2023/05/31

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2023 5月号

住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、テニスを中心としたラケットスポーツを展開し、ダンロップをご愛用くださるテニスプレーヤーのために、「ご満足いただける製品を届けたい!」「快適なテニス環境を整えるお手伝いをしたい」という心で、あらゆる製品を取り扱っています。今回はダンロップが新しく手がけるシューズブランド「K-SWISS(ケイ・スイス)」の紹介です。

テニスが世界的大ブームを迎えた1980年代…… テニスウェアやテニスシューズは「テニス」という枠を飛び出し、ファッションアイテムとなりました。2人のスイス人がシューズメーカーを作る夢を持ってアメリカに渡って生み出したシューズは、甲を包むように巡る5本線がブランド・アイデンティティーとなったのでした。

世界的大ヒットとなり、日本でも「高級感があり、もっともオシャレなスニーカー」として若者たちの足元を飾りました。その後、あらゆるテクノロジーを組み込みながら進化した『K-SWISS』の歴史を振り返りましょう。

それはキャンバス地のテニスシューズが当たり前だった時代、『K-SWISS』は革新的なオールレザーというコンセプトで、1966年にアメリカのカリフォルニアで誕生。激しいプレーの連続でもシューズの皮が伸びないように作られたものでした。

当時キャンバス地が普通だったテニスシューズ業界において、オールレザーのシューズは衝撃をもって迎えられ、話題となりました。人気の「K-SWISS CLASSIC」をはじめとし、日本では、レザースニーカーと言えば『K-SWISS』というくらいの知名度です。

『K-SWISS』は、スキーとテニスの愛好家であるスイス人「ブランナー兄弟」によって創られました。「自分たちが満足できるテニスシューズを創りたい!」という夢を抱いてカリフォルニアへ渡った兄弟は、自分たちのオリジナリティを表わすため、創業地カリフォルニアのドイツ語綴り ”Kalifornia” の頭文字と 兄弟の母国であるスイス(SWISS)を組み合わせて、『K-SWISS』というブランド名を選んだのでした。

キャンバス製アッパーだったテニスシューズに対し、オールレザーアッパーで作られたテニスシューズは、テニスシューズの世界観を一変させました。彼らがアッパー素材として選んだのは「フルグレインレザー」です。

一般に「グレインレザー」はスムーズレザーに薬品や型押しなどによる加工によって人工的に「シボ加工」したものを指します。いっぽう人工的ではなく、素の状態でシボがある皮革を「フルグレインレザー」と呼びます。ただ、フルグレインレザーという呼び名を深く調べると「ジェニュインレザー」というワードが浮き上がってきます。

これは「ジェニュイン(Genuine)=本物の」という意味で使われ、本革(天然皮革)のことを指すため、ここでの「フルグレインレザー」は広義で「高品質な本革」に対して使われていると考えるのが妥当でしょう。甲被すべてが厚い本革で、キャンバス製に比べて圧倒的に剛性感が高く、形崩れしにくい『K-SWISS CLASSIC』は、「耐久性に優れている!」と評判になります。

さらに、甲をグルッと巻くように配された「5本ライン」が機能的特徴であると同時に、ビジュアル・アイデンティティーともなりました。もともと堅牢な天然レザーアッパーに加えて、それを包む5本ラインのそれぞれが、「Dリング」を介して直接にシューレースと繋がることで、激しくサイドへ踏み込んだときにも横ブレしない高い安定を実現しました。この独創的な『K-SWISS CLASSIC』は、世界中のプレーヤーから絶賛され、現在ではスニーカーのロングセラーモデルとなっています。

1990年代に入ると1993年には、当時の人気モデル『Si-18』が、『フットウェア・ニュース』誌の「シュー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、『K-SWISS』の知名度はさらに高まっていきます。

1990年代の後半には、トッド・ウッドブリッジ&マーク・ウッドフォードが『ウッディーズ』として、 ウィンブルドンダブルス5連覇を含む6度の優勝。全豪で2回、全仏で1回、USオープンで2回、トータル11個のグランドスラムタイトルを勝ち取りました。そんな彼らの「俊敏なフットワーク」を支えたのが『K-SWISS Si-18』だったのです。

オールレザーというコンセプトで、テニスシューズに革新をもたらした『K-SWISS』は、 シンセティック素材が主流となった近年も、変わることなく、現代テニスに対応した革新的なシューズづくりを行なっています。

2010年にはフランスのトップ選手の名を冠したシグネチャーモデルを発表。
2021年には、F.フォニーニ選手(イタリア)や、C.ノリー選手(イギリス)をはじめ、 ATPとWTAの多くのツアープレーヤーをサポートしています。彼らのフットワークを支える『K-SWISS』の高性能さは、ブランドの象徴でもある機能的ビジュアル「5本ライン」はこれからも受け継がれていきます。

Express Light 3
ヨーロッパにおけるケイ・スイスのベストセラーシューズのひとつ。 フィット感や快適性をはじめ、サポート性に優れた軽量オールコートモデル。

◎ホワイト×ターコイズ (23.0~25.0cm)

◎ホワイト×ブルー (25.5~28.5cm)



Bigshot Light 4 OMNI
ハイパフォーマンスなケイ・スイスの定番シューズ。 優れた快適性やサポート性を実現した軽量オムニ®&クレーコート用モデル。

◎ホワイト×ターコイズ (23.0~25.0cm)

◎ホワイト×ブルー (25.5~28.5cm)




TECHNOLOGY


若いみなさんには想像できないと思いますが、私が学生だった頃……テニスは輝いていました。1980年前後、各大学に数多くのテニスサークルがあり、とにかく活気に溢れていたのです。キャンパスには、グリップが突き出したトートバッグを肩にした学生が行ったり来たり。

携帯電話もスマホもなかった時代、FAXさえなかった。大学に入学した若者が最初にすることといえば、「どのサークルに入ろうか?」決めることでした。
「サークルに入らなければ友達ができない」とみんなが思っていましたし、なんかオシャレでキラキラしてる「テニスサークル」がウジャウジャあったのです。

当時のテニスは「軟派なお遊び」と言われ、チャラチャラした空気感がなかったとは言えません。体育会で厳しい上下関係に縛られたくなく、適度にユルくて、男女で楽しく練習できる……。そりゃ「チャラチャラしてやがるっ!」って言われますよ。

でも「男女がいっしょに楽しめる」っていうのが、今日、テニスがメジャーになった要因ですから。ちょうど一年前の5月号で、そのことを書いています。
https://sports.dunlop.co.jp/tennis/box/20220512100135.html
「男女がいっしょに〜」…… いいじゃありませんか! 楽しいもん!

ただ私の場合は、ひたすらボールを打つこと自体が楽しかったんですね。球技スポーツにはいろんなスタイルがあります。チームで1つのボールを「投げ」「打ち」「蹴る」野球やサッカー、バスケットボールも楽しいのですが、あの広いコートにたった二人・打ったら打ち返されるテニスは特別でした。コートに立つとき、その空間において、自分とネットの向こうの相手、二人だけが向き合うのです。

もちろんトッププロの試合を観るのも大好きでした。日曜夜の『ワールドビッグテニス』という30分番組には、コナーズ、ボルグ、マッケンローといった憧れの名プレーヤーが登場するわけで、毎週、下宿の小さなテレビ画面にかぶりついて興奮してましたねぇ〜。

若者向けの雑誌『POPEYE』や『Hot-Dog Press』など、年に数回はテニス特集が組まれ、若者たちは買うなり回し読みするなり、あるいは書店で立ち読みするなりして、必死にそこから情報を得ようとしてたものです。

そんな雑誌を眺めていて、憧れたのは『リゾートテニス』です。いつも練習している土埃舞い上がるクレーコートとはまるで違う、華やかで爽やかな高原のハードコート。練習用のTシャツではなく、お気に入り一張羅のポロシャツを着ることの特別さ。必死こいてボールを追っかけるヤツなんていない。ボールを打ち合うことを純粋に楽しんでいる。ゲームさえもお楽しみであって、怪しいセルフジャッジに目くじら立てる野暮なんかしません。

でも我ら学生は、そんな贅沢などできないので、せいぜいサークルの合宿でリゾート気分を味わうのが関の山です。そこでちょっとでもカッコつけたいと願って、必死に上達のための情報を集め、真剣に練習していました。「うまくなりたい!」って頑張るのは、考えてみれば、まぁそんな下心があったわけですよ。

なにもかもが「光ってた」んです。
テニスのことが好きだった。
いつもテニスといっしょに過ごしたかった。
テニスがもっとも輝いていた時代に巻き込まれた学生の成れの果てが……

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。