そうした腰の状態を考慮し、このシーズンオフは、腰のケアをしながらトレーニングに取り組んだそうで、
「専属のトレーナーさんにメニューを組んでもらって、自宅近くのジムで下半身をメインにしてウェイトトレーニングをしました。おかげでちょっと体がデカくなりましたし、ショットの安定性は上がったかなと思います」。
そして、トレーニングのない日はコースでラウンド。週4日のペースでコースに出たそうで、2月下旬から3月中旬にかけては、地元・高知や沖縄で合宿を行い集中的にラウンドしたとのこと。
「僕は元々フェードヒッターなのですが、去年はドライバーで球がつかまって左にミスをしてしまうことがあったので、このオフは、そのショットが出ないように練習しました。今は、つかまる球が出なくなったし、意識してしっかりドローが打てるようにもなりました。それに、アプローチと、パターを新調したのでパットの練習も多めに。その3つを重点的に練習しました」
と、オフの後半はより実戦的な練習に時間を割いたと話していました。
オフに力を入れたアプローチ練習ですが、それには大学の先輩である松山 英樹プロの影響もあったそうです。
「去年の『ダンロップフェニックス』で2日間練習ラウンドを一緒にさせてもらった時に、アプローチの打ち方とか、ウエッジのバンスの形状についてアドバイスをもらったんです。それを参考に、去年の終盤戦以降、練習してきたのですが、おかげでアプローチはだいぶよくなったと思います」。
そんな岡田プロが、昨年のツアー終了後から使っているのが、3本の『クリーブランドゴルフ RTZ ウエッジ』(50°、56°、60°)。
「初めて打った時に、まず打感がやわらかくなったなと感じました。素材の金属が変わったと聞いて、なるほどと思ったし、とにかく打感がソフトなのが、いちばん印象に残った点です。アプローチでは、フェースにボールを乗せてしっかりスピンをかけたいのですが、打感がやわらかくなったことでフェースに乗せやすくなったし、寄るイメージが湧きます」
と話し、タフなセッティングのツアーのコースでも威力を発揮している様子。さらに、
「つい最近、ある撮影のためにボールとフェースを濡らして打ってみたのですが、十分スピンが入りました。雨の日の試合でどれくらいスピンが入るのか、早く試したいと思っていますが、スピンが入るのは確かだと思います」
と、雨のコンディションでの性能にも信頼を寄せているようです。
先述したように、昨年はシード権を獲得できたものの、本来の調子を取り戻せずに終わってしまったという岡田プロ。それでも、初めてツアーでプレーした1年は充実していたようで、
「学生の頃は、1年に数試合しかツアーに出られませんでしたが、去年は自分で休んだ試合以外はほぼ全部出させてもらって、すごく楽しかったですし、プロのツアーっていいなと思えました。だから、オフの間は〝早く開幕してほしいな〟という思いでずっと練習していました」
と、プロとしてプレーする喜びを実感。そして、
「去年ツアーでプレーして、知っているコースもあるので、その分、今年は結果を出して当たり前 という、プレッシャーのようなものはありますが、スコアにしても、賞金にしても、去年よりいい数字を残したいと思っています」
と、ツアー参戦2年目の目標について語る岡田プロ。さらに、具体的な目標も教えてくれました。
とシーズンオフ前半の練習について話す片岡 尚之プロ。その成果について聞いてみると、
「いやぁ、どうなんでしょうね(苦笑)。どのスポーツでも、プロのレベルになると、すごく実感が湧くほど技術が上達するって難しいと思うんです。そう思えるきっかけは、やっぱり優勝なので、どこかでチャンスが巡ってきた時にものにできるように、普段からそういう準備をしたいですよね。たとえ、ある試合でダメでも、次の試合に向けてしっかり準備するとか」
と基礎練習の大切さを強調します。一方、オフの話題の中で片岡プロの口から出たのが〝ラーメン〟というフレーズ。
「大好きなのでけっこう食べました(笑)。シーズン中はあまり食べるとヤバいので、オフならではの楽しみということで。もちろんトレーニングもしましたよ」
と話し、瞬発系のトレーニングや体幹を鍛えるトレーニングに力を入れたそうです。
また、コースでの調整については、「僕はもともとあまりラウンドしないタイプなんです。今年もオフの前半はほとんどラウンドしなかったですね」と言いつつ、
「3月は地方の競技に頻繁に出たし、中西直人さん(プロ)が中心になって開催しているイベント(THE TOURNAMENT for the FUTURE~子どもたちへの贈り物~)にも参加してプレーしました。それ以外にもジュニアイベントに出て子どもたちと回ったり、最近はちょくちょくラウンドしていました」
と、競技を含めラウンドをこなしツアー開幕戦を迎えたようです。
異なる複数のモデルを組み合わせるコンボアイアン。TEAMスリクソンの男子プロも数人が採用していますが、今シーズンの片岡プロは3つのモデルを組み合わせています。
まず、#4と#5の2本はポケットキャビティの『スリクソン ZXi5 アイアン』。前作では〝5〟シリーズは#4のみ使用していましたが、NEWモデルにスイッチする際、#5も加えたそうです。
「以前は、#5から下をマッスルバックにしていたのですが、もっとクラブに助けてもらおうと思って替えました。打ってみて感じるのは、ミスヒットしても大きなミスにならないし、球がすごく上がりやすいこと。とにかくやさしいので、本当に気に入っています」。
続く#6と#7はハーフキャビティの『スリクソン ZXi7 アイアン』をチョイス。その理由について、
「この2本は、ピンを狙いたいものの、ブレ幅がショートアイアンよりは大きくなるので、少しやさしいクラブにして助けてもらおうと。ただ、スピンを入れて止めたい番手でもあります。ZXi5も試してみて、すごくやさしいとは思ったのですが、ZXi7の方がスピンが入ると感じたので選びました」
と、方向安定性の高さとスピンの多さで選んだとコメント。そして#8からPWは数年前から愛用している『スリクソン Z-FORGED II アイアン』。
「この3本は、求めるものがちょっと違って、本当にピンを狙っていきたいクラブなので、いちばん重視するのは打感とコントロール。これも気に入っています」
と解説してくれた片岡プロ。さらに、この3つのモデルのコンボについて、
「特にZXi5は、構えた時に安心感が違うし、それが試合では本当にショットになって表れるなと感じがします。安心感があると言っても、ヘッドはボテッとしているわけではなくてコンパクト。なので、下の番手とのつがなりがスムーズです」
と、コンボアイアンで大切な〝流れ〟のよさを強調していました。
昨シーズンは、優勝こそなかったものの、賞金ランキングは自己ベストの15位に入った片岡プロ。ただ、順位ほどには順調な1年ではなかったようです。
「5月の『中日クラウンズ』で優勝争いができた(※単独2位に入賞)のはよかったのですが、中盤から終盤にかけては、かなり苦しかったですね。気持ちよく打てたショットが本当に少なくて、常に〝どうしたらいいんだろう?〟みたいな感じでした。練習場では割と仕上がっているなと思っても、試合になるとできないということがありました。コーチとも相談して、いろいろ模索しながらやったのですが、やっぱり上手くいかなくて、その期間が本当に長かったです」。
そう話すように、かなり苦しんだ昨シーズンでしたが、最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」では、最終日まで優勝争いを演じ単独2位に入賞しました。
「あの試合は、練習場では調子が悪くて、〝ヤバいな〟と思っていたんです。でも、試合が始まったら、意外と上手くいってるなと(笑)。最後の最後にいいゴルフできたというか、久しぶりに優勝争いができて楽しかったですね。あの試合がよかったからと言って、今後もよさそうという感触は正直なかったのですが(苦笑)、それでも、ああいうプレーができる試合をどんどん増やしていければなと思います」
と、今シーズの目標についてコメント。さらに、
そんな充実したシーズンで特筆すべきは、バーディ率が前年の25位から2位に急上昇したこと。パー5でのバーディ率も5位にランクインしました。「それは、ティショットがよかったからだと思います。去年の僕はトータルドライビングが12位で、第2打でグリーンを狙えるシチュエーションが増えました。もちろんティショットが飛ばなかったらツーオンを狙えないですし、ラフに入ってしまったら刻むことも増えますから」
と、飛んで曲がらないティショットがバーディ量産の要因だったと自己分析。さらに、昨年は平均パット数も27位から2位に大幅アップ。
「確かによかったですけど、本当は1位を取りたいなと思っていました(笑)。これもバーディ率と同じで、やっぱりショットがいいからこそだと思います。パット率が上位の人は、もちろんパットも上手いですけど、チャンスにつけられるかどうかで明らかにパット数は変わります。去年の僕も、アイアンショットでいいところにつけられたからこそ、バーディが増えたんだという気持ちが強いです」
と、アイアンショットも正確だったことが、平均パット数のランクアップにつながったと考えているようです。
好調なアイアンショットが昨年の躍進につながったと語る小木曽プロが、2年前から愛用しているのが『スリクソン Z-FORGED II アイアン』です。
「僕は、アイアンでは、打ち出し角を上げるよりも、スピンを入れたいんです。その点、マッスルバックはスピンが入りやすい感覚があります。それに、小さい幅の中で、フェード、ドローを打ち分けられるアイアンがいいのですが、それにも、やはりマッスルバックの方がコントロールが効くんですよね。なので、僕はずっとマッスルバックを使っていて、この『Z-FORGED II』もすごく気に入っています」
と、打感のやわらかさがイメージ通りのショットにつながっていると解説。さらに、去年7月にスイッチにしたNEW『スリクソン Z-STAR XV』について、
「前のモデルよりやわらかくなりましたよね。おかげで、パットでも感じることですが、フェースにくっつく時間がほんのわずかですが長くなった感じがするので、アイアンショットの感触はさらによくなったと思います」
と話す小木曽プロ。ボールとの相性のよさも、キレのよいアイアンショットを生む要因のようです。
「このオフは筋トレを頑張ったと思います。筋肉量を増やそうとウェイトトレーニングをしたのですが、一気に増やすというより、3年ぐらいのスパンで身体を変えたいと思っています。去年の途中から徐々に変わってきているかなと感じるし、ヘッドスピードも上がっているので、今シーズン、どれくらい変化があるのか楽しみです」
とオフのトレーニングについて話す小木曽プロ。ドライバーの飛距離については、昨年初出場したPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」で感じたことがあるそうで、
「〝長いホールでは、やっぱり狙ってドローを打っていかないと飛距離が足りないよね〟とコーチと話しました。なので、試しながらですけど、飛距離を伸ばすためにいろいろやっていけたらなと思います」。
さらに、シーズンオフには、去年の終盤戦に見つかった課題の克服にも取り込んだのだとか。
「ダウンスイングでクラブを引き下ろす左手の甲の動きを直しました。それはトップの位置とも関係するのですが、そこが去年の終盤にショットが乱れて調子を落とした原因だと思ったんです。クラブの動きで言うと、フェースのローテーションを減らして、フェードを打つことにコーチと一緒に取り組みました。そうすることで、極力狭い幅に打っていけるんじゃないかと。見た目でもデータでもよくなってきたので、どうなるか楽しみです」
と、新シーズンに向け準備を整えてきた小木曽プロ。プロ10年目となる今シーズンの目標について、次のように話してくれました。