2025/04/28

SRIXON契約プロレポート

《TEAMスリクソン・ツアーレポート 男子プロ編②》 充実のシーズンオフを経て、それぞれの目標達成に向けて奮闘中!

 2014年の初のシード権獲得から10年。また昨年10月に30歳になり、プロゴルファーとして脂が乗っている感のある稲森 佑貴プロ。新しいシーズンを戦うにあたり、オフにはいくつか新しい試みをおこなったようです。

 一つは、他のプロと一緒に練習したり、ラウンドしたりする合宿の回数を増やしたこと。毎年恒例の宮崎での谷口 徹プロの合宿に参加したほか、地元・鹿児島に遠方からプロ仲間を招き、地元の後輩プロも交えた合宿を実施。そうした合宿は福岡や岐阜でも行ったそうで、
「一緒にラウンドして、自分に足りない部分を他の選手から感じたり、僕のプレーを見てもらったり。お互いにアドバイスし合う感じですね」。

 合宿だけでなく、地元での練習やラウンドも例年以上に密に行ったのだとか。また、トレーニングについても、これまでとは意識が変わったようで、
「年を重ねるごとに基礎体力が落ちてきているなと感じるので(苦笑)、筋力だけでなく、体力をつけるためのトレーニングをしました。もちろんゴルフに直接つながるトレーニングもですけど」
 さらに、シーズンが始まってからのトレーニングについても、
「毎週試合が続くと、どうしても疲れは溜まってきてしまうので、身体のケアをして疲れを取って、なるべく次の日のゴルフに響かないようにします。ただ、一方で、土台はしっかりさせておきたいので、身体のコアの部分のトレーニングは続けていきたいと思います」
 と話し、ケアをしながら体力強化に努めることをめざしています。

 また、ツアーの開幕1か月前からは競技にも積極的に出場。
「3月上旬の『ニュージーランドオープン』に出場してきました。それ以外にも、試合勘を養うために、国内の小さな試合にもいろいろ出ましたよ」
 と話し、例年以上に実戦での調整を行い、開幕を迎えたようです。

 昨年のツアーでは、9年連続でフェアウェイキープ1位に輝いた稲森プロ。そのうえ史上初めて80%を超える快挙を達成しましたが、やはり数字については意識していたのでしょうか。
「いえ、途中までは全然意識していませんでした。というのも、去年は正直ティショットで悩んでいたので(苦笑)。だから、ショットについて自分なりにいろいろ試しました。それで、ツアーが残り2~3試合になった時点で初めて80%という数字を意識し出しましたね」。
 偉大な記録の裏には、他人には分からない高い次元の悩みがあったようです。
 そんな稲森プロが、今シーズン使用するのが『スリクソン ZXi ドライバー』。

「去年の後半戦は同じシリーズの『TR』を使っていたのですが、オフになって、〝ドライバーは、距離も方向安定性もまだ伸びしろがあるんじゃないか?〟と思えたんです。それで、きっかけの一つとして、スタンダードモデルも一度試してみようと。そうしたら見事に自分にハマりました。ヘッドが大きい分、より面で捉えられる感じがあって、すごくやさしさを感じて、今はしっくりきています。僕はゼクシオのドライバーを使っていたこともあるし、もともと大きなヘッドが好みでしたし。球が上がりやすいのでロフトを減らしたのですが、少しやわらかくしたシャフトを組み合わせたら、初速が上がって飛距離も伸びたかなと思います。僕が求めているドローも打ちやすいです」

 と話し、今年はこれがエースドライバーになるようです。
 昨年は残念ながら優勝はできなかった稲森プロですが、そのことについてはこんな話をしてくれました。
「たしかに、優勝に手が届かなかったのは残念でしたけど、全然ダメだったわけでもないので、そこまではガッカリしなかったですよ。ティショットもそうですが、悩みながらも、収穫も意外とあったシーズンだったので、これが来年につながればいいなと思っていました」。
 それほど落胆しなかったのは、「日本プロゴルフ選手権大会」で2位タイ、「日本オープンゴルフ選手権」で3位と、相変わらずメジャーの大舞台で好成績を残したことも関係があるようで、

「あの2試合は、ゴルフの内容も悪くなかったですし、たとえ優勝できなくても、やっぱりメジャーで好成績を出せたら自信になります」
 と笑顔で語る稲森プロ。そして、
「やっぱりメジャーで勝ちたいなという気持ちはありますね。どの試合も出るからには優勝をめざしますが、その中でもやっぱりメジャーはより頑張りたいなと」
 と、プロ15年目の目標として、3つめのメジャータイトル獲得を掲げていました。

「去年は、シード権をキープできたことはよかったのですが、賞金額が大きい秋の試合で納得がいく結果が残せませんでした。それに、終盤の数試合は体調もあまりよくなかったので、トレーニングをして疲れにくい身体を作らないといけないと強く感じたんです。だからこのオフは、意識を高くもって、質、量ともに今まででいちばんトレーニングをしましたし、シーズンの最後まで、ケガなく元気に戦える体を作ってきたつもりです」

 と、シーズンオフのトレーニングについて話す出水田 大二郎プロ。具体的には、パーソナルトレーナーについて体幹や瞬発系のトレーニングを行ったとのことで、トレーニングをしていくうちに自身の意識が変わっていき、時間があれば自分ひとりでもジムに通ったそうです。
 また、ゴルフに関しては、現在拠点にしている福岡のコースをラウンドしたほか、コーチや、そのコーチに師事するプロたちとともに合宿も実施。その合宿で取り組んだテーマのひとつがパッティングの改善でした。
「僕の中ではずっとパッティングがネックだと思っていたので、コーチとも話し合いながら、いろいろな練習をしました。その結果、〝これかな?〟という感覚はつかめたというか、自分の中で整理がついて、〝今年はこのパッティングで行ってみよう〟と思えるものが見つかりました。それでツアーを戦ってみてどうなるのか、自分でもちょっと楽しみです」
 と話すように、パッティングについて明るい兆しを感じているようです。
 そんな充実したシーズンオフの成果について聞いてみると、

「トレーニングで身体は少し大きくなりました。それに、スイングのキレも出てきたと感じます。九州では、3月に入ると試合が5つか6つあるので、それに出て調整していたのですが、プレーしていてスイングがキレて、その分、ショットもよくなっているなと思いましたね。スイングのキレが増した分、クラブのフィーリングも変わってきたので、シャフトも替えて試したり。クラブも含めて、ツアー開幕に向けて落ち着いて調整ができたと思います」。

 TEAMスリクソンのプロたちが愛用中の『スリクソン ZXi シリーズ』。出水田プロも計10本をバッグに入れていて、去年9月から使用している『ZXi フェアウェイウッド』#3もお気に入りの1本です。

「スリクソンの#3は前のモデルから使っていますが、それとくらべると、より構えやすくなったと感じます。〝顔〟はそれほど変わらないのですが、ソールが平べったくなったことでヘッドの座りが非常によくなりました。そこはすごく進化しているなと思います。構えた時に安心感と気持ちよさがあると、やっぱりイメージ通りのショットが打てます。打感もいいですし、弾道も高くもなく低くもない、ちょうどいい高さです」

 と、構えた時の安心感をはじめ、その性能を高く評価。また、シーズンオフに入ってからは、ボールをNEWモデル『スリクソン Z-STAR XV』にスイッチしたそうです。

「ボールに関しては、じっくり時間をかけて試そうと思ったので、オフまで待って替えました。僕は『XV』のしっかりした打感が好きで、アマチュアの頃からずっと使っているのですが、新しいモデルは、前のモデルとくらべて、少しソフトになった気がします。アプローチでのフェースへの食いつきもすごくいいですね。パターのフィーリングも、わずかですがやわらかくなったと思うので、僕のパッティングでの気づきと合わせて、いい方向に進んでくれるといいなと思います」。

 そんな出水田プロに、今シーズンめざすことを尋ねると、いくつか答えが返ってきました。まずは、ドライバーの飛距離アップについて、
「ここ数年、若い子たちが飛ばすのを見て、〝負けていられないな〟という気持ちがありました。オフにトレーニングをしたのは、飛距離で若手に負けたくないからでもあります。僕もドライビングディスタンス(※昨年は293.67ヤードで22位)がすごく落ちているわけではないのですが、今年はドライビングディスタンスをより意識しながらプレーしようと思います」
 とコメント。そして具体的な目標として「やっぱり優勝です。絶対に今年こそはと思っています」と力強く語ったあとこんなことも話してくれました。

「ラウンド中に喜怒哀楽を出さないようにすることもめざしています。出しているようには見えないかもしれませんが、心の中では、ミスをしてけっこう落ち込んで次のショットに影響してしまうようなことが去年はまだありました。なので、そういうところを今年は上手く切り替えるようにしたい。それも今年の大きな目標です。〝終わったことはしょうがない〟と切り替えて、前向きなプレーをするようにしたいと思っています」。

 今年がプロ18年目で、来月(5月)には40歳の誕生日を迎える塚田 よおすけプロ。まずは、誰もが気になっているはずの登録名変更(陽亮→よおすけ)の理由について聞いてみました。
「(本名の)漢字だと子どもたちに読みにくいからです。だから、平がなにすることで親しみを感じてもらおうと思ったのと、少しでも男子ゴルフが身近になるようにという願いも込めてですね。それと、僕自身40にもなるので節目の意味もあります。ただ、試しに1年だけでいいやと思ったら、5年は元に戻せないとあとから聞いて、『45まで〝よおすけ〟か、と少し後悔しましたけど(笑)」。

 ちなみに、これまでもキャディバッグのポケットやアイアンのソールには〝よおすけ〟と平がなで刺繍や刻印をしていたそうです。

 さらに、まもなく40歳を迎える心境を尋ねてみると、
「まだ実感は湧かないですけど、ゴルフに関しては、常にあたふたしていた30代前半の頃とくらべると、年々慌てなくなってきたかなとは思います。僕が初めてシード権を獲ったのが2013年。その後、若い子たちがどんどん出てきて、自分は上から数えた方が早くなったので。脂が乗っていればいいんですけど、それは分かりません(笑)」
 と話し、経験を積むにつれて精神面の安定感は増しているようです。
 落ち着いてきたという塚田プロですが、自身の武器であるドライバーショットでは若手に負けていません。昨年のツアーでのドライビングディスタンスは298.31ヤードで12位にランクインしました。
「(ドライビングディスタンスを)計測するのは2ホールだけなので、当たり外れがあるとは思いますけど、12番目に入っているわけですから、悪くはないと思います。ただ、たしかに飛べばアドバンテージにはなりますけど、皆さんが言うほど数字は意識していないですよ」
 とコメント。そんな塚田プロが昨年9月から愛用しているのが『スリクソン ZXi LS ドライバー』。練習での感触がよかったことから、すぐに試合に投入したそうです。
「第一印象は〝顔がいいな〟ということ。構えてみて安心できる顔をしているので、いいなと。それと、僕はもともとスピン量が多いのですが、この『LS』に替えてから、ロースピンという名前の通り少しスピン量が減って、ボールがより前に行くようになりました。飛距離も伸びたと思いますが、それにも増して、安心して振り切れるのが『LS』のいいところです」
 と絶賛。昨年のツアーで、パー5のツーオン率が3位を記録したことについても、
「それだけドライバーが飛んでいるということですよね」と、やはりNEWドライバーを高く評価しています。

 シーズンオフは、例年同様、ラウンド中心に調整を行ったという塚田プロ。地元・長野では冬にはラウンドができないことから、福岡のほか、フィリピンのコースでもプレーしたそうです。
 ラウンドには、ある技術的なテーマを持って臨んだのだとか。

「僕は、自分のアドレスがあまりよくないと思っていて、調子が悪い時には、たいていアドレスの崩れが原因になっていることが多いんです。だから、このオフのラウンドでは、自分が悪い癖だと思っている部分を頭にしっかり入れて、そこに注意するようにしました」。

 また、オフにこのテーマを掲げたのは、昨シーズンの自身のゴルフとも関係しているそうで、
「去年は、終盤戦も予選は通過できましたが、僕にすれば上手くごまかしていた感じで、ゴルフの調子は本当に悪かったんです。もっと言うと、去年の夏以降のことは、〝俺、何やってたんだっけ?〟みたいな感じで、もう何も覚えていないんですよね。その理由のひとつは、テーマがなかったからだと思っているので、今年は明確なテーマを決めて、それを1年間ちゃんとやり続けようと思っています」。
 そうして迎える2025年シーズン。開幕時の自身の仕上がり具合について、「僕としては珍しいくらい、本当に調子がいいです。名前を変えたからかも」と笑って話しながら、今年の具体的な目標を挙げてくれました。

「本当に久しく最終戦(ゴルフ日本シリーズJTカップ)でプレーできていないので、今年こそ本当にあそこに行きたいという気持ちはあります。ここ数年、秋になると〝ここから頑張って最終戦に出たい〟という話をするんですけど、結局、賞金ランキングが40位前後で落ち着いてしまって出られていません。でも、何度も言いますが、名前も変えたことですし(笑)、〝今年はやるぞ!〟という気持ちはめちゃくちゃあります。僕は春先はあまり得意なほうじゃないのですが、今年は調子がいいので、開幕からコンスタントにいい結果を残せるように、余裕を持ったゴルフをしたいですね。変に落ち着いてしまっているところから突き抜けて、最終戦に出られるよう頑張っていこうと思います」。
 最終戦への出場が実現すれば、実に9年ぶり。塚田プロの〝悲願〟の達成に大いに期待しましょう。