あの試合ですが、実は練習日はあまり調子がよくなくて、それは第1ラウンドでも変わりませんでした。特にドライバーショットがよくなくて、モヤモヤしていたんです(苦笑)。でも、2打目以降は悪くなくて、ピンに寄ったしパットも入ってくれたので、「65」という、自分が思っていた以上のいいスコアが出ました(※初日は単独首位)。それで、「これはチャンスかも」と思って、2日目以降は自然と前向きになれました。
それで2日目もアンダーパー(※1アンダー「71」)で回れたのですが、最終日は雨になってめっちゃ寒くて。カイロを身体に貼って、ポケットにも入れていました(笑)。観てくださった方は分かると思いますが、あの日は正規のラウンドとプレーオフを合わせて5回、18番ホールをプレーしました。
時間が経つにつれて気温が下がっていって、雨の影響もあって、ティショットの飛距離がだんだん落ちていきました。決着がついたプレーオフ4ホール目で、私はティショットを左サイドのクロスバンカーに入れてしまいました。ピンまでは175ヤードあって、私は第2打をハイブリッドの#5で打ちました。
バンカーは水が浮いていて、アゴにも近かったのですが、しっかり捕まった、めっちゃいい球が打てました。攻める気持ちで打ったショットでした。あのショットは、JLPGAの4月の「PLAY OF THE MONTH」に選んでいただいたのですが、自分でも試合を決める会心のショットだったと思います。
去年の春先はショットの調子がよくなくて、このままだとマズいなと思って、前半戦は試合に出ながらずっとスイングの微調整をしていました。それとくらべると、今年は開幕戦から調子は悪くなかったですし、最低限のことはできている感じでした。
練習していていつも感じるのは、スイングは身体の状態とすごくリンクしているということ。たとえばトレーニングをして筋肉痛になると、身体の動きが悪くなってしまってスイングに影響が出ます。だから、やっぱり身体のコンディションを保つのは大事だなと思います。それと、私の場合、スイングのチェックポイントはいくつかあって、どうもしっくり来ないという時には、アドレスの向きやトップの位置を、動画を撮ってチェックしています。
ただ、オフに頑張っただけではシーズンの最後まで効果が続かないので、ツアー中も試合の後は地元に帰ってジムに行って、トレーナーさんとマンツーマンでトレーニングをしています。鍛えるのは主にお尻の周りや体幹。お腹も力がしっかり入るように鍛えていて、毎週前半は筋肉痛です(笑)。トレーニングは、どうやったらパワーがボールに伝わりやすいかを考えながらやっています。それにプラスしてスイングもよくなれば、もっと高い確率で距離の出る、いいショットが打てるようになると思います。
今の調子ですが、練習日に「あれ?」と思うことがあるし、日によって波があるので、自分ではよく分かりません(苦笑)。ただ、ショットの状態が悪くても、上向きになるよう自分なりに調整できているし、調子が悪くてもスコアをまとめる力は去年よりもついたと感じています。
安田 祐香プロのプロフィールはこちら