D-cafe:その結果、首位と2打差の10位タイで最終日を迎えました。ビッグスコアを狙っていたそうですね。
菅:はい。前日までは全然優勝は意識していなかったんです。でも、最終日の朝に一緒にウォーミングアップをしていたトレーナーさんから「(トップと)まだ2打差じゃん」と言われて、「あ、確かに」と(笑)。最終日は風も吹いていなかったですし、「もしかしたらビッグスコアが出せるかも」と思ったら、そこからスイッチが入りましたね。
D-cafe:最終日はスタートからいきなりバーディラッシュでした。
菅:そうなんです。1番で長いバーディパットが入って、“あ、今日は何かあるかも?”と自分で自分に期待していたら、3連続バーディが来て。それで、“これはもうゾーンに入ったからイケる”と思って、そこからさらに集中できました。
D-cafe:そして17番、18番と連続バーディを獲りましたね。
菅:はい。18番がロングホールで、みんなバーディを獲ると思ったので、絶対に8アンダーにはしておきたかったんです。それが、17番でもバーディが獲れて。あのバーディが一番大きかったんじゃないかなと思います。バーディパットは入れ頃外し頃の距離だったので、それを決められたのがよかったです。おかげで18番は気楽にプレーできました。
D-cafe:優勝が決まった瞬間はパッティンググリーンにいましたね。
菅:はい。もう、ドキドキでした(笑)。キャディさんに「体を動かしておこう」と言われて、パットをしながら、グリーン横のボードを見ていました。そうしたら、運営担当の方が(優勝が決まったと)教えてくださって。
D-cafe:優勝決まって、みなさんに祝福されているうちに涙が……。
菅:そうなんです。同級生や同期の子たちが先に優勝して焦りがあったし、10番でボギーを打った時に、“また勝てないのかな……”とすごく考えてしまって。それに今年は、前半では伸ばせるのに後半に崩れることが多かったので、その記憶が蘇りました(苦笑)。そうやっていろいろ思い出したら、涙が止まらなくなりました(笑)。
D-cafe:ショットと言えば、あの試合ではパーオン率1位でしたね。
菅:あ、そうだったんですか? ショットの調子がいいなと思う時は、常にピンを狙っているので(笑)、3ヤード横にズレても「ダメだ」と思ってしまうんです。あの頃は、連戦の疲れがたまっていたこともあって、前の試合まではアイアンショットの感触があまりよくなくて。でもあの試合では安定していました。
D-cafe:去年と比較して、アイアンショットが上達した感覚はあるのでしょうか?
菅:はい。元々アイアンショットは得意だったのですが、今年は調子が悪くても悪いなりにグリーンに乗せられることが増えてきました。去年ならグリーンを外していたところからでも、今年はキャッチできています。ラフからのショットも、去年は「乗ればいいや」みたいな感じだったのが、今年は筋トレでパワーがついて精度も上がったことで、ピンを狙えるようになりました。
D-cafe:少し時間が経ちましたが、プロ2年目での初優勝についてどう感じていますか?
菅:勝ってすぐは実感がなかったんです。でも、翌週の「日本女子オープン」の会場でたくさんの方から「おめでとう!」と言ってもらって、すごく実感が湧きました。あの試合では、最後にスコアを落としてしまったのですが、優勝争いができたので自信になりました。優勝した後の週が一番大事だと思っていたので、そこはちょっと安心しました。
D-cafe:とは言え、今シーズンは初優勝をめざしてきて、後半戦になってそれを達成しました。今は何を目標にプレーしているのでしょうか?
菅:今年の目標は、まずシード権を獲ること、そして初優勝することでした。それを達成できた今は、ツアー終了後の「Hitachi 3Tours」(以下、3Tours)に出ることを目標にしています。
D-cafe:なぜ、3Toursに出たいのですか?
菅:通常の試合形式と違って、男子やシニアのプロのみなさんとプレーできるし、チーム戦ということで女子プロのみなさんとも仲良しになれそうなので、ずっと出たいと思っていました。もちろんツアーを代表して出られるのもうれしいですし。ただ、メンバーに選ばれるかどうかは最終戦が終わるまで分からないので、これからの試合でしっかり上位に入って、できれば早く2勝目を挙げられるようにと思っています。
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