2023/10/31

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2023 10月号

住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、テニスを中心としたラケットスポーツを展開し、ダンロップをご愛用くださるテニスプレーヤーのために、「ご満足いただける製品を届けたい!」「快適なテニス環境を整えるお手伝いをしたい」という心で、あらゆる製品を取り扱っています。いまや「ラケットのお供」として当たり前になったオーバーグリップも、プレーヤーの好みやにマッチするよう、タイプの異なる4モデルをラインナップしています。

現在、グリップにテープを巻くのは、ほぼ、当たり前のことと思われています。かつて「グリップテープ」と呼ばれていた「オーバーグリップ」を、新品ラケットにデフォルトで巻かれているシンセティックグリップの上に巻くのは、「手軽に交換できる」というメリットを利用するためです。

数あるテニス道具のなかで、メーカーを問わずもっとも安いのが「オーバーグリップ」。それは「どんどん巻き換えながら使うもの」という考え方であるため、こうした価格に抑えられているのです。

みなさんは、オーバーグリップがどんな感じになったら巻き換えますか?
オーバーグリップは、ラケットと手のひらを、より密接に繋ぐものという役割があり、その機能には「寿命」があります。たとえばウェットタイプのものであれば「ピタッと手のひらに吸い付く感触」がなくなったら、交換の目安と考えたほうがいいですね。

トッププロが試合に臨むとき、すべてのラケットを新しいオーバーグリップを巻きます。一般プレーヤーには、そこまで必要はないと思いますが、「表面のウレタンが剥げてきた」と感じる前に交換してあげるのがいでしょう。

かなり汚れている状態のオーバーグリップが巻かれたラケットを見ることは少ないです。手のひらの汗をたくさん吸い取るオーバーグリップは、そのままにしておくと乾きますが、それで「きれいになった」わけではありません。放っておくと、いろんな雑菌の温床ともなり得るのです。

オーバーグリップは消耗品で、極端に言えば「ティッシュペーパーと同じようなもの」です。みなさんは、一度使って濡れたティッシュペーパーを、「乾いたから」といって、もう一度使ったりはしませんよね。ですからオーバーグリップも、手のひらを「つねに清潔な環境に保つための道具」と考えてあげてください。

またグリップは、ラケットの中でいちばん消耗の様子が目立つ部分です。元の色が何色だったかわからないほど汚れまくり、テニス仲間から「あのグリップを握るのね……」と思われてしまうことのないよう、きれいなオーバーグリップで装うことを心掛けると、きっと愛用のテニスラケットも喜ぶことと思います。

ダンロップでもっとも多くご使用いただいているのが、「ウェットタイプ」の【TOUR-TAC】というオーバーグリップです。このフィーリングを好まれ、長くご指名買いいただくお客様の多いロングセラーです。手のひらに吸い付くようなフィーリングが好まれ、汗を吸う効果が高く、ウェット感が長く続くと好評の定番オーバーグリップ。

1本入りパッケージ【TOUR-TAC 1PC】では「ホワイト」「ブラック」「レッド」「イエロー」「ブルー」の5色展開していますので、お好みのグリップカラーを楽しむことができます。いつも同じ色ではなく、カラーバリエーションを楽しみたいという方に人気があります。

また、もっとも人気の高いカラー、「ホワイト」「ブラック」では、3本入りでちょっとお得価格の【TOUR-TAC 3PC】もあります。オーバーグリップの色は、いつもこれと決めているという方は、こちらの3本入りを購入されることが多いですね。

さらに、競技プレーヤーは、先に話したとおり「頻繁に新品に巻き替える」という方が多く、ダンロップでは購入の手間も少なく、気兼ねなく巻き換えていただけるよう、特別に【TOUR-TAC 30PC】という「30本のロールタイプ」も用意しています。

勝利を目指して、最高のグリップ環境に気を遣う競技系プレーヤーに、一番人気の「ホワイト」は、汚れ具合もグリップ性能のバロメーターとなってくれます。自分のポテンシャルを存分に発揮できるよう努力するプレーヤーに、いつもフレッシュな状態のグリップ環境を実現していただくためのスペシャルパッケージです。

【TOUR-TAC 1PC】 ¥418 (1本あたり:¥418.0)
【TOUR-TAC 3PC】 ¥1,056 (1本あたり:¥352.0)
【TOUR-TAC 30PC】 ¥9,460 (1本あたり:¥315.3)

頻繁にオーバーグリップを巻き換え、勝利を目指す競技プレーヤーには、少しでもお得な【TOUR-TAC 30PC】をお薦めします。

オーバーグリップというアイテムの原型が誕生したのは、40年ほど前のことです。当時は天然皮革のグリップレザーが巻かれていて、汗を吸って硬くなった天然皮革グリップがとても滑りやすかったため、包帯状のテープから始まり、紙製メッシュ、不織布にウレタンを吹き付けた「ドライタイプ」へと進化しました。

汗をよく吸ってくれて、握り心地もよく、なによりも「滑らないためにグリップのパワー伝達性が高い」……つまり「パワーロスが少ない」ということで、当時のプロが多く愛用し始めました。それがあっという間に世界中へ広まり、デフォルトのグリップが天然皮革製からシンセティック製になってからも、オーバーグリップを巻く習慣が残っているわけです。

いまだに競技者には、当時の感触を残す「ドライタイプ」の愛用者が少なくありません。今日、ダンロップでは2タイプのドライ系オーバーグリップをラインナップしています。

ドライタイプの「汗をよく吸う感覚」があるサラサラ感を、テープ全体に均一なウレタンコーティングで実現したのが【U-SWEAT】(ユースウェット)です。ウレタンコーティングが剥がれにくいという耐久性を向上させた【U-SWEAT】は「長持ちする」と評価いただいています(とはいえ、ウレタンが剥がれる前に巻き換えましょう)。

もう1つのドライ系が、もう少しだけ吸い付き感のあるフィーリングに仕上げた「セミドライ」タイプの【VIPER-DRY】(バイパードライ)です。セミドライというカテゴリーは、
手のひらに吸い付いてくれる感じはほしいけど、ペタペタくっつきすぎるのはイヤという希望から生まれたものです。「ドライとウェットとの中間的なフィーリング」で、よくグリップチェンジされるプレーヤーに人気のアイテムです。

そして、先に紹介した【TOUR-TAC】と並んで、もう一つの「ウェットタイプ」が【GECKO-TAC】(ゲコタック)です。2010年に発売されたダンロップ【BIOMIMETIC】(バイオミメティック)シリーズに採用されたグリップで、「ヤモリ」の手足の吸着メカニズムを応用して開発された超ウェット型オーバーグリップです。
【GECKO-TAC 12PC】という「12本入りタイプ」も用意しています。

この2モデルの「ウェットタイプ」の違いですが、【TOUR-TAC】はテープ幅が「28mm」で、表面の光沢感が抑えめで落ち着いた感じであり、【GECKO-TAC】はテープ幅が「25mm」で、いかにもウェットっぽい光沢感で、厚さが【TOUR-TAC】:0.6mmに対して【GECKO-TAC】:0.5mmと、わずかに薄くて、微妙に伸縮性が強いです。
このようにダンロップには、さまざまなタイプ・性能のオーバーグリップが揃っています。
「オーバーグリップなんてどれも同じようなもんだろ」と軽く考えないで、まずその違いを体感してください。その結果として、「自分にとってベストなオーバーグリップはどれか?」を発見し、快適かつ、実力を存分に発揮できるグリップ環境をゲットしましょう。

商品一覧はこちら

かつて都内にたくさんあった「テニスクラブ」という存在が、瀕死の状態です。
その昔は畑だった場所が、1980年代にテニスが爆発的な流行をみせると、目端の利いた地主さんたちは「こりゃ、畑を耕しているより、テニス場を作ったほうがラクして稼げるんじゃねぇか?」ってことで、都内・郊外の住宅地にたくさんのテニスクラブができました。

2000年代になってテニス大流行時代が去っても、多くのクラブが頑張っていましたが、オーナーの代替わりにかかる相続税の問題などで、ほとんどのテニスコートにマンションがおっ建ったんです。

次々とテニスクラブは消えました。頑張り続けるクラブは、それまでの屋外コートを潰してインドアコートを作り、メンバー中心の経営から、スクール中心の経営に切り替えました。そして、ゆったりと時間が流れる「サロン的なテニスクラブの姿」は、都内からほぼ姿を消したのです。

当時のテニスクラブのクラブハウスには、かならずと言っていいほど「テニス雑誌」が置いてあり、いつも次のゲームを待つ間、ずっとそれを読んでいる方がいて、テニス雑誌の編集者だった自分としては「嬉しいんだけど、たまには自分で買ってほしいなぁ(笑汗)」なんてね。
それでもね「ありがたいなぁ」と思ったものです。

テニスクラブの朝、「家事というひと仕事」を終えた(はずの)主婦プレーヤーのみなさんが、続々と集まってきます。
ほぼ毎日、集まってきます。
同じ顔が集まってきます。
「どうしてそんなに毎日来られるの?」と訊ねると「だって、テニスが私の仕事だもん!」って。
もうね……「プロ」なんです。

そうしたテニスクラブは、貴重な「情報交換の場」でした。
テニスクラブとは、ただ単にテニスをして愉しむだけの場ではなく、テニスを媒介とした「コミュニティ」となっていました。プレーを終えた後、クラブハウスで涼みながら、飲み物で喉を潤す。
今日のプレーはどうだったとか、その新しいラケットはどんな感じなの?とかから始まり、互いのプライベートなことや、ときには仕事の話になったりとか、新しい人間関係が、いろんな方向への広がりを生みました。

とくに「平日テニスのオジサンたち」は面白かったです。平日なのにしょっちゅう顔を見せるオジサン(自分もそのうちの一人だったわけです)がいるなぁ〜って思っていたら、近所で「ウマい!」と評判の鮨屋の大将で、夜にみんなで食べにいくと、頼んでもいない豪華な舟盛りが出てきたりして。
「健康のために来てるんだろうけど、あれで楽しいのかねぇ?」って、みんなから苦笑されてたオジサンが、じつは大きな会社の会長さんだったりとかね。

筆者が通っていた「クラブみたいなスクール」には、毎週水曜日のレッスンに集まる面々がいました。そのメンツというのが「スーパーイラストレーター、カメラマン、シェフ、編集者」で、午後イチのレッスンを終えたらクラブハウスで夕方までビールして、「さてっ」とクラブから居酒屋へ移動し、数軒のハシゴを終えたら朝の5時……なんてことが、だいたい毎週(えへへっ)

オバさんもオジサンも、テニスをすることを通して、それまで知らずにいたことをたくさん知るようになったものです。人間関係が、ぐっと広がっていく、思わぬ方向へ広がっていく。「こういう人とは縁がないだろうなぁ」と思っていた人と、いつしか大親友になっていたなんてこともあったし、ときには、テニス仲間の誰かの助けを借りることもありました(葬儀屋さんや不動産屋さんがいると助かります)。

テニスを通して仲間が増え、彼らとの話からいろんなことを知って、ときには思いもよらない「得」をすることもあるでしょう。サロンのようなテニスクラブは減ってしまったけれど、パブリックコートでのテニスが終わったらそそくさと帰る……んじゃなく、もう少しだけゆとりを持って、「ちょっとお茶でもしませんか」という時間を作ってください。

それもこれも、ぜ〜んぶひっくるめて『テニスの時間』です。

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。