『ゼクシオ エックス』は今のモデルが3代目で、私は初代のドライバーから使っていますが、その時から感じているのが、見た目のカッコよさと、打った時のゼクシオならではの安心感のいいとこ取りだということ。今のモデルも、ヘッドはブラックが基調でブルーがアクセントに入っていて、フェースの色も落ち着いていて、スリクソンのようなアスリートモデルっぽい、シャープな外観です。それが、打ってみると、球がつかまりやすくて、初速もキャリーもしっかり出ます。本当にいいドライバーだなと感じていて、ずっと使っています。
それと、ゼクシオのモデルではあるけれど、ロフトやライをすぐに調整できる(クイックチューンシステム)のは、やはりツアーでプレーする上では、すごく重要なポイントだと思っています。
ただ、去年は悔しいシーズンでもありました。脚のケガが原因で私自身初めて3週連続で欠場してしまったし、ケガに悩まされた一年でした。脚については、それとは別の箇所も傷めていることがわかったので、今年のオフは、脚のケアを最優先事項にして、脚への負担を減らすために、体重を10キロ落としてケアも毎週受けました。
それと、去年は脚の影響もあって、理想としているドローボールが打てずに、無意識のうちにフェードを打つスイングになってしまっていました。それがオフの練習とスイング診断で分かったので、このオフはスイングを改造して、まずは基本になる球をストレートか軽いドローになるように練習しました。そうすることで、フェアウェイウッドやハイブリッドなどグリーンで止めたいショットでは、質の高いカットボールが打てます。
開幕戦は、初日は雨と風が強くて、バーディが一つも取れずに、かなり出遅れてしまったのですが、2日目は風が強い中でも、自分がイメージしたアイアンショットが打てました。それが、パープレーというスコアにつながって予選を通過できたのだと思います。
去年は、開幕からあまり調子がよくなくて、「このままだとマズいな」と思って、ちょうど今ごろから、軌道修正というか、もっと球の質をよくしていかないといけないと思って、試合に出ながらひと月半ぐらいかけて調整をしました。その結果、5月の終わりぐらいになって、やっといい感触になってきました。それが夏場の好成績につながって、9月に初優勝することができたのですが、去年の春先とくらべると、今年は調子がいいと感じています。
今年のオフは、タイで合宿をして、去年見つかった課題の修正に取り組みました。スイングの中でズレを感じたら、トラックマンも使ってそれを修正したりもしました。(青木)瀬令奈さんの沖縄合宿にもお邪魔しました。一緒にバドミントンして楽しみながらトレーニングもしましたが(笑)、瀬令奈さんが一打一打自分と向き合って、球筋とかスイングを研究しているのを見て、私にも気づきがありました。(青木プロのコーチの大西)翔太さんからのアドバイスで気づけたことがあったのもよかったと思っています。
ショットした球を前のモデルとくらべると、強くて重たい球になったような気がします。今年の開幕戦でもそうでしたが、風に対しても強いし、このドライバーはより前に行ってくれるので、当たりが薄くても伸びる感じがありますね。私は持ち球がドローボールなのですが、イメージした通りのドローも打てます。
飛距離としては、今の時期でも、去年よりちょっと飛んでいるなと感じているので、これから気温が上がってきてもっと振れるようになったら、どのくらい飛距離が伸びるのか楽しみです。
私は、飛距離が自分の長所だと思っています。ティショットで他の選手よりも前に行って、そのアドバンテージを生かそうと考えているので、ドライビングディスタンス(※2023年は13位、24年が11位)は、シーズン中も常に頭のどこかにあります。
ただ、去年は、序盤から中盤にかけてティショットで苦しみました(苦笑)。ショットのイメージとか、ルーティンとか、意識していたことができなくて、できるようになって調子がいいなと思っても、それがなかなか結果に結びつかなくて……。それで、「もうシードを気にせずやろう」と気持ちを切り替えたら、それがきっかけになってショットもよくなって、後半戦は自分でもすごく頑張れたと思うし、なんとかシードを守ることができました。
このオフは、新しいウエッジだけでなく、アイアンショットの練習もかなりしました。というのも、去年はアイアンショットがずっとよくなくて、苦しいシーズンになってしまったので……。ただ、アイアンショットは、スイングを変えるというより、気持ちの部分でちょっと自信をなくしかけていたので、とにかく練習量を増やして、不安がないように開幕を迎えようと思いました。
オフは、沖縄やタイ、グアムに行ってトレーニングもしました。去年、体力的にしんどいなと感じたことがあったので、体力強化のために、昨シーズンが終わってすぐにトレーニング始めたんです。砂浜を走ったり、ウエイトトレーニングをしたり、ここまでやったのは初めて、というくらい鍛えたと思います。開幕戦が終わった時に、だいぶ疲れにくくなったと実感したので、この体力を1年間維持できるよう、シーズン中も試合の合間にしっかりトレーニングを挟みたいと思っています。