2025/08/25

契約プロレポート

《ティからグリーンまで続くコントロール性能の高さが決め手》賞金ランキングトップ快走中の生源寺 龍憲、『スリクソン Z-STAR』を語る

 高校2年生から『スリクソン Z-STARシリーズ』を愛用している生源寺だが、使うボールはその時々の自身の好みに合わせて変遷してきた。
 最初は飛距離を求めて「Z-STAR XV」を使い、大学時代にはアプローチショットでのスピン性能を重視して『Z-STAR』をチョイス。プロ転向後もしばらく愛用していた。
 そして昨年1月、生源寺はアジアンツアーの最終予選会に挑戦。2位の好成績を収め、2月から同ツアーに初参戦した。アジアではグリーンの硬いコースが多いことから、アイアンショットのスピン量を増やそうと「Z-STAR ♦︎ DIAMOND」にスイッチ。国内ツアーでも使い、自身初のシード権を獲得した。
 そんな生源寺は、今年6月末の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」(以下、JPC)から再び『Z-STAR』でプレー。その試合でさっそくツアー2勝目を飾った。
 このボールのスイッチの理由について、生源寺は次のように話す。

「夏場になってスイングスピードが上がってきたので、『Z-STAR』を試してみたら、ミドル~ロングアイアンのスピン量が増えて、グリーンで止まりやすくなったなと感じたんです。それに、僕は元々ソフトなボールが好きなこともあって『Z-STAR』に替えました」。

 久しぶりに『Z-STAR』を試合で使ってみて感じたことは他にもある。それは風の中でアイアンショットを放った時だと言う。
「たとえば、アゲンストに対してアイアンで低く抑えた球を打とうとした時に、スピンの入り方が僕の感覚にマッチしています。そういう微妙なスピンコントロールが『Z-STAR』はしやすいなと感じます。アゲンストに対して、打ち出し角を下げて〝重たい球〟で飛ばすなら『Z-STAR』がいちばんしっくりきますね」。

『Z-STAR』のコントロール性能の高さは、ドライバーショットでも感じているという。
「球離れが早いか遅いかの違いだと思いますが、シリーズの中では『Z-STAR』がいちばんつかまる感覚があって、それがコントロールのしやすさにつながっています。正直に言うと、『Z-STAR』に替えてドライバーの飛距離は少し落ちたのですが、コントロールが効く分、ティショットが打ちやすくなりました」。
 そして、ドライバーショットでの『Z-STAR』のコントロール性能は、風の中でこそ際立つようだ。

「ショットしたボールは、落ち際に最も風の影響を受けやすいと思うのですが、『Z-STAR』は、ドローにしてもフェードにしても、落ち際で風に流されにくい気がします。最後の最後までコントロールできている感じがあるので、計算が立つというか、自分のイメージした範囲内に収まってくれるのはすごく助かります」。

 生源寺がこの夏に『Z-STAR』にスイッチした理由として挙げた、自身の好みにマッチするソフトなフィーリング。それもまた、コントロール性能の高さにつながっている。
「僕の場合、インパクトで手に〝モチッ〟と来るほうが、ショットのコントロールがしやすいんです。特にショートゲームはそうで、ウエッジのフィーリングは大事です。(今季2勝目を飾った)JPCでも、グリーンの傾斜に対して、上手くスピンをコントロールして止めることができました」。
 昨年の国内男子ツアーでのパーオン率が2位で、今季も現在3位と、ツアー屈指のショットメーカーである生源寺。ピンに絡むショットが多いせいか、今季はパッティングも好調で、平均パットでも3位につけている。
 そのパッティングにも、『Z-STAR』のソフトな打感が好影響を与えているという。

「パターの打感も、他の2つのモデルとくらべて、わずかですがやわらかいので、ボールが静かに転がり始める感じがあります。だから、スピードが出るグリーンに対しては、すごくラインに乗せやすい気がしますね」。
 このように、ティショットからカップインの瞬間まで、自身でコントロールできていると感じられる点が、生源寺が『Z-STAR』を再び手にした理由と言えそうだ。

 さて、ここからは今季の生源寺自身にスポットを当ててみよう。
 一昨年に国内男子下部ツアーの賞金王に輝き、昨年はレギュラーツアーで賞金ランキング29位となり初のシード権獲得と、着実にステップアップしてきた。今季の開幕を前に活躍できそうな予感はあったのだろうか。
「去年は、優勝争いをしながら、なかなか上位でフィニッシュできない試合もありました。ただ、今、自分がやっていることがツアーでも通用するんだなという手応えは感じていました」。
 そしてご存じのように、今季開幕戦「東建ホームメイトカップ」では、悪天候のため54ホールに短縮されたもののツアー初優勝を達成。5月下旬の「日本プロゴルフ選手権大会」ではプレーオフ4ホール目で惜敗したが、その1か月後のJPCではバーディ合戦を制しツアー2勝目を挙げた。そのプレーは自信に満ち溢れているように見える。
「淡々とプレーできる感じにはなってきたなと自分では思います。そこが去年までとの違いで、いろいろ経験を積んで来たし、〝自分のゴルフができれば勝てる〟みたいな感覚もあります」。
 さらに自身がゴルファーとして成長できた理由として、先述したアジアンツアー参戦を挙げる。

「アジアではずっとプレーしてみたくて、それがやっと去年実現できたのですが、アジアの試合は、まずコースの芝もデザインも日本とは違います。だから、求められる技術も違って、たとえば狭いところに打っていかなければいけないことも多いんです。それだけ頭も使うし、プレーしていたら勝手に上手くなるんですよね(笑)。もちろんトレーニングもしなきゃいけないですし、自分が成長できる環境に身を置くことが大事なんだと感じています」。

 そんな生源寺は今年に入り、アメリカPGAツアーへの挑戦を公言しているが、その挑戦もまた、自身が成長するためのチャンスととらえている。
「行ける時に行きたいし、自分がどこまで行けるのか知りたいんです。もちろんDPワールド(欧州)ツアーにも行きたいのですが、ヨーロッパ経由でアメリカに行くのではなく、最初からアメリカに行けるチャンスがあるなら、そこに挑戦したいです」。
 そして、後半戦に入った国内ツアーについて、
「もっと優勝したいですね。そして、ぶっちぎりで賞金ランキング1位になって、アメリカに行きたいですね」
 と言葉に力をこめる生源寺。今季のここまでのプレーを見る限り、それを成し遂げる可能性は十分にある。


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