2025/04/24

D-Cafeレポート

《 リラックス・トーク 》それぞれの目標達成に向け、ツアーに本格参戦中! ~吉本 ここね・安田 彩乃・香妻 琴乃~

 私自身、去年はシーズン途中でアライメントの部分で悩むところがあって、そこがなかなか直せませんでした。それが影響して、ショットが安定せずに調子を落としてしまって、レギュラーツアーの終盤戦は出場できなかったので、その点は苦しかったのですが、代わりにステップ・アップ・ツアーに出場させてもらえたことが、QTでの結果につながったのかなと思います。

 ステップ・アップ・ツアーでプレーしながら、毎日のように自分でショットの動画を撮って分析して、いろいろなことを試しました。それでQTの直前になって、どこが悪いのかが分かって修正することができたんです。おかげでQTではいいプレーができて、ファイナルで8位に入ることができました。なんとか間に合った、という感じですね(笑)。
 去年は、残念ながらレギュラーツアーではいい成績を残せませんでしたが、フェアウェイキープ率では1位(※78.1319%)を獲ることができました。過去に2位と3位になったことはあるのですが、1位になったのは初めてです。ただ、ランキング自体はシーズン中も意識しますが、プレー中は、フェアウェイをキープしようという意識が特に強いわけではないんです。それを意識しすぎると、かえって曲がってしまうから(苦笑)。なので、試合ではショットに集中するようにしていますが、私は他の選手とくらべてあまり飛距離が出ない分、フェアウェイは外せないなという気持ちがありますし、高いフェアウェイキープ率は目標の一つでもあるので、やはり大切に考えています。

 ドライバーは、一昨年の途中から『ゼクシオ 13』を使っています。このドライバーは、たとえば、〝芯を外したかな?〟と思ったショットでも、芯でとらえた場合とそれほど飛距離が変わらないし、ブレも小さくて済みます。それは、試合でプレーする上ではすごく大事で、それもフェアウェイキープの高さにつながっているかなと思います。そういうやさしさがゼクシオならではですし、ミスをカバーしてくれるところが気に入っています。

 フェアウェイキープは大切ですが、やっぱり飛距離も必要なので、去年から今年にかけてのシーズンオフは、練習器具も使いながら素振りを多くやったり、飛距離アップをメインにした練習に取り組みました。トレーニングも、飛距離を伸ばすために例年以上に体幹と下半身を強化しました。アドレスでどっしり構えられるように、走り込みもいつもの年以上に多くしました。今年はまだ数試合プレーしただけですが、去年よりはなんとなく飛んでいる感覚はあります。
 ティショットの飛距離が伸びると、セカンドショット以降の景色が変わってくると思います。そうするとスコアの部分だけでなく、精神面でも変わってきて、余裕が出てくるかなと思うので、トレーニングや飛距離を伸ばすための練習は、継続して頑張っていきたいなと思っています。

 ショットは、試合を重ねるごとにだんだんよくなってきています。おかげで、予選を通過して決勝ラウンドまでプレーできている試合も増えています。
 今年は開幕戦の初日の嵐のような天気に始まって(笑)、タフなコンディションの日が多いですね。コースがすごく難しくて、スコアメイクが大変だった試合もあります。ただ、グリーンが小さくても結構パーオンができたり、ロングパットのタッチを合わせてボギーを打たないようにしたりと、耐えるゴルフができているかなと思います。

 今シーズンの開幕前に立てた目標は、やっぱりシード権獲得で、それを達成するための目標も立てました。たくさんあるのですが、まず、2年連続のフェアウェイキープ率1位。次に飛距離を少しでも伸ばす。そしてパーオン率も上げる。それとメンタル面。去年は1打差で予選を通過できなかった試合が多かったのですが、それはカットラインを意識しすぎたせいかもしれません。もっと伸び伸びとプレーした方がいいのかなと思ったので、今年は、できたらプレーを楽しみながら頑張れたらと思っています。

吉本 ここねプロのプロフィール、戦績はこちら。

 私は、今年、すごくいい状態で開幕を迎えました。開幕してすぐのフィーリングは、年々ちょっとずつ上がってきていて、今年がいちばんいいと感じています。
 沖縄での開幕戦は、初日は嵐のような天候の中でだいぶ叩いてしまいました(苦笑)。2日目も風が強かったのですが、4アンダー「68」でプレーできました。オフの練習の成果が、少しですが出たかなという手応えを感じましたね。今までは、風があると自分本来のパフォーマンスが出しづらかったのですが、風の中でも、ボギーなしでいいスコアで回れたのは、すごく自信につながると思います。

 新しいシーズンを迎えるにあたって、シーズンオフにいくつか道具を新しいモデルに替えました。まず、ウエッジは『クリーブランドゴルフ RTZ ウエッジ』(48°、52°、58°)を使っています。

 去年の年末に組んでいただいたのですが、初めて見た時に〝顔〟がいいと思ったし、ヘッドの座りも最高だったのですぐに替えました。打感もやわらかくて気に入っているし、ソール形状もすごくいいです。私は、どちらかと言えばフルショットよりアプローチを含めてコントロールショットの方が得意で、その中でもバンカーショットはかなり得意です。ラフが深くてややこしそうな状況だと、わざとバンカーに入れてしまうこともあるくらいなのですが、この『RTZ ウエッジ』はバンカーショットもすごく打ちやすいんです。58°を使うのですが、距離感が出しやすいし、バンスも絶妙で、砂に弾かれすぎず、かつ、砂に入りすぎず、みたいな感じで好きです。

 そしてボールは新しい『スリクソン Z-STAR XV』。私は飛距離がほしいのでずっと『XV』を使っていますが、今度のモデルはちょっとだけやわらかくなったなと感じていて、私にはすごく合っています。実は「Z-STAR ♦︎ DIAMOND」にしようか最後まで迷ったのですが、『XV』には私の好きな(カラーバリエーションの)ロイヤルグリーンがあるので『XV』にしました。〝そこで選ぶんかい!〟みたいな感じですけど(笑)、モチベーション的にそういうものも大事なので。ロイヤルグリーンをずっと使っている理由は……カワイイから(笑)。それと、私は黄色とか緑が好きで、ボールのネームもラインもずっと緑なのですが、ロイヤルグリーンなら全体の統一感があるし、遠くから見ても、白とは全然違ってキラキラしていて、試合でも自分のボールだとすぐに分かるのがいいんです。

 去年は1年を通してあまりパフォーマンスがよくなくて、悩みながら1年間プレーした感じでした。それが、QTの前になって、それまで自分でいろいろ勉強しながらやっていたものの整理ができて、パッと前が開けたんです。好きな読書をしたり、ヨガで集中したり、頭の中を整理する時間を作ったりというのを続けていたら、気持ちがちょっと楽になって。その感じでQTに挑んだら、シーズンを通していちばんいいゴルフができて、ファイナルステージで15位に入ることができました。〝やってきたことは間違いじゃなかった〟と思ったし、気持ちの面ですごく成長できた1年だったなと思います。

 今年は、前半戦はすべての試合に出場できるということで、シーズンオフはとにかく走って、体幹トレーニングもしました。私は毎年1月にトレーニング合宿をしていて、今年も沖縄で2週間、堀琴音ちゃんと一緒に合宿をしました。走って、トレーニングをして、午後は練習してというメニューで自分を追い込みました。特に今年は頑張ってトレーニングをしたので、シーズン中もなるべく筋力を落とさないようトレーニングを続けています。

 ゴルフの練習に関しては、シーズン中とあまり変わらなくて、例年との違いで言えば、ラウンドやパッティンググリーンでロングパットを多めに練習しました。
 それと、去年の終盤にテークバックの動きでひらめいたことがあって、もしかしたら、それもQTがよかった要因の一つかもしれないので、オフもそれを続けました。その動きができるようになったことで、ダウンスイングでクラブが下ろしやすくなった感じがあって、おかげでショット全般のイメージがよくなりました。

 今年の目標はもちろんツアー初優勝なのですが、成績とは別に、あまり一喜一憂しないことも目標です。シーズン中は調子がいい時も悪い時もあると思うので、どちらも気持ちに引きずられないようにしたいです。たとえば、スイングにしても、精神状態が悪いと自分のやりたいことができないと思うから。私にとって今年はプロ10年目。もうそんなに経ったのかという感じですが(笑)、10年目でやっとそういうところに気づきました。ゴルフはいいスコアを出さないといけないスポーツではあるけれど、数字や結果に一喜一憂せず、毎日プレーしようと思っています。

安田 彩乃プロのプロフィール、戦績はこちら。

 私がレギュラーツアーに本格的に出場するのは4年ぶりになります。ここ数年は、レギュラーとステップ・アップ・ツアーに数試合ずつ出ていたのですが、1試合プレーしたら休みということもありました。それが今年の前半戦は、ほぼ休みなく試合が続くので、体力が必要だと思って、シーズンオフは、地元の宮崎で仲間たちと一緒にトレーニングをしました。おかげで体力はだいぶついたと思います。

 ただ、以前ツアーに本格参戦していた頃には腰痛が悩みでした。ここ何年かは痛みは出ていないのですが、それは試合数が少なかったからかもしれないので、シーズン中のトレーニングも、あまり無理せず、しっかりケアもしながらやっていこうと思っています。
 去年のQTはファーストステージから出場しました。ギリギリでの通過でしたが、ファイナルでは26位に入って今年の前半戦の出場権を獲得できました。自分でも頑張ったなと思います(笑)。

 ただ、シーズン中盤までは苦しみました。その頃の私のスイングは、上体が左に突っ込んでしまって、球がつかまらないミスが続いていました。それを直そうと、いろいろ考えながらやっていたのですが、練習では上手くいっても、試合の成績にはまったくつながらないということが続いて……。それで、コーチとも相談して、去年の終盤に球筋をそれまでのフェードからドローに変えることにしました。

 それまでとはまったく逆のスイングで、しっかり身体の右側でボールをつかまえるようにしたのですが、それが上手くハマりました。いい方向にどんどん進んでいくのが分かったので、試合でプレーするのがすごく楽しみだなと思えるようになって、QTにもそのまま出られたので、それが成績につながったのだと思います。
 ここ2年ぐらいは、練習でやっていることが試合の結果につながらなかったので、だんだん自信がなくなってしまっていました。それが、球筋を変えてQTで結果が出たことで、いい方向に進んでいるなと思えたし、少し自信も取り戻せたと思います。

 このオフはトレーニングのほかに、新しいスイングをしっかり固めようと、コーチと一緒にもう1回イチから練習に取り組みました。それと、パットもいつもの年より多く練習しました。以前は、パットに自信があってランキングがよかった年もあったのですが(※2014年の平均パット数:パーオンホールで1位)、ここ数年、特に去年はパットのフィーリングがよくありませんでした。なので、このオフは、パットにもっと自信が持てるよう練習したんです。
 クラブについてお話しすると、今年2戦目の「Vポイント×SMBC レディス」から『スリクソン ZXi LS ドライバー』を使っています。

 ZXi シリーズのドライバーは、オフの間にいろいろなモデルを試しました。どれも、打ってみてすごく打感がいいなと思ったのですが、その中から『ZXi LS』を選んだのは、スピン量が少ないからです。私は、スピン量が多すぎてボールが高く上がってしまって飛距離につながらないのが悩みでした。それが、『ZXi LS』にしたことで球の高さが抑えられて、ボールがより前に行くようになって飛距離が伸びました。『ZXi LS』に絞ってからは、ライ角やロフト角、それにウエイトでヘッドのバランスを調整してもらいました。そうしたらアドレスがしやすくなって、球のつかまり具合もちょうどよくなって、ショットが安定するようになりました。そんな感じで、今はドライバーの感触はすごくいいです。

 私の今シーズンの目標は(2018年以来の)ツアー2勝目です。
 試合では、まだ結果を残せていませんが、自分では調子はそれほど悪くないと思っているし、練習でもいい感覚があるので、そんなに焦りもありません。むしろ、開幕戦からプレーしてみて、やっぱりレギュラーツアーは楽しいなと感じています。やっぱりレギュラーツアーの方がギャラリーが多いし、知り合いもたくさん応援に来てくれますから。特に九州の試合ではたくさんの人に応援してもらえるので、ここから頑張っていきたいと思っています。

香妻 琴乃プロのプロフィール、戦績はこちら。