住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングでは、ダンロップテニスシューズのハイエンドモデル【LAUNCHARGE(ランチャージ)】2モデル4タイプをラインナップします(21年1月中旬発売予定)
先に発売したスピード系モデル【アクティベクター】と、この高安定系モデル【ランチャージ】が並ぶことで、ユーザーの選択肢が大きく広がることとなります。
ダンロップラケットは、多くの本格的プレーヤーに愛用されています。彼らの力強いフットワークを支えるためには、本格的な「高安定系モデル」の必要性を感じ、ダンロップはその開発に取り組んでまいりました。
今回発表した【ランチャージ】では、プロのフットワークでも安心して踏み込み、力強く蹴り出すことができるよう、足の動きに対して繊細に追従するアッパーと、踏み込み・蹴り出しにおける足&シューズの捩れを適切かつ的確にコントロールすることが、開発における最大のテーマでした。そして完成したのが、新システム『DUOEDGETM(デュオエッジ)』なのです。
プレーヤーが強く踏み込むとき、足はシューズの中で外側へ流れていこうとします。同時に、足首は外側へ倒れていき、過度に倒れると「捻挫」することになります。ですからテニスシューズは、外へ流れ、倒れようとする足を支えてあげる機能を備えていなければなりません。
そのために設けられたのが『ツインシャンク構造〜その1』です。【ランチャージ】のミッドソールの中足部外側は足の形状に合わせて丸みを帯び、足を包みます。そのためミッドソール部には凹みができますが、ここに2つのクサビが縦に打ち込まれ、足が必要以上に外側へ倒れないようにしっかりと支えます。
しかしそのままではクサビによって、蹴り出す足に必要な「内側への捩れ」を妨げることにもなるので、2つのクサビにスリットを入れて上下に切り離し、外側へ倒れようとするときはスリットが閉じてガッチリ支え、内側へ捩じれようとするときはスリット部が開いて自由に動くように設計したのです。
さらに中足部内側〜つまり土踏まず部分には「y」の字を上下対で逆さまに組み合わせたようなものが装備されています。これが『ツインシャンク構造〜その2』で、足が外へ倒れようとするときは「y」の脚の部分が上下で噛み合って、それ以上倒れていかないようにロックします。逆に、蹴り出す際の内側への捩れに対してはロックが開き、自在化するのです。
この「その1+その2」が合わさって『ツインシャンク構造』を構築し、高い安定性を実現しながら、必要な自在度を確保するわけです。従来はミッドソール下に装備する「TPUシャンク」だけでカバーしてきた「捩れ制御機能」ですが、TPUシャンクはシューズを重くします。【ランチャージ】では、ミッドソールに「構造的」な機能として配置することでシャンクを軽量化し、その分を他所での安定性強化に分散配置したのです。
このように【ランチャージ】からはゴツいTPUシャンクが姿を消し、前足部・蹴り出し部のミッドソールに特殊なスプリング機能素材を埋め込んだ『InnerBlastTM(インナーブラスト)』が採用されています。
それを支えるためには、屈曲部にもっと大きなバネが必要になりますが、仮に「I」型だったとすると、屈曲に対するバネが弱すぎます。ここは2方向へ分岐させることで屈曲部に2本のバネを配置することができます。さらに2本分岐形状によって、バネは「線から面へ」と広がり、バネプレートのミッドソール内蔵状態を安定させ、屈曲に対して非常に強いプレートとなるのです。これらを組み合わせた結果として生まれたのが、この「K」型プレートで、形状的に重要な意味を持つわけです。
最後に注目していただきたいのが「ソールパターン」です。【ランチャージ】では「オールコート用」と「オムニ&クレー用」の2タイプを用意。究極のハイエンドモデルを目指して、それぞれのサーフェスでのグリップ特性を再検討し、新しいソールパターンを組み上げました。
足裏のスライド&グリップ特性を、複数部分に分割して検討し、各部での接地〜スライド〜グリップ〜蹴り出しが理想的に機能するようにパートごとに設計。それらを結合して組み上げたのが、この新ソールパターンなのです。細かい各部の機能特性は、図にある書き込み説明をぜひご覧ください。
オールコート用ソールのメインパートは、みなさん見覚えのある「ヘリンボーン」と思われるでしょうが、じつは単純なヘリンボーンではなく、巧妙なギザギザ設計によって微妙な角度方向それぞれに対するグリップ性能をカバーします。これは「雑な仕上がり」ではなく「計算された乱れ」なのです。
オムニ&クレー用のソールパターンは、ただ単にグリップ力が強いほどいいわけではありません。着地時にスライドすべき部分を想定し、スライドすべき方向へのみスライドさせ、蹴り出す方向に対して強力にグリップ力を発揮するように設計された「三ツ矢型スタッド」が、各部に最適化された状態で配置されているのです。
もしショップの店頭で【ランチャージ】をお見かけになったら、ぜひソールパターンもじっくりとご覧ください。
左腕に筋肉痛を感じ始めたのが2カ月前。とくに酷使するわけでもない左の前腕部が、意味不明に痛い。前腕のいちばん大きい筋肉である「腕橈骨筋」がとくに痛いです。症状としては筋肉痛そのもので、最初は「キネシオテープ」などで対処していましたが、痛みはますますひどくなって、それがしだいに左肩〜首の後ろ〜右肩〜右上腕部に違和感が連鎖して、ついには右前腕が痛みだし、いつしか左よりも強い痛みを感じるようになりました。
なんだか身体の中に悪いものがいて、それが徐々に左腕から右腕へと移動していくような妄想に取り憑かれます。……いや、「移動」というより「拡散」でしょうか。だって相変わらず左腕も痛いままです。しまいには手の甲がシビレ、さらにはビリビリと痛みだしました。極度の病院嫌いの筆者も、さすがに医者に診てもらわなければならないなと感じたわけです。
でも、何科ヘ行けばいいのかわからない……。当初は整形外科も神経科もある地元の市立病院へ行こうと思っていましたが、調べてみると、市立病院なのに「紹介状を持ってきて」と高飛車な態度。紹介状がなければ、朝9時から午後5時まで待合室にいることになりそうです。しかたなく、とりあえず○○整形外科診療所を訪ねてみました。
そこで問診と、両腕・肩・首のレントゲン撮影を済ませ、医師先生の診断をドキドキしながら聞きます。もしや悪い病気で「××大学病院へ行きなさい」と言われたらどうしよう?
ところが医師先生の口から発せられたのは意外にも
「これはねぇ、テニスエルボーですね。正確には上腕骨外側上顆炎といって……」
知っとるわぁ〜っ! こちとらテニス専門誌時代に何度も特集を組んできたし、原因から対処法、治療法まで熟知してますって!
これまで何度もそれっぽい症状を体験してきましたから、いまさらアンタにテニスエルボーのなんたるかを講釈されんでもいいのよ。
でも、こんなに痛いのは初めてです(涙)。
「箸も持つことができなくなる」と言う人がいて、「そんなわけないやろ」って思っていましたが、マジでスマホさえつまみ上げることができないんです。「握る」はまるで平気なのに「つまむ」で激痛! 力が入らない……
診療所で痛み止めと消炎剤、そして湿布の処方を出してもらいました。ビックリしたのが湿布の進化です。湿布というと、あの白くてすぐ剥がれちゃう膏薬っぽいのをイメージしちゃって「んなもん気休めだろっ」くらいに思っていましたが、もらった湿布薬は痛み止めのロキソニン系薬剤が入っていて、貼ったとたんに沁み込む沁み込む。キクゥ〜って感じですし、超伸縮の基布が皮膚にピターッと吸い付いて、まるで剥がれません。
いちおう飲み薬と湿布で、ひどい状態は脱したのですが、まだ治りはしません。血管の異常や他の既往症があったりすると重症化しやすいとも言われています。とくに腕に負荷のかかる運動を続けると、一生かかっても治らないのがテニスエスボーです……と、何度も雑誌記事に書いてきました。
だけど、こんなに痛いとはねぇ〜。自分がこうなって感心するのは「かなりの重症なのにテニスを休まない人たちがゴマンといる」ということです。信じられないですよ! テニスをしなくたってこんなに痛いのに、テニスどころじゃないでしょ! でも筆者の知り合いのエルボー持ちたちは、みんなビョーキみたいにテニスが好きでした。
今後は、痛み止めを飲みながら、超音波治療などのリハビリをしていかなければなりません。しかしながら、たった10分程度のリハビリのために、診療所へ通ち続けるほどヒマではないのです。いっそのこと、超音波治療器を買ったろうかなと思うくらい!
買えんけど……。
松尾高司氏
おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。