いつもダンロップ並びに弊社テニス用品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
【ダンロップメッセンジャー】は、みなさまへ特別な情報提供をすることで、【ダンロップ】をより身近に感じていただくためのものです。
みなさまと一緒に良い商品を作り、ダンロップからの情報発信を目指すものです。
昨今、ガッツポーズなんて「当たり前にやるもの」とされていますが、そもそもアレは「自分のモチベーションを上げるため」というのが、スポーツ心理学で唱えられていたことです。ただ残念なことに、ときにガッツポーズによって相手を「威嚇」するように見えることがあります。
「威圧的な態度」って、テニスというスポーツには、どこか相応しくないように感じませんか。1980年代、J・コナーズの「客席に向かってのド派手なガッツポーズ」は、自分の気持ちを盛り上げ、さらに観衆の大歓声を呼ぶものでした。つまりアレは「観客に対するエンターテイメント」だったのです。
彼らは「プロ」という存在意義を、よく知っていました。でも今は「プロは強ければいい」「勝つことがプロの仕事であり、それが富につながる」「勝つためにはラケット破壊だって必要だ」なんて選手もいます。
プロとは「見せるもの」「魅せるもの」ですよね。プロのトーナメントは「興行」です。観客に人並みはずれた技を披露することで入場料金をいただき、そこから報酬として「賞金」をもらうのです。
現代では「賞金のために勝つのがプロ」と考える傾向が強いですが、いま一度、「プロとは何か?」を考えていただきたいですね。
テニスも大相撲も、同じ「エンターテイメント」で、「観客に見せる」ことで入場料をいただき、それに応えるべく、激しい戦いを披露する。
勝つために必要かもしれないし、反則とされているわけではないから、立ち合いで変化したり、いきなりの叩き込み……、それも相撲なんですが、一瞬で勝負がついてしまうような、あっけない勝負だと、会場はドッチラケで拍手もなく、おおいに盛り下がります。
観客は、力と力、技と技の応酬を期待して、高額な入場料を払って、会場へ足を運ぶのです。プロフェッショナルが存在するのは、「試合に勝つ」だけではなく、「スゴさのぶつかり合いが驚愕を呼ぶ」からでしょう。「会場を盛り上げ、観客を喜ばせる」のがプロとしての仕事です。
ですからプロには「勝つこと」と「魅了すること」が求められています。
大相撲秋場所での宇良の一言が耳にこびりついています。「お客さんが喜んでくれる相撲を取りたい」。これこそ『プロの鑑』!プロスポーツは、観客があってこそ存在しうるのです。
松尾高司氏
おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップテニス」のサポーターも務めてもらっています。