アメリカツアーにルーキーとして参加した昨年は、本当に充実した1年だったと思います。長距離移動や初めてプレーするコースなど戸惑うことも多かった中で2勝することができたからです。
特に「AIG女子オープン」での優勝は、海外メジャーで勝つことを目標にしてきた私にとって本当にうれしい出来事でした。高校生の頃、家に帰るとケーブルTVで男子の海外トーナメントをよく観ていました。その時、「みんなスゴいプレーをするな」「世界は広いな」と思ったし、自分も海外でプレーしてみたいと思うようになりました。その中でも特にメジャーに出たいと思ったし、コーチである父とコツコツ地道にやってきたことが優勝という結果につながってくれたと思っています。
ご存じの方もいるかもしれませんが、最終日の前日は私の24回目の誕生日でした。ネットで調べたお店に家族で行って、私はパスタを食べたのですがすごく美味しくて(笑)。いい誕生日を迎えることができて、それが優勝につながったのは最高の思い出になりました。
「AIG~」では、キャディのジョン・ベネットさんのサポートも大きかったですね。最終日の後半はかなり苦しかったのですが、ジョンさんは、私を励ますのではなく、いつも通り、そのホールの攻め方や次のショットをどうすべきかだけをアドバイスしてくれました。それによって私はすごく安心できました。
ジョンさんは、ツアーでは“JB”と呼ばれているベテランのキャディで、私は一昨年の最終予選会からバッグを担いでもらっています。私はどちらかというと“攻める”タイプなのですが、攻めばかりだとミスした時に大叩きしてしまいます。そういう私をジョンさんは抑えつつ、攻めるマネジメントをするようにアドバイスしてくれます。
ジョンさんは日本で長くキャディをしていたので、すごく日本語が上手で、私とも日本語で会話しています。その上で、当然、英語も話せるので、本当に心強く感じています。
メジャーで勝つのは、やっぱり歴代の名選手や実力のあるプレーヤーが多いと思うので、そういうすごい選手たちの中に自分の名前が残るのはすごくうれしいことです。それと、メジャーに勝ってから、同じ組でプレーする選手の顔ぶれが変わりました。たとえば、ネリー・コルダ選手(アメリカ)はテレビで見ることのほうが多くて、同じ組になることがなかなかなかったので、一緒に回りたいなと思っていたんです。それが、メジャーに勝ったことで、彼女だけでなく、今活躍している選手や力のある選手と同じ組でプレーすることがすごく増えました。
それと、「AIG~」に勝ったことで、“いつになったら勝てるんだろう?”という不安が消えたし、メジャーに勝った選手として注目されるようになったのはいいのですが、その一方で、“下手なプレーはできないな”と思うようになりました。そういうところは優勝する前とは大きく変わったなと思います。
去年は充実したシーズンだったとお話ししましたが、100パーセント満足かというとそうではなくて、満足度でいうと80パーセントぐらい。日本での「TOTOジャパンクラシック」のあと、最終戦に向けて調子を上げられずに、最後の2試合は結果自体あまりよくなかったので……。年間ランキングで2位になれたのはうれしかった半面、あの2試合はちょっと悔しかったです。
コースが難しかったこともありますが、ショットをコントロールできなくて、バーディチャンスにつけられなかったし、ボギーも多く打ってしまって……。トッププレーヤーとはまだ差があると気づきました。もっとショットの精度を上げないといけないですし、ショートゲームのバリエーションもまだまだ足りません。
それとアメリカのツアーもコース自体長くなってきていて、やっぱり飛距離も大事だなと1年間プレーしてみて感じたので、地道にトレーニングをやって、あと5ヤードぐらいは伸ばしたい。そういう部分をレベルアップできれば優勝争いや優勝につながるはずです。
今はオフと言っても1月末にはもう新しいシーズンが始まります。あまり時間はないのですが、去年出られなかった試合に出られるのはすごく楽しみだし、開幕戦からいい状態で戦えるように、そして優勝争いができるようにしっかり準備したいと思います。
最後に、今シーズンの目標ですが、優勝するのは本当に難しいことなのですが、やっぱり早い時期に1勝したいと思っています。いつも言っていることですが、常に上位、優勝をめざします。
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