2020/06/14

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2020-03号

■「リュック型は必要最低限収納」の常識を塗り替える「大容量リュック型」を提案

ダンロップから新しい発想のラケットバッグが発売されました。テニス用バッグには「ラケット完全収納型」と「部分収納型」があり、一般に前者が『ラケットバッグ』と呼ばれます。そしてさらに、昨今のラケットバッグは大きく分けて2タイプあります。伝統的なスタイルが「背中に対してラケットを垂直に収納する」バッグで、近年に増えているのが「背中に対してフラットに収納する」スタイルで『リュック型』とも呼ばれています。

そのリュック型バッグがテニスバッグとして活用されるようになったのは「最小限収納型」としてです。最小限と言っても、ラケットだけしか入らないのではなく、ラケット2本・ウェア・シューズ・ボール・タオルくらいが入り、スクール通いやクラブでのワンデイテニスなどは十分で、スマートに背負えるタイプでした。

これは日本独自の考え方で、移動の際は必要な分だけを持ち歩くというスタイルに適していて、シンプルな生活スタイルに向いています。ダンロップ・スリクソンにも、このスタイルのバッグがありましたが、ダンロップが日本発のワールドブランドになったことで、求められるものも変化してきます。

つまり「移動収納は大容量」という欧米式スタンダードにも対応する必要があるということです。日本では……とくに近年の首都圏では、自動車を使わずに公共の交通手段を使うという生活様式が増えていますが、全世界を見渡せば、レジャーでは車で移動するのが当たり前となっています。

そこでダンロップでも、そのスタイルに適応するため、「十分に余裕のある収納力」を備えたバッグをラインナップすることになりました。リュック型ラケットバッグは、そもそも登山リュックをテニス用にコンパクトにしたような印象がありましたが、登山リュックとしても使えそうな、……そう「先祖返り」とも言える大容量リュック型【DTC-2070 ロングバックパック】を提案します。

ダンロップが世界に提案する新型リュック型バッグですが、基本的には「ラケット2本収納」として、背中に接する面に専用スペースを設けてあります。ただ、もっとたくさんのラケットを入れることも可能な、超大型メインスペースを備えてあるのが特徴です。
最近のラケットバッグは、メインスペースが区分けできるような仕切り板が内蔵されているものが多くなっていますが、すべてのバッグがそれでは面白くありません。なかには「メインルームにはドカーンとなんでも入るぞ!」というのがあっていいでしょう。いわば「大型ワンルームスタイル」です。

メインルームにはあえて細かな仕切りを設けず、自由になんでも入る構造にしました。トップのフラップを開くと、巾着型のカバーがあり、たとえ逆さになっても内蔵物がこぼれ落ちることがなく、開け閉めが簡単。それを開くと、内部はズドーンと大きな収納スペースです。

多くのリュック型は、背中からの厚みを抑え、スマートに背負える造りになっていますが、ダンロップの【ロングバックパック】は十分な厚さがあり、かなりの収納力があります。しかも、そんなに多く入れない場合は、左右のストラップを調整することで、厚みを抑えて背負うこともできますから、「大は小を兼ねる」と言えます。

もちろん、底部にはシューズ収納スペースがあり、トップフラップには大型ポケットが内蔵。正面には3つのスリットポケットが組み込まれ、両サイドにペットボトルも入るメッシュポケットも設置されています。そして、こんなに充実しているのに、全体重量はわずか1.2kgと軽量。

落ち着いたデザインは、どこへ持ち歩くにも自然で、コンパクトにも、大型収納としても使うことができるバックパックは、会社帰りにそのまま2泊3日のテニス合宿へ向かうにも、とても便利に機能する多機能バッグです。
製品の詳しい内容は下記をチェックしてください!
https://sports.dunlop.co.jp/tennis/products/bag/dtc2070.html

いつもの年ならば、テニスコートが自分を呼んでいるかのように感じる季節のはず。多くのテニスファンがコートに出たくてウズウズしていることでしょう。でも今は、我慢のときです。感染を恐れつつ、ずっとモヤモヤした気持ちでコートへ向かうよりも、すっきり不安を吹き飛ばしてから、晴れ晴れとした気持ちで爽快なテニスを楽しむため、今はとにかく外出を控え、悪魔が去るのを待つことにしましょう。

今回は、この空白期間を利用してラケットのチェックをしてみましょう。チェックというか「ケア」ですね。通常でのケアというと「ストリングの張り替え」くらいしか思い付かないでしょうが、この機会にもうちょっと踏み込んでみましょう。

まず、ラケットの「グロメット」に注目してください。グロメットというのは、カーボン製のフレームにあけられたストリングホールに挿し込まれているハトメ状の「樹脂パーツ」です。ストリングが直接フレームに触れてしまうと、ストリングが傷付いて簡単に切れてしまうため、それを防ぐためにあります。

またストリングが通るルートに沿って、グロメットをつなぐ樹脂パーツがフレームの外周に装着されています。これを「グロメットスリーブ」と呼びます。ストリングを守るはずのパーツですが、ちょっとした異常によってストリングを傷付けてしまうことがあります。

その大敵が「砂」なのです。砂入り人工芝では、砂とうまく付き合いながらプレーしなければなりません。ラケットがコートに接触すると、砂の細かい粒が、グロメットとストリングとの間に挟まってしまうことがあります。これがストリングを傷付け、突然に切れてしまう危険を呼ぶのです。

「まさか、そんなことで……」と思うかもしれませんが、ストリングはつねに「20kg」以上の力で引っ張られ、個々のグロメットに大きな負担がかかっています。その状態でストリングに小さな傷が付くと、その傷をきっかけに断裂が起きてしまいやすくなります。

ですからまず、ストリングとグロメットの間に砂が挟まっていないか、念入りに確認してください。もしも発見したら、先の尖ったもので、丁寧に砂を取り除きましょう。ただし! 先端が絶対にストリングに触れないように細心の注意を払いながら行なってください。自分でストリングを傷付けてしまっては元も子もありませんよ。

次に、グロメットの筒の中をチェックしましょう。もしも砂が詰まっていたら、まず自分で除去してみてください。それがむずかしかったら、そこにテープなどを貼ってマーキングし、ショップがオープンしたらすぐに持参して、ストリンガーに見てもらい、必要な処置をしてもらいましょう。

それから、ほとんどすべてのラケットの先端には、バンパーガードが装着されています。これとフレームの間にも、砂が挟まりやすいものです。ここもちゃんとチェックしましょう。砂詰まりを発見したら、やはり先の尖ったもので取り除いてください。そのまま放っておくと、フレームの中空内部に砂が入ってしまい、振るたびにカラカラ音がするトラブルにつながるかもしれません。

またバンパーやグロメットが欠けていたりすることもあります。樹脂は時間の経過や紫外線によって硬く脆くなりますから、そういうときには思い切って「バンパー&グロメット交換」に踏み切りましょう。

現代のラケットは、ほとんどすべて「機種ごとに専用のバンパー&グロメット」となっているため、非常に多種のバンパー&グロメットがあり、すべてがショップに在庫してあることはなく、主要モデルを除いてはメーカー取り寄せとなることが多いですから、事前にストリンガーに依頼して、自分のラケットのバンパー&グロメットを取り寄せてもらい、ストリング張り替えのタイミングで交換してもらいましょう。こうした細かいケアが、自分のラケットを長く上手に使うコツです。この機会にもう一度、自分のラケットを細かくチェックしてみてくださいね。

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップ・スリクソンメンバーズテニス」のサポーターも務めてもらっています。