2014年の初のシード権獲得から10年。また昨年10月に30歳になり、プロゴルファーとして脂が乗っている感のある稲森 佑貴プロ。新しいシーズンを戦うにあたり、オフにはいくつか新しい試みをおこなったようです。
合宿だけでなく、地元での練習やラウンドも例年以上に密に行ったのだとか。また、トレーニングについても、これまでとは意識が変わったようで、
「年を重ねるごとに基礎体力が落ちてきているなと感じるので(苦笑)、筋力だけでなく、体力をつけるためのトレーニングをしました。もちろんゴルフに直接つながるトレーニングもですけど」
さらに、シーズンが始まってからのトレーニングについても、
「毎週試合が続くと、どうしても疲れは溜まってきてしまうので、身体のケアをして疲れを取って、なるべく次の日のゴルフに響かないようにします。ただ、一方で、土台はしっかりさせておきたいので、身体のコアの部分のトレーニングは続けていきたいと思います」
と話し、ケアをしながら体力強化に努めることをめざしています。
昨年のツアーでは、9年連続でフェアウェイキープ1位に輝いた稲森プロ。そのうえ史上初めて80%を超える快挙を達成しましたが、やはり数字については意識していたのでしょうか。
「いえ、途中までは全然意識していませんでした。というのも、去年は正直ティショットで悩んでいたので(苦笑)。だから、ショットについて自分なりにいろいろ試しました。それで、ツアーが残り2~3試合になった時点で初めて80%という数字を意識し出しましたね」。
偉大な記録の裏には、他人には分からない高い次元の悩みがあったようです。
そんな稲森プロが、今シーズン使用するのが『スリクソン ZXi ドライバー』。
「去年の後半戦は同じシリーズの『TR』を使っていたのですが、オフになって、〝ドライバーは、距離も方向安定性もまだ伸びしろがあるんじゃないか?〟と思えたんです。それで、きっかけの一つとして、スタンダードモデルも一度試してみようと。そうしたら見事に自分にハマりました。ヘッドが大きい分、より面で捉えられる感じがあって、すごくやさしさを感じて、今はしっくりきています。僕はゼクシオのドライバーを使っていたこともあるし、もともと大きなヘッドが好みでしたし。球が上がりやすいのでロフトを減らしたのですが、少しやわらかくしたシャフトを組み合わせたら、初速が上がって飛距離も伸びたかなと思います。僕が求めているドローも打ちやすいです」
と話し、今年はこれがエースドライバーになるようです。
昨年は残念ながら優勝はできなかった稲森プロですが、そのことについてはこんな話をしてくれました。
「たしかに、優勝に手が届かなかったのは残念でしたけど、全然ダメだったわけでもないので、そこまではガッカリしなかったですよ。ティショットもそうですが、悩みながらも、収穫も意外とあったシーズンだったので、これが来年につながればいいなと思っていました」。
それほど落胆しなかったのは、「日本プロゴルフ選手権大会」で2位タイ、「日本オープンゴルフ選手権」で3位と、相変わらずメジャーの大舞台で好成績を残したことも関係があるようで、
と、シーズンオフのトレーニングについて話す出水田 大二郎プロ。具体的には、パーソナルトレーナーについて体幹や瞬発系のトレーニングを行ったとのことで、トレーニングをしていくうちに自身の意識が変わっていき、時間があれば自分ひとりでもジムに通ったそうです。
また、ゴルフに関しては、現在拠点にしている福岡のコースをラウンドしたほか、コーチや、そのコーチに師事するプロたちとともに合宿も実施。その合宿で取り組んだテーマのひとつがパッティングの改善でした。
「僕の中ではずっとパッティングがネックだと思っていたので、コーチとも話し合いながら、いろいろな練習をしました。その結果、〝これかな?〟という感覚はつかめたというか、自分の中で整理がついて、〝今年はこのパッティングで行ってみよう〟と思えるものが見つかりました。それでツアーを戦ってみてどうなるのか、自分でもちょっと楽しみです」
と話すように、パッティングについて明るい兆しを感じているようです。
そんな充実したシーズンオフの成果について聞いてみると、
TEAMスリクソンのプロたちが愛用中の『スリクソン ZXi シリーズ』。出水田プロも計10本をバッグに入れていて、去年9月から使用している『ZXi フェアウェイウッド』#3もお気に入りの1本です。
と、構えた時の安心感をはじめ、その性能を高く評価。また、シーズンオフに入ってからは、ボールをNEWモデル『スリクソン Z-STAR XV』にスイッチしたそうです。
そんな出水田プロに、今シーズンめざすことを尋ねると、いくつか答えが返ってきました。まずは、ドライバーの飛距離アップについて、
「ここ数年、若い子たちが飛ばすのを見て、〝負けていられないな〟という気持ちがありました。オフにトレーニングをしたのは、飛距離で若手に負けたくないからでもあります。僕もドライビングディスタンス(※昨年は293.67ヤードで22位)がすごく落ちているわけではないのですが、今年はドライビングディスタンスをより意識しながらプレーしようと思います」
とコメント。そして具体的な目標として「やっぱり優勝です。絶対に今年こそはと思っています」と力強く語ったあとこんなことも話してくれました。
さらに、まもなく40歳を迎える心境を尋ねてみると、
「まだ実感は湧かないですけど、ゴルフに関しては、常にあたふたしていた30代前半の頃とくらべると、年々慌てなくなってきたかなとは思います。僕が初めてシード権を獲ったのが2013年。その後、若い子たちがどんどん出てきて、自分は上から数えた方が早くなったので。脂が乗っていればいいんですけど、それは分かりません(笑)」
と話し、経験を積むにつれて精神面の安定感は増しているようです。
落ち着いてきたという塚田プロですが、自身の武器であるドライバーショットでは若手に負けていません。昨年のツアーでのドライビングディスタンスは298.31ヤードで12位にランクインしました。
「(ドライビングディスタンスを)計測するのは2ホールだけなので、当たり外れがあるとは思いますけど、12番目に入っているわけですから、悪くはないと思います。ただ、たしかに飛べばアドバンテージにはなりますけど、皆さんが言うほど数字は意識していないですよ」
とコメント。そんな塚田プロが昨年9月から愛用しているのが『スリクソン ZXi LS ドライバー』。練習での感触がよかったことから、すぐに試合に投入したそうです。
「第一印象は〝顔がいいな〟ということ。構えてみて安心できる顔をしているので、いいなと。それと、僕はもともとスピン量が多いのですが、この『LS』に替えてから、ロースピンという名前の通り少しスピン量が減って、ボールがより前に行くようになりました。飛距離も伸びたと思いますが、それにも増して、安心して振り切れるのが『LS』のいいところです」
と絶賛。昨年のツアーで、パー5のツーオン率が3位を記録したことについても、
「それだけドライバーが飛んでいるということですよね」と、やはりNEWドライバーを高く評価しています。
シーズンオフは、例年同様、ラウンド中心に調整を行ったという塚田プロ。地元・長野では冬にはラウンドができないことから、福岡のほか、フィリピンのコースでもプレーしたそうです。
ラウンドには、ある技術的なテーマを持って臨んだのだとか。
また、オフにこのテーマを掲げたのは、昨シーズンの自身のゴルフとも関係しているそうで、
「去年は、終盤戦も予選は通過できましたが、僕にすれば上手くごまかしていた感じで、ゴルフの調子は本当に悪かったんです。もっと言うと、去年の夏以降のことは、〝俺、何やってたんだっけ?〟みたいな感じで、もう何も覚えていないんですよね。その理由のひとつは、テーマがなかったからだと思っているので、今年は明確なテーマを決めて、それを1年間ちゃんとやり続けようと思っています」。
そうして迎える2025年シーズン。開幕時の自身の仕上がり具合について、「僕としては珍しいくらい、本当に調子がいいです。名前を変えたからかも」と笑って話しながら、今年の具体的な目標を挙げてくれました。
「本当に久しく最終戦(ゴルフ日本シリーズJTカップ)でプレーできていないので、今年こそ本当にあそこに行きたいという気持ちはあります。ここ数年、秋になると〝ここから頑張って最終戦に出たい〟という話をするんですけど、結局、賞金ランキングが40位前後で落ち着いてしまって出られていません。でも、何度も言いますが、名前も変えたことですし(笑)、〝今年はやるぞ!〟という気持ちはめちゃくちゃあります。僕は春先はあまり得意なほうじゃないのですが、今年は調子がいいので、開幕からコンスタントにいい結果を残せるように、余裕を持ったゴルフをしたいですね。変に落ち着いてしまっているところから突き抜けて、最終戦に出られるよう頑張っていこうと思います」。
最終戦への出場が実現すれば、実に9年ぶり。塚田プロの〝悲願〟の達成に大いに期待しましょう。