2023/04/30

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2023 4月号

住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、テニスを中心としたラケットスポーツを展開し、ダンロップをご愛用くださるテニスプレーヤーのために、「ご満足いただける製品を届けたい!」「快適なテニス環境を整えるお手伝いをしたい」という心で、あらゆる製品を取り扱っています。今回はツアープレーヤーが移動するときに使用する「大型キャスターバッグ」の紹介です。

ダンロップのWEBカタログをご覧になったとき、「私たち一般プレーヤーには縁がないわ」と思われる最たるものが【DTC-2110 キャスターバッグ】だと思います。最近では「ラケットバッグでさえ大きすぎるかも」という傾向ですから、こんな大きなバッグに目を留める方はいらっしゃらないでしょう。

でも「へぇ〜、こんなのもあるんだ」と知っていてほしいのです。ダンロップには数多くの契約プレーヤーがいて、彼らは海外ツアーを転戦したり、武者修行のために毎週連続で国内の都市を飛び回るプレーヤーがいます。そのときに必要なものは、ラケットやシューズのテニス道具だけではなく、トーナメント生活に必要なものすべてであり、彼らはそれを持ち歩かなければならないのです。

それには、いわゆる一般的な「スーツケース」では、まるで役に立ちません。大きなスーツケースを2個も3個も運ぶわけにもいきませんし、だいいち「ラケットが入らない」じゃないですか(多くのプロ選手は、ラケットは12本入りラケットバッグで携行しますが……)。

そうしたプレーヤーを数多くバックアップするダンロップは「それ一つで、海外転戦に必要なもののほとんどを運ぶことができる超大型のバッグ」を作っています。一般プレーヤーの方に多く買っていただけるものではありませんが、それを提供するのは「契約メーカーとしての務め」と考えています。

厚さ:35cm、高さ:78cm、容量はなんと約95リットルという大型バッグの移動には、キャスターが必要であり、そこから【キャスターバッグ】と名付けられていますが、ほとんど「動く衣装ケース」です。一般的なスーツケースの2倍くらいはあるように思います。

よくスーツケースの大きさと旅行日程の関係について「2~4泊は30~45リットル、3
~5泊は46~60リットル一週間前後なら61~80リットル、10日以上なら81リットル以上」などと言われますが、プレーヤーは、シューズや練習着、張り替え用のストリング・リールなど、かさばるものが多くありますから、一週間で95リットルで足りるかどうか……という感じでしょう。

実際にこの【DTC-2110 キャスターバッグ】を目の前にすると、ものすごくデカいと感じますが、ツアープレーヤーとっては、最低限これくらいは、どうしても必要なバッグなのです!

そうした超デカキャスターバッグですが、じつは細やかな機能が搭載されています。まず重量級荷物の「移動のため」に必要なキャスターです。【DTC-2110 キャスターバッグ】に装着されているキャスターは、街で見かけるキャスターケース、いわゆる「コロコロ」のものとは比較にならないほど「デカい」です。

一般キャスターでもっとも多いのが「直径4cm」くらいと言われていますが、これには「直径9cm」という巨大キャスターが取り付けられているのです。直径にして「2倍以上」のキャスターは、それだけで迫力があり、超重量級バッグを移動させるには、このくらいのものが必要だ!ということなんです。

2輪タイプの超大型キャスターは、走行安定性が高く、振動が少ないために騒音も少なく、重いバッグを滑らかスムーズに動かすことができます。

次に注目していただきたいのが、「ハンドリング」の工夫です。小さなスーツケースでも、クルマや飛行機に積む際には「横置き」になります。普通のサイズならば横置きにするのは簡単ですが、これだけ大きいバッグは片手でヒョイというわけにはいきません。まずキャスターハンドルの他に、バッグ上部にもう一つハンドルがあり、これを持ってバッグを支えながら倒してやる必要があります。

そして「横置きのまま運ぶ」というシチュエーションでは、バッグを一周するベルトが2本、取り付けられていて、(横置きにしたときの)上面側にそれぞれハンドルがセットされていますので、横置き状態で移動させるときは、両手でこのハンドルを持ち上げることができます。

また底部には、スタンド兼用のハードハンドルが付いていますので、荷台に積んだりして上下に持ち上げる場合には、片方の手でこれを持ち、もう片方の手で上面のハンドルを持つと楽に持ち上げることができるようになっています。

空港やクルマ待ちのときなど、ほとんどがバッグは立てた状態で置かれます。このときに必要なものを取り出しやすいように装備されているのが「前面上部のファスナーポケット」。2段式のポケットは、上部ポケットは「深さ16cm」であり、頻繁に取り出す機会の多い小物類を入れておくのに便利です。横に立ったとき、すぐに手が届くのがこのポケットです。

ダブルファスナー構造になっていて、フルオープンにもなりますが、上側だけが開くポケットとして使えます。また内部にはもう一つのスリットポケットがあり、カードやチケットなどを入れておくのに便利です。

2段式の下のポケットは、大型の深さ31cmのスリットポケット。A4サイズのクリアファイルが縦にすっぽり収まるので、必要な書類であったり、雑誌などを入れておくこともできます。

また上面には「ネームカードホルダー」が付けられているので、自分の荷物であるかどうかを確認するのに便利です。日本で一般的な「90mm×55mm」サイズの名刺がちょうど入る大きさです。

そして肝心なバッグの内部ですが、まず2本のベルトの大型バックルを外して、ファスナーを開けて上下ルームを開き、両面フルオープンにします。すると片面は全面が1ルームになっていて、ラケットも入るサイズの大きな収納部になっています。またその底の中央部にファスナーがあり、これを開くとキャスターハンドルの収納部による凸凹が現われるので、凹んだ部分にタオルや衣類などを詰めておくと、上ルームのそこがフラットになり、収納がしやすくなるでしょう。

そして反対側の片面ですが、こちらは3つのコンパートメントに分かれています。それぞれが幅25cmの部屋になっていて、ファスナー式のメッシュカバーで閉じられます。固定式ルームですので、バッグ内部で移動してしまうことがなく、シューズやウェアなど、明確に分類して収納することができます。

バッグ内の上下両面に荷物をフルに入れて、バッグ全体を閉じると、その厚さは「35cm」にもなります。簡単に想像がつかないかと思いますが、これはスーツケースなどではありえない「かなりの厚さ」です。ダンロップは、そんな荷物を携えながらツアーを転戦するプロプレーヤーたちの役に立てるようにと考えて、こうした製品も送り出しています。
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現在のグランドスラム大会のサーフェスは、豪:ハード、仏:クレー、英:芝、米:ハードというバリエーションで構築されていますが、かつては全仏だけがクレーで、あとの3大会すべてが天然芝のコートでした。

全米オープンは、いまでこそハードコートの象徴みたいな印象がありますが、1974年までの会場である「フォレストヒルズ」は天然芝で、1975年からは玄武岩が変性した緑色片岩を砕いて粉にして敷き詰めた「ハートゥルー」という緑色のクレーコートになり、1978年からは現在のフラッシングメドウに会場を新設し、サーフェスもハードコートへと変更されました。

また全豪オープンも1987年までは、メルボルンの「クーヨン」の天然芝でしたが、翌1988年に、現在の「メルボルンパーク」にあるナショナルテニスセンターに移ったのです。

全仏オープンは今日『ローランギャロス』とも呼ばれていますが、これは世界初の地中海横断飛行を成功させたフランスの英雄的パイロット『Roland Garros』氏に因んだ名です。また『ウィンブルドン』は地名ですが、『ローランギャロス』は「会場施設自体に付けられた固有名詞」なのです。

ちなみに『ローランギャロス』と呼ばれてはいますが、「d」「s」を発音しないことが多いフランス語では、末尾の「ス」を発音せず『ローランギャロ』となりますが、その名前がいつしかいろんなところで使われるようになったため、わざと「ス」を付けて固有名詞感を強くした……という説もあります。

事実、ダンロップでは1990年代前半に『ローランギャロ』というブランドも手掛けており、「ス」は付いていません。まぁ発音について厳密に言うなら、フランスのみなさんは『オーランギャオス』あるいは『ホーランギャロス』って発音してますよ。

それはさておき、1891年に誕生したフランス人だけの国内大会である「フランス選手権」は、1925年には外国人も参加できる「フランス国際」になり、そのタイミングで『ローランギャロス』に定着しました。また四大大会で初めてプロの参加も認めたのも、1968年の全仏がもっとも早かったわけです。その後、一気にオープン化の波が押し寄せます。

先に「全米はかつて緑色のクレーだったことがある」と話しましたが、全仏はおなじみの「レッドクレー」。日本の普通のクレーコートは、硬い粘土質でカッチカチ。その上に砂を撒いちゃったりしますから、「はい、滑ってくださーい」と言われてるみたい。今では数少ない「日本の優れたクレーコート」は、よく整備されて、水はけもよく、しっとりした美しいものですが、もはやめったにお目にかかることができなくなっちゃいました。「クレー:Clay」を直訳すると、まさに「粘土」なわけですが、欧米で使われる意味としては「粘土を焼いたもの」という概念だと思います。

そうそう、メディアでは、よくレッドクレーを「赤土」なんて言いますけど、あれは「土」じゃないんですね。高温焼成した赤レンガを細かく粉砕したものを敷き詰めているんです。だから赤いわけですが、あれはそもそも『アンツーカー』という商標で作られた「全天候型サーフェス」素材なんです。

フランス語で「晴雨兼用傘/どんな場合でも」を意味する『en tout cas』で、「どんな天候でも使用できることを指しています。「いやいや違うでしょ」という人がいると思いますけど、雨が降るとすぐに使えなくなる「天然芝」に対して「全天候」ということだったんじゃないかしら。

今日では、赤レンガ粉の代わりに「多孔質焼成土」というのが使われていることもあるようで、普通の土よりも粒子が粗く、粒子それぞれにあいているミクロの孔が水を吸ってくれるため、コートサーフェスに水溜まりができにくく、「水はけの良いサーフェス」ができるというわけです。

これからヨーロッパの各地で、全仏オープンに向けた「クレーシーズン」が始まります。春から夏へ向かうパリは、明るく輝き、『ローランギャロス』はブローニュの緑に包まれます。もしもパリへ行くことがあったら、ぜひ地下鉄で、いろんなところへ行ってみてください。パリの地下鉄を使いこなせるようになった瞬間、とても「自由な気持ち」になれますよ!

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。