2024/09/12

ツアー情報レポート

《〝次のステージ〟宮崎をめざしプロとアマが奮闘》「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」開催!

※JGTO(日本ゴルフツアー機構)が運営する男子下部ツアー

 レギュラーツアーでの活躍をめざし、若手をはじめとするプロたちが競い合うABEMAツアー。今年は全12試合が行われる同ツアーで、ダンロップの住友ゴム工業が2022年から主催するのが「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」です。その名前の通り、優勝者とローアマチュアの2名には、毎年11月にフェニックスカントリークラブ(宮崎県)で開催されるレギュラーツアー「ダンロップフェニックストーナメント(以下、DPT)」の出場権が与えられます。
 また、ダンロップでは、福島県南部の白河市にタイヤ工場を構えていることもあり、これまで福島の東日本大震災からの復興支援を実施。県内でのゴルフの普及や地域活性化にも力を入れており、本大会を福島で開催するのも、その活動の一環です。
 そして、ジュニアを含むアマチュアゴルファーが、タフなコースセッティングのプロトーナメントでプレーすることにより、個々のレベルアップを図ってもらうことも本大会の狙いのひとつ。そのため今年も、主催者推薦枠で20名のアマチュアプレーヤーが出場しました。
 その内訳は、今年で29回目を迎えた「福島県オープン」のアマの部優勝者1名(注:プロの部優勝者1名も出場)や、福島プロゴルフ会(FPGS)が主催する「FPGSジュニアサーキット」の上位入賞者のほか、小学・中学・高校・大学の年代別の全国大会の優勝者など。
 このようにダンロップでは、地区オープンやジュニア大会から、トッププロが競うレギュラーツアー出場までの道筋をつけることで、ゴルフ活性化に協力しています。

 大会は、計148人がエントリーし8月29日に開幕。第1ラウンドは予定通り行われたものの、翌30日は台風10号の影響で、第1組がスタートしてから3時間半後に雨のため中断しました。競技は4時間後に再開されましたが、午後6時前、サスペンデッドに。ほとんどのプレーヤーがホールアウトできず、翌31日も悪天候が予想されたことから、大会は36ホールの短縮競技で争われることになりました。
 そして31日は、競技再開直後の午前8時過ぎに雨が降ったものの、その後は止み、風もないまずまずのコンディションに。ギャラリーも観戦に訪れ、競技は順調に進みました。
 優勝争いは、第1ラウンドで単独トップに立った作田大地プロが、通算9アンダーで首位を守りホールアウト。他のプレーヤーたちは、このスコアをめざして追い上げましたが、その中でも怒涛のバーディラッシュを見せたのが、第1ラウンドを5アンダー「67」でプレーし5位タイにつけていた黒川逸輝プロ。10番スタートとなった第2ラウンドは、12ホールをプレーし通算6アンダーで中断となりましたが、最終日のプレー再開後は4番~8番の5ホール中3ホールでバーディを奪取。そして、首位タイで迎えた最終9番でもバーディを奪い、通算10アンダーでホールアウト。9アンダーの3人を1打差でかわし、プロ3年目にしてABEMAツアー初優勝を飾りました。
 その優勝争いに加わったのが、今年の「日本アマチュアゴルフ選手権」を史上最年少の15歳で制した松山茉生さん(福井工大附属福井高1年)。第1ラウンドは2アンダー「70」の45位タイと中位でのスタートでしたが、第2ラウンドはイーグルも奪うなど、中断までに6つスコアを伸ばし首位を猛追。再開直後の7番でバーディを奪い、ついに首位に並びました。ただ、続く7番をボギーとすると、最終9番ホールもパーで終わり、通算8アンダーでホールアウト。本大会3年連続のアマチュア優勝はならなかったものの、首位に2打差の5位タイに入り、JGTOのトーナメント初出場で堂々のローアマ獲得となりました。
 こうして今年11月のDPTの出場権は、ABEMAツアー初優勝の黒川プロと、初のローアマに輝いた松山さんというフレッシュな2人が手にしました。

「プレー再開後の6ホールは完璧でした」というゴルフでABEMAツアー初優勝を飾った黒川逸輝プロ。優勝スピーチでは、「(この優勝で出場権を獲得した)ANAオープンとダンロップフェニックストーナメント(DPT)の2試合は、本当に〝夢の舞台〟。この優勝を糧にもっと活躍できるように頑張りたい」と健闘を誓った。また、初出場を決めたDPTについて、「フェニックスCCでプレーしたことはないので、練習ラウンドでしっかり攻略方法を考えます。去年の杉浦プロのように優勝できたら理想的ですが、まずはトップ10を目標にします」と力強くコメント。


ダンロップのモニターであり、ローアマに輝いた松山茉生さん。ABEMAツアー初参戦について「今回は優勝するんだという気持ちで挑みました。ショットは通用すると感じた一方で、大事なところでのパットなど、自分に足りないものもわかりました。これからもっと成長してリベンジしたいです」とコメント。さらに初参戦する11月のDPTについて、「毎年テレビで見ていますが、林が多くて狭いなぁと(苦笑)。でも、得意のロングアイアンは武器になりそう。DPTの前にもレギュラーツアーに出られるので、しっかり調整して上位に入れるようにしたいです」と話した。

 雨の影響により大会が変則日程となったことで、最終日に予定していた、上位のプレーヤーたちが地元・西郷村の小学生を伴ってティーイングエリアに上がる「キッズエスコート」は残念ながら中止となりました。
 ただ、日頃スナッグゴルフを楽しんでいる子どもたちに、ゴルフの魅力やトーナメントの雰囲気を知ってもらおうと、アテスト後のプレーヤーたちに、特別に子どもたちとの記念撮影やキャップへのサインを依頼。クラブハウス周辺では、子どもたちとプロが笑顔で談笑する光景が見られました。
 また、ギャラリーサービスとして、昨年初登場したキッチンカー「ふくしまレストラン」も、最終日のみ、クラブハウスを兼ねたホテル「グランドエクシブ那須白河」の玄関前にオープン。このキッチンカーは、福島の復興支援の一環として、車両を運営する東京電力ホールディングスと、首都圏の人気レストランのコラボレーションによって実現したもので、今年も「常盤もの」と呼ばれる海の幸をはじめ、福島県産の肉や野菜、果物を使った料理やドリンクを販売しました。

 ダンロップでは、ABEMAツアー開催に加え、日頃から福島でのゴルフの普及やジュニア支援のための取り組みを行っています。そのひとつが、2022年に本格的にスタートした〝スナッグゴルフ〟から〝ゴルフ〟への橋渡しサポートです。
 本大会が開催される西郷村では、小学生によるスナッグゴルフがさかんで、「スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ全国大会」も行われているものの、村内の中学校にはゴルフ部がないのが現状です。そこでダンロップでは、スナッグゴルフに慣れ親しんだ小学生たちが中学進学後にゴルフを楽しめるよう、地域のみなさんが主体になって運営する「西の郷(にしのさと)スポーツクラブ」に対し、「中学生を対象にしたゴルフ」をプログラムに加えることを提案。それが2022年に実現し、2024度は男女18名の中学生が週に1度ずつ練習とラウンドを行っています(※下の写真・1枚目)。また、中学生向けにダンロップの契約女子プロによるレッスンも実施しており、参加者は年々増えています。
 このプログラムに対し、ダンロップではゴルフクラブの貸出や練習用品の提供のほか、冬季/雨天時の練習場の整備などで協力。村立西郷第一中学校が全国大会への出場を果たす(※下の写真・2枚目)など、早くも成果が表れています。これらの活動により、ダンロップは2023年11月に西郷村より「善行賞」の表彰を受けています(※下の写真・3枚目)

 福島県では、カテゴリーごとに「福島県オープン」、「FPGSジュニアサーキット」、「JLPGA全日本小学生ゴルフトーナメントinふくしま」といった各種ゴルフトーナメントが開催されています。ダンロップでは、そうした大会の発展がゴルフ界の活性化につながるという考えから大会に協賛するなど、それらすべての大会に協力しています。