2024/10/01

XXIO契約プロレポート

《 青木 瀬令奈・安田 祐香・菅沼 菜々 ゼクシオアンバサダー通信 》〝三女〟が待望のツアー初優勝! ツアーは早くも終盤戦へ。

 今シーズンは、トップ10入りが6回と、すでに昨シーズンの4回を上回っている安田 祐香プロ。まずは、そのことについて聞いてみると、
「去年より多いなとは思っていましたが、そこまで意識はしていないです。自分としては 毎試合20位から30位で予選を通過できればと思っています。そこから追い上げるパターンが今年は多いし、スタッツも最終日がいいと思うので」

 初めてのトップ10入りは5月中旬でしたが、1カ月後の「アース・モンダミンカップ」で単独2位フィニッシュを果たすと、翌週も4位タイに入賞。さらに8月には3試合連続でトップ10入り。コンスタントに上位入賞できた要因は?
「シード権のことを考えると守りに入ってしまうし、試合でビビってしまうこともあるのですが、今年は7月ぐらいには、もうシードは大丈夫かなという感じだったので、心の余裕があったと思います。それと、調子が悪くても自分なりの方法で調整できていますね」
 と去年からの成長を感じ取っている様子。そして、好成績はやはり好調なショットが支えているようで、

「特に5月、6月はショットがよかったですね。『サントリーレディースオープン』ではホールインワンも出たし(笑)、全体的にショットの調子はいいと思います」
 と安田プロ。実際、ファンと選手による投票で選ばれるJLPGAの「PLAY OF THE MONTH」を、5月、6月と2カ月連続で受賞しました。また、平均パット数(1ラウンドあたり)が昨年の61位から18位に大きくランクアップしていることについても、
「数字になって表れているので、去年よりよくなっているんじゃないですか(笑)」
 と、グリーン上でもわずかながら去年との違いを感じているようです。

 今大会の開幕前、「今シーズンで印象に残る試合は?」という質問に、3位タイに入賞した「ゴルフ5レディス」(8月下旬)と答えた安田プロ。その理由について、

「〝もしかして、このパットが入ったらプレーオフかも〟と思ったんです。結果的にはパットが外れてスコアも届かなかったのですが、そう思えたのは初めてでした。〝優勝する時ってこういう感じなのかも?〟と思ったし、こういう試合がもっと増えていけば、優勝のチャンスもあると思います」
 と語っていたのですが、みなさんご存じの通り、今大会では初日に7アンダーをマークし単独トップに立つと、雨天のため9ホールのプレーとなった最終日にも2つスコアを伸ばし、2位に3打差をつけてうれしいツアー初優勝を飾りました。

 優勝を決定づけたのは、終盤の16番、17番という2つのパー4。どちらもティショットをドライバーでフェアウェイをキープすると、
「今日はスタート前から強気でした」
 という言葉の通り、ショートアイアンで放った第2打をどちらもピンハイに乗せ、連続バーディを奪いました。
 勝利の瞬間は笑顔でしたが、その後のインタビューでは、
「優勝争いをしてもなかなか勝てなかったので、(ホステスプロとして)この大会で勝てたのはすごくうれしいです」
 と涙ながらに喜びを語りました。さらに、優勝スピーチでは、
「優勝できるとは思っていませんでした。でも、最後までいい戦いができて、すごく自信になりました」
 と話していた安田プロ。メジャーを含めビッグトーナメントが続く終盤戦での活躍に期待が高まります。

 今シーズンはまだ優勝こそないものの、年間ポイントランキングが18位(昨年は12位)、トップ10入りも7回と好調の青木 瀬令奈プロ。
「たしかに今年は安定感があるかなとは思います。最高位は5位なのですが、コンスタントに20位以内に入っている感じはあります。ただ、1日1打違っていたら優勝争いができたとか、そういうもったいない部分はいっぱいあります。それと、ショットがいいとパットが入らない試合があれば、その逆もあるので、なかなか優勝争いに絡めていないですね」

 と、ここまでの成績に満足気ながらも、反省する部分もあるようです。そんな青木プロが、今シーズン途中から頭を悩ませているのが、「とにかく飛んでいるんです(苦笑)」という飛距離。5月になって突然、ドライバーで10ヤード、ハイブリッドやアイアンで5ヤード、それぞれ伸びたのだとか。

「それは、オフに何かをやったからとかではなくて、これまで毎週月曜日に続けてきたトレーニングの成果が、いきなり飛距離に現れた感じなんです。5月に伸びて、一時はあえてヘッドスピードを落として打っていたのですが、8月、9月になってまた伸びました(苦笑)。去年とくらべてセカンドショットで持つ番手が2つ、3つ違うのですごく成長していると思うし、もちろんうれしいことなんですけど、それがスコアにつながっていないところがもどかしくもあります」

 特に飛距離アップが著しいのがドライバーで、時にはキャリーが15ヤードも伸びて、トータルで250ヤード近くまで飛ぶことも。
「最近、同じ組の選手やそのキャディさんから、『すごく飛んでるよね』と言われます(笑)。実際、ドライビングディスタンスで自分より順位が全然上の選手と回ってみると距離が同じなんです。だから、今から測り直したら、かなり順位が上がっているんじゃないかと思うぐらい、飛んでいる手応えはあるのですが、その分、曲がることもあるし、難しいですね」

 飛距離に関して試行錯誤が続いている青木プロですが、あえて飛距離を抑えて打つのは難しいことから、新しいプレースタイルを模索中なのだとか。
「最近は多少ショットが曲がっても、〝セカンドショットをPWで打てるから、ラフでもいいかな〟と考えることもあります。去年までなら、〝150ヤード残してもフェアウェイからの方がバーディが獲れる確率が高い〟という意識でいたので、それとは真逆のスタイルのゴルフですよね。それに、PWで120ヤード打てるなら、 ウエッジを3本にした方がいいのかなと考えたり……」
 と、その影響はクラブセッティングにも出ているようです。そんな手探りの状態でも、試合で結果を残すのはさすがトッププロですが、ツアー終盤戦の目標として、どんなことを頭に描いているのでしょう?

「去年まで3年連続で優勝できているので、今シーズン優勝できずに終わるのは気持ち的にも寂しいなという思いがあります。ただ、私は、かえって追い詰められてからの方が強い印象があるんです(笑)。去年もそうでしたけど、ずっと複数回優勝を狙っていて、最終戦の1試合前になり、今週しかないという状況で勝てたので、〝火事場の何とか〟とみたいなものを出せたらいいなと思っています。これからも試行錯誤をしながら、コーチと一緒に頑張ります」

 と語ってくれた青木プロ。大会本番では、第1ラウンドで30位タイとやや出遅れたものの、第2ラウンド(9ホール)では2バーディ・ノーボギーの「34」をマークし、昨シーズンに並ぶ今季8度目のトップ10フィニッシュ。ホールアウト後には、18番グリーン近くで安田プロの優勝を見届け、〝妹〟の優勝を自分のことのように喜んでいました。

 前週の試合は、現地入りしたものの原因不明の発熱のために欠場。のちに肺炎と判明し、入院して治療を受けたあと、大会週の水曜日に利府ゴルフ倶楽部に入った菅沼 菜々プロ。体調が心配されましたが、9ホールの練習ラウンドやパッティング練習などの調整を行いました。
 今シーズン、新たにゼクシオアンバサダーに就任した菅沼プロですが、オフに痛めたヒザの影響もあり、序盤戦から苦しい戦いが続いています。それについて尋ねてみると、

「持ち球のフェードボールを極めようとしてやったことが空回りしてしまった感じですね。ドライバーの飛距離も落ちてしまって……。だから、以前のスイングに戻すわけではないんですけど、 スイングのイメージをちょっと変えてみました。そうしたら、本当に調子が悪かった序盤戦にくらべれば、今はだいぶよくなったと思います」

 と、スイングに関しては明るい兆しが見えてきた様子。また、本来のプレーができずにつらい時期を過ごしたことにはプラスな要素もあったようで、
「調子がよくないので、いろいろ考えました。考えすぎたり、いろいろ気にしすぎたりした面もあるのですが、調子がよかった時には気づかなかったことに気づくこともできました。だから、いつか調子がよくなった時に この経験をしてよかったと思えるような気がします」
 と明るい表情で話していました。

 今年の国内女子ツアーも残すところ今大会を含め10試合。菅沼プロとしては、年間ポイントランキングが気になりそうなところですが、本人の意識はちょっと違うようです。
「最近、いろいろな方から、〝シード権が獲れるように頑張ってね〟とよく言われるんですよね。もちろんシード権は獲りたいのですが、私の目標はやっぱり優勝。みなさんが応援してくださるのはありがたいし、控えめな目標としてシード権獲得と言ってくださっていると思うのですが(苦笑)、私は優勝をめざします。勝って、いい意味でみなさんの期待を裏切りたいです(笑)」
 と前向きな菅沼プロ。さらに、この秋の抱負について、

「まずは健康な身体に早く戻すことですね。今は健康が羨ましいので。それができたら、子どもみたいですけど、走り回りたい(笑)。 そして、ビッグマウスはあまり好きじゃないのですが、やっぱり優勝したいですし、その力があることをみなさんに示したいです。去年は10月の試合で2勝目ができたし、今週の利府GCもそうですが、私が得意なコースでの試合も残っているので楽しみ。最後まで自分を貫いて頑張ります!」

 と言葉に力を込めていました。迎えた大会初日はイーブンパーの38位タイにつけ予選を通過したものの、セカンドカットが行われたため、残念ながら最終日はプレーできませんでした。ただ、体調を崩すことなくプレーでき、年間ポイントを獲得できたことを前向きにとらえていた菅沼プロ。ツアー終盤戦での復調と、ゼクシオアンバサダーとしての初優勝に期待しましょう。