローチショットも上手いので、逆に私が参考にさせてもらっているところもあります。そういう意味では、お互いに刺激し合って、高め合える関係だと思います。

 今シーズンのここまでの自分のゴルフを振り返ると、去年よりもドライバーショットとパットが安定していて、その安定感がこの成績につながっているのかなと思います。
 でも、試合では、自分で納得のいくショットが打てることはほとんどないんです(苦笑)。「もうちょっと捕まえたい」とか、「アイアンショットがちょっと右に行くな」とか、そういうことは、試合では毎日のようにあります。今はコーチがいないので、自分で考えながら調整しているのですが、その際にあまり深く考えず、シンプルに考えてやっているのが今のところ上手くいっていて、調子の波がなくここまで来られた理由だと思います。

 さて、今年の女子ツアーもちょうど半分が終わったのですが、今シーズンの目標のひとつにしていた複数回優勝を達成できたので、後半戦はもうひとつの目標である(国内)メジャーでの優勝をめざしたいと思っています。ただ、メジャーだからとあまり意気込みすぎないようにしたいです。意気込んで上手くいったためしがないので(笑)、とにかくいつも通り、他の試合と同じように普段通りプレーしようと思います。

 それと、今年は「AIG全英女子オープン」(8月第4週)に初めて出ます。去年も出場資格はあったのですが、出場できることが決まったのが開幕まで1週間あるかないかというタイミングだったので断念しました。それが、今年は事前のランキングで早めに出場権がもらえたので、出ることに決めました。
 今年の試合会場のセントアンドリュースは、日本とは全然違う、経験したことのないコースなので、「どうなるんだろう?」という不安はすごくあります。ティショットの落下地点が見えないので狙う方向が難しいとか、バンカーが深くて難しいとか、いろいろ話を聞くので……。ただ、見たことがないのでまだ実感も湧かないのですが、楽しみな部分もあります。

 とにかく、自分でできるのは、しっかりといい調整をして、いい状態で試合に臨むことしかないので、それだけをしっかり意識しながら、大会に向けてやっていきたいなと思っています。



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