2023/03/31

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2023 3月号

住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、テニスを中心としたラケットスポーツを展開し、ダンロップをご愛用くださるテニスプレーヤーのために、「ご満足いただける製品を届けたい!」「快適なテニス環境を整えるお手伝いをしたい」という心で、あらゆる製品を取り扱っています。今回は春直前、紫外線が気になる季節へ突入ということで、キャップとアンダーウェアの紹介です。

「紫外線」というと、どうしても真夏のイメージが強いと思います。たしかに7月・8月に紫外線量はMAXになるのですが、環境省の「紫外線環境保健マニュアル」によれば、「季節別紫外線UVB照射量と年間照射量に占める割合」について、日本のどの地域でも「4月〜9月」で年間の7割にもなると報告されています。

7月・8月は、真夏の太陽からの紫外線ブロック意識は高まるものですが、意外にケアの意識が低いのが「4月・5月」です。肌で感じにくいだけに、気付かないうちにジワジワと紫外線が突き刺さり続けます。とくに女性プレーヤーは、春から、いやもう「今から」紫外線対策を考えたほうがいいですね。

ダンロップでも、そうしたケア意識の高い女性プレーヤーに向けたニュー・アイテムを用意しました。まず新登場するのが【キャスケットキャップ】です。バリバリの女性プレーヤーがカチッとした感じの【キャップ】を被っていると、いかにも強そうでカッコいいのですが、ゆったりテニスを楽しみたい方には、柔らかい感じのキャップがお似合いかと思います。

ダンロップにもそんな要望も多く寄せられ、そこから生まれた発想で「バイザー」と「バンダナ」を組み合わせたような【キャスケットキャップ】を作ってみました。いろんな色柄でオシャレな同タイプ商品もありますが、ダンロップ愛好者は、やはり「マジテニス系」競技者も多く、シンプルさが求められます。

そこで、あえて「ホワイト」「ブラック」の超シンプルラインナップにしました。機能的には「長めのブリム」(ツバ、ひさしとも言います)です。顔を紫外線から守り、眩しさを防ぐのにも、「長さ・8cm」のブリムは嬉しいですね。

【TPH5310W ホワイト】

【TPH5310W ブラック】

また、このブリムは適度に柔らかく丸みを帯びていて、バッグの中などで変形しても、取り出せばすぐ元に戻る素材が使われているため、あまり気を遣わなくていいのも便利さがあります。

そしてカチッとした「前立て」。前立てというのは、おでこから上の前面部で、ここが通常のキャップのようにちょっと硬めにできていて、精悍なイメージを演出します。頭頂部をカバーする部分は「クラウン」と呼ばれますが、ここはあくまでソフトにフワッとしているので、ヘアスタイルに干渉しないのがキャスケットの特徴。通気性もよく、ムレにくくて快適です。

また、ロングヘアの女性プレーヤーの多くは、キャップを被るときにポニーテールにまとめてキャップから出すので、そこを思い切って大きくカットすることで、キャップの着脱をしやすいようにしてあります。

もちろん【キャスケットキャップ】は、日本女子テニス連盟(通称:女子連)の試合にも問題なく着用することが許されていて、「服装規定」という問題も完全にクリア。

とはいうものの、ただただシンプル無地だと「=地味すぎ」ということになってしまうので、多くの方から希望を伺って採用したのが、「ブリム」に埋め込まれた「ラインストーン」です。シンプルながらもキラッと光る「何気ないオシャレさ」を演出しました。ダンロップロゴは、控えめな大きさのシルバー刺繍。
今年のダンロップは「シンプル&粋」です!

詳しい製品情報は下記よりチェック!
TPH-5310W キャスケットキャップ

最近では、とても多くの女性プレーヤーが「アンダーウェア」を着用するようになりましたが、アンダーウェアは大きく分けて「機能系アンダーウェア」と「UVカット系アンダーウェア」があります。

男性プレーヤーは「機能系アンダーウェア」を選ぶことが多いですが、女性プレーヤーが着用する大半は「UVカット系アンダーウェア」です。ダンロップでも従来から多彩な「UVカット系アンダーウェア」を用意してきましたが、そのほとんどが「タイトでピチッとフィット」というものでした。

「あら…スマートな方ならばお似合いだけどねぇ〜」とおっしゃる方のために、ダンロップでは「ゆったりフィットタイプ」の【UVカットアンダーウェア TAC-8301W】を発売します。

【TAC-8301W ホワイト】

【TAC-8301W ブラック】

既存モデルはフィット性が高いので「脇下にメッシュ」部分を作って通気性を確保していましたが、新作はゆったりフィットなので汗による動きにくさもなく、オールシーズンで多くの女性プレーヤーに着用していただけます。

また「ハイネック仕様」は、襟巾(襟の高さ)は「13cm」とかなり長めにとってあり、そのままなら首の上までUVブロックし、ちょっとクシャッとオシャレっぽくもでき、また二つ折りにして着用することもできて、着用スタイルは自由。

袖には「やはり要望が多かった」ということで、左手袖先部分に「四葉のクローバー&ハート」のモチーフがアクセントになっています。四葉のクローバーは「四つのハート」の組み合わせになっており、チラッとワンポイントで女性らしさを魅せました。

これまでのアンダーウェアの窮屈な感じから抜け出した「ゆったりフィット」、ぜひこれからのUVケアの準備に加えてみてください。

詳しい商品情報は下記よりチェック!
TAC-8301W 【レディス】UVカット アンダーウェア(長袖ハイネック)

かつてテニスは『優雅なスポーツ』と認識されていました。……といっても、まぁ「1970年代」までですけど。テニスの起源を辿っていくと紀元前にまで遡ると言われますが、あまりに「原型」過ぎて、現代のテニスとは結びつきにくいです。

テニスが「それっぽくなって流行った」のは、18〜19世紀のヨーロッパ貴族の「宮廷内遊戯」として。そんなところから「テニスは身分の高い方々が楽しむスポーツ」でした。現代テニスの素は、1873年に英国のウィングフィールド大佐が、それまでバラバラだったルールをまとめ、道具と一緒に特許を得た「スファイリスティキ(shpairistike)」が、中流家庭のホームパーティなどで楽しまれる遊戯として発展したのです。

その後、日本にも「家に引き蘢りがちだった駐留外交官夫人たちの交流」として、コートが作られ、優雅なテニスが始まりました。そこから日本人上流層でも楽しまれるようになりましたが、すべて輸入品だったテニス道具がめちゃくちゃ高価でしたし、テニスコート自体が稀少でしたから、そんなに広まることは……。

そんな一部の上流層子女の「嗜み」であった「庭球」ですが、天皇皇后両陛下がテニスをきっかけに知り合われてご成婚されたことで、「テニスはロイヤルスポーツ」と評判になり、1960年頃から日本テニスの第一次テニスブームが始まりました。

それでもまだテニスは「上品なスポーツ」のイメージが強かったですね。ナチュラルガットとボールとの軽く乾いた打球音が、避暑地の樹々の向こうから聞こえてきます。純白のシャツやドレスを纏った男女が、優雅に白いボールを打ち合う姿。ラケットはもちろん木製。その様子は、まさに「遊戯」。勝負に拘り、ガツガツ打ち合う人などまったくいません。ラリーを繰り返すことが楽しく、あくまでその延長線上に「ゲーム」があったのです。

1980年代に入り、世界的な大テニスブームが巻き起こり、「パワーテニス」の時代が到来します。大きなスタジアムに大観衆が詰めかけ、ボールの行方に全視線が集中します。
静けさに包まれたコートには「テニスシューズがサーフェスの上を擦る音」「選手の息づかい」「ボールを打つ瞬間に漏れる小さなうめき声」。

それらのすべてが『テニスの音』でした。
どんなに大きなスタジアムでも、プレー中は「しぃーん」と、無音に包まれ、それがなんとも言えない緊張感を生みます。

プレーヤーは、ポイントが決まった瞬間、割れんばかりの拍手と歓声に呑み込まれるのです。「静寂と歓声」のギャップに、観衆は独特な興奮の波の中へ誘われました。
今日でも YouTube などで、'80年代当時の動画を見る機会が多くありますが、当時の試合を観ていると、試合中に声を発するプレーヤーはいませんでした。せいぜい、サーブを打つ瞬間に漏れる「ウッ」という呻き声が聞こえるだけです。ゲームは、静かに冷静に進行しました。

それに対して昨今のテニスコートの賑やかさったら、スゴいですね。「呻き声」は「唸り声」となり、「ウォッ」だの「ヴェー」だの……もうほとんど「絶叫」です。しまいにゃラケットをコートに叩き付けてブチ折る始末。

そうしたことが、テニスという世界から、かつてスタジアムを包んでいた『品』や『格式』というものを、かき消してしまっています。あの雰囲気をご存じない方からは「上品ぶるんじゃねぇっ!」と言われるかもしれませんけどね。

「自然に漏れる力強さの音」ならば致し方ありませんが、あんなに大声で叫ぶ必要があるんでしょうか? まるでボールのことが憎くて引っ叩いているように見えちゃいます。
声を出すことで、発揮できる力を大きくするという効果もあるでしょうが、他のボールスポーツで、打つ瞬間に大きな声を発するものがあるでしょうか。野球、ゴルフ、サッカー、卓球、バレーボール……、みんな「その瞬間」だけは無音でプレーします。声を出すのは練習のときですよね。

いまのテニスでは、唸り声・掛け声・叫び声はあたりまえになってしまっています。打球音自体が鈍く、まるで爆裂音になってしまっているので、その音を楽しみたいわけではありませんが、「静けさ……からの歓声」が、いかにテニス観戦の気分を高揚させてくれるものであるか、プロ選手たちにも心得てもらいたいですね。

「勝って賞金を手にするべく戦うのがプロ」ではありましょうが、その賞金は、観客に素晴らしいプレーを見せることで集まったお金です。
「プロテニスプレーヤーとはどうあるべきか?」を、テニス界全体で考えていきたいですね。

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。