次にスリクソンのボールを打ったのが、去年6月末の「ダウ選手権」でした。ご存じの方もいると思いますが、あの試合はLPGAツアーで唯一のダブルス戦で、私は〝かっちゃん〟(勝 みなみプロ)とチームを組みました。それで、初日と3日目の競技方法がフォアサム(1つのボールを交互に打つ)だったので、私から「(ボールは)スリクソンでいいんじゃない?」と提案して使いました。かっちゃんが使っていたのが『スリクソン Z-STAR ♦︎ DIAMOND』だったので、「こんなゴールドの番号があるんだね」とか話しながら。
そして、次に打ったのがテストの時。NEW『スリクソン Z-STARシリーズ』の3つのモデルを試打しました。
それでもまだ『Z-STAR』にしようかどうしようか迷ったのですが(苦笑)、最後は全体のバランスを考えた結果、飛距離が出て、スピンもかかりやすい『XV』に落ち着きました。だから今年は『XV』で行きます!
ちなみにですが、かっちゃんには、ボールをスリクソンにスイッチしたことはまだ伝えていません。アメリカでは、けっこう練習ラウンドも一緒にするので、しれっとした顔で使っていたら面白いかも(笑)。
去年は、5月終わりの「全米女子オープン」で2位になることができて、3週間後の「全米女子プロゴルフ選手権」でもトップ10(7位タイ)に入ったのですが、そこがシーズンのピークで、その後はゴルフの調子もよくなかったし、体調もちょっと崩してしまって……。1年を通していいゴルフができたかというとそうではないので、「すごくもったいないな~」と思いながら終わった1年でした。
メジャーには、もちろん勝ちたいのですが、どういう意識で臨むのがいいのか、毎試合考えています。去年も、練習ラウンドをしながら「このコースだと絶対80ぐらい打つんだろうな」と思っていたのに、終わってみたら2位とか7位という成績が残せました。なので、「ダメで元々」ぐらいの気持ちでいく方がいいのかなと思いながらも、「やっぱり気合を入れて臨んだ方がいいのかも」と思うこともあります。そのあたりの心のコントロールがまだできていないし、「こういう気持ちでいったらいい結果が出る」ということも分からないので、まだまだ勉強という感じです。
渋野 日向子(しぶの・ひなこ)
1998年岡山県生まれ。8歳でゴルフを始め、岡山県作陽高等学校在学中に「中国女子アマチュアゴルフ選手権」(2014年)、「全国高等学校ゴルフ選手権(団体)」(15年)、「中国ジュニアゴルフ選手権」(16年)などのタイトルを獲得。18年プロテストに合格すると、翌19年の国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」でツアー初優勝。同年8月には海外メジャー「AIG全英女子オープン」で初出場・初優勝を達成(日本人女子の海外メジャー制覇は42年ぶり2人目の快挙)。同年国内女子ツアーで賞金ランキング2位になると、翌20年よりメジャーを中心に海外での試合にも数多く出場し、22年からはLPGAツアーにフル参戦中。国内ツアー通算6勝、LPGAツアー通算1勝。身長167センチ、血液型AB。