2024/06/30

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2024 6月号

住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、テニスを中心としたラケットスポーツを展開し、ダンロップをご愛用くださるテニスプレーヤーのために、「ご満足いただける製品を届けたい!」「快適なテニス環境を整えるお手伝いをしたい」という心で、あらゆる製品を取り扱っています。今回は、ダンロップストリングのポリエステル系モデル【エクスプロッシブ】シリーズ全4モデルのうち、スピン系にセグメントされる2モデルをクローズアップ。ポリエステル素材というものをよく知ってから、それぞれの持つ個性を感じてください。

近年、テニスラケットはコントロール系、スピン系、パワードライブ系、超軽量・高反発系とタイプ別の構成となって、ダンロップでもコントロールの【CX】、スピンの【SX】、パワードライブの【FX】、軽量高反発の【LX】と明確にセグメント化しています。

いっぽう、ダンロップストリングにも明確な個性化を図り、プレーヤーが選択しやすいラインナップを構築しています。

まず「素材」の違いですが、ナイロン系素材でできているストリング群を【アイコニック】と命名し、柔らかな打球感を好むプレーヤーに向けて用意しました。ナイロン(ポリアミド)という素材は、長年にわたって「シンセティックストリング」の中心的存在であり、各種あるナイロン素材の組み合わせや、内部構造によって、反発性能の個性にバリエーションを生み出してきました。

1990年代後半になると、ポリエステル系素材でできているストリングを「トッププロ」たちが使い始め、2000年代になるとほとんどのプロがポリエステル系を使うようになったために、世界的ブームが生まれ、ナイロン系のマイルド感に対して「しっかりした打球感」の特徴で打ち出されるようになったのです。

ダンロップストリングでは【エクスプロッシブ】というラインナップで登場しました。ポリエステル系ストリングは「速い球離れ」「弾き感」「カチッとした打球感」と表現されますが、ダンロップではその中でも「マイルド感」と「しっかり感」で商品展開を分けています。



ポリエステル系の中で「マイルド感」を表現したのが【エクスプロッシブ・ツアー】【エクスプロッシブ・バイト】。「しっかり感」を表現したのが【エクスプロッシブ・スピード】と【エクスプロッシブ・スピン】です。

そして【エクスプロッシブ・ツアー】【エクスプロッシブ・スピード】は、オーソドックスな丸形断面。対して、特殊な断面形状でスピン性能をアピールするのが【エクスプロッシブ・バイト】と【エクスプロッシブ・スピン】です。

ともに「ポリエステル」「スピン系」ですが、断面形状に大きな違いがあります。まず【エクスプロッシブ・バイト】ですが、丸型形状に3つの突起を設けることで、ボールへの引っかかり感を高め、スピン効果をもたらします。





もういっぽうの【エクスプロッシブ・スピン】は、どこを切っても六角形の断面形状によって引っかかり感を演出して、スピンのきいた打球に繋ぎます。


では「どこがいったい違うの?」ということになりますが、前述したとおり「ポリエステル素材の硬さ」が違っていて、『突起のバイト』は、ポリエステルの中ではマイルドでありながらスピンがかかるように仕上げられ、『六角のスピン』は高速インパクトでもしっかりした打感があり、弾きながらもスピンがかかるというシステムなのです。

「スピンをかける=ストリングの消耗が激しい」と評価されることがありますが、突起や角張りのために、激しいインパクトを繰り返すほど、その角が崩れやすくなったり、クロスする糸を消耗させていくということもあると思います。

いずれにしても、ポリエステル・ストリングの瞬間的パワーの爆発力や、軽快な反発性能を感じながらプレーするには、早め早めの張り替えリズムが必要ですから、飛ばなくなった糸で無理やり飛ばそうとして「フォームを崩したり」「肘を故障したり」する前に、短期間の定期的な張り替えを心掛けましょう。

ポリエステルストリングの特性を理解し、自分にベストな環境を整えるために定期的は張り替えをなさるお客様は、お得な「リール販売」をご利用されています。ダンロップでは、定期的に張り替えるプレーヤーを応援するため、一般的なリールは「200m」のリールを、2割増の「240m」でお届けしています。

どのくらいお得かというと、
【エクスプロッシブ・バイト】
12m 単張り ¥2,750 ×20回分 → ¥55,000となるところ ¥36,300
ですから ¥18,700のお得!
【エクスプロッシブ・スピン】
12m 単張り ¥2,420 ×20回分 → ¥48,400となるところ ¥31,900
こちらは ¥16,500のお得!
これは、どちらも「約7張り分」のお得価格ですし、リールは「無駄が少なく張れる」というメリットがあり、ラケットやストリンガーによっては、あと数回分もお得になる場合もあるでしょう。

ダンロップでは現在、「ダンロップラケットにはダンロップストリングを!」という『DXDキャンペーン』キャンペーンに加えて、ダンロップストリングをリールで購入いただいたお客様 先着200名に、リールを運ぶのにとても便利な専用バック『オリジナルリールバッグ』をプレゼントするというキャンペーン(5月27日〜9月30日)を展開しています。この機会に、ぜひご検討ください!

むかし通っていたスクールに、やたらと「型にハマる」のが好きな人がいました。ミックスダブルスを組むペアと、「プランAだ!」「今度はプランBだ!」と、必死に決まったパターンを繰り返し、クソ面白くもない練習ばかりしていました。練習の積み重ねってスゴいもので、試合でもカッチリそのとおりにできるようになりました。

でもね、なにかとトンがっていた当時の私は
「みえみえなんだよなぁ〜 型にハマって、勝てるわけがねぇ!」
「何が起きるかわからないからテニスって面白ぇんじゃねぇのかよ!」
なんて思っていたわけで、彼らが動きのすべてに「予測がついちゃう」わけです。

テニスっていうのは、やっていても観ていても、「意外性」の中にこそ面白さがあるんじゃないでしょうか。彼らなりに、なんかの本を読んで頑張っていたんだろうけど、みんながそのとおりになっちゃったら、勝機が開けないと思うんですよ。一般のテニスプレーヤーなんだから、その瞬間に判断する「面白さ」を楽しめばいいんじゃないかなぁ。

「鉄則」はあるけれど、それにこだわりすぎていると、「それしかできなくなる」。変化ある自在さを持っていないと、相手にすべて見透かされて、蟻地獄に落ちちゃうんじゃないかなと思います。

そういえば、個性あるラケットも、ずいぶんと減りました。
昔は「ヘンな形のラケット」がたくさんあったのに、今では「全部を黒く塗っちゃったら、区別がつかない」くらいに画一的な形でしょ。

見た目には「厚いか薄いか」「デカいか小さいか」、そのくらいの差しかないから、ラケットを選ぶほうも、そりゃたいへんです。どこがどう違うか? どれが自分に適しているのか、ベストマッチと出会うなんて、奇跡に近いかも。だって、自分のほうにも個性がないんだからねぇ。

700万年前のアフリカに人類の祖先である「サヘラントロプス・チャデンシス」が誕生してから、我々は多くの経験を積み重ね、数多くの失敗をすることで進歩してきました。失敗することを怖れなかったからこそ、今の世界があるんですね。

ただ、人間という生き物は「自分がイヤだな」「失敗しそうだな」ということから目を背ける習性があります。変化に対して臆病になり、あえてそこへダイブせずに、安全な「ヘリ」を歩いてばかりいる。

でも失敗は、次に生まれてくるもののための「土台」となるものです。失敗は「成功のための母」なのです。人類の文明のすべてが「失敗から学んだこと」の上に成り立っていると言っても過言ではないでしょう。

「失敗を怖れ、挑戦から逃げている」と感じませんか?
「外れること」はコワいかもしれません。失敗しないことしかしなくなってませんか?

そんな冒険をするメリットがどこにあるのか?
人と違うこと? それってリスクじゃね?

言いたいことはわかるけどさ、ただ「埋もれてるだけ」なんじゃね?

2002年登場時は「ヘンな形っ!」って言われていたダンロップ【スペースフィールプライムOS】が、スリクソン【REVO】を経てダンロップ【LX1000】になっても、基本形状はそのまま、22年間も生き残っているじゃないですか。

「外れる」とか「個性」というのは、こういうことです。外れたからこそ生き残り、多くの人が「個性」に魅力を感じたのではないでしょうか。

「周りの人」と「自分」は、けっして同じじゃない。
だったらむしろ、みんなとは違うってことを武器にして、自分を求めて冒険への一歩を踏み出してみる…… 一歩だけ「外れてみて」はいかがしょう?

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。