2024/12/16

ダンロップメッセンジャー 2024 12月号

いつもダンロップ並びに弊社テニス用品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
【ダンロップメッセンジャー】は、みなさまへ特別な情報提供をすることで、【ダンロップ】をより身近に感じていただくためのものです。
みなさまと一緒に良い商品を作り、ダンロップからの情報発信を目指すものです。

「あなたがテニスラケットに求める性能は?」という問いへの回答で、かならず上位に挙がるのが『スピン性能』です。その需要に応じて、現在のショップには数多くの「スピン系モデル」が並びます。

なぜ「スピン性能」がこんなに必要とされるか? というと、
◎ラケット自体のパワー性能が増したから……
◎プレーヤーのスイングスピードが増したから……
カーボン品質の向上によるフレーム剛性アップと全体の軽量化によって、反発性能が飛躍的に向上したおかげで、打球スピードも増します。でも「コートの広さは、以前と変わらない」。

そのままでは、高速打球が相手コート内に収まらなくなるため、どうしても「トップスピン」によって「弧を描く弾道」を生み出し、ベースラインの内側へ強制的にねじ込むことが要求されるわけです。

またトップスピン打球には「バウンド後の伸び」という攻撃的利点があります。ベースライン内側へ急速に落下させ、バウンドしてからググッと迫るように伸びる打球は、相手にプレッシャーを与えて、自分に有利な展開を作ってくれます。

だからこそスピン性能を追求したダンロップ【SX】シリーズが注目されるのです。大好評だった2022モデルから3年のときを経て、2025【SX】シリーズが、みなさんの要求性能を満たします。

新しくなった2025【SX】の注目ポイントは、「スピン性能向上」と「面安定性向上」です。進化したのは、ストリング可動域の拡大を実現した『スピンブーストXTグロメット』のグロメットホール内径の拡大。前モデルは上部のみに搭載していましたが、今回ブリッジ部のストリング6本分の可動性を増したことで、スナップバック効果を増大させ、スピン量向上を確保しました。

また『スピンブーストXTグロメット』が、縦ストリングの横ズレによるスナップバックを発生させ、フェース面の下方に当たってしまったときでもパワーロスしないメリットをもたらします。スピン打球時のボールは、フェース面を横に滑るようなインパクトとなるため、この機能がミスショット減少、アングルショット成功率向上に役立つのです。

また大きく進化したポイントが「両サイドの正面フレーム厚のワイド化」です。これによって「中心軸回りの慣性モーメント」がアップしました。簡単に言うと「面の安定性向上」です。スイートエリアにスクエアで当てやすいフラットorドライブ系インパクトよりも、スピン打法では面を横切るようなインパクトになるため、ストリング面が回されやすく、コントロールが不安定になりがちです。

でも、そんなデメリットを回避しやすい『スピンブーストXTグロメット』によって、打球の「集弾性向上」が実現したのです。つまり、打球の落下位置のバラツキが少なくなって、自分がイメージしたポイントへ向かって「打球が集まりやすく」なりました。

これこそ、2025【SX】シリーズ最大の進化でしょう。2022【SX】でも十分に満足している方が多いと思いますが、スピン系モデルに期待されるコントロール性能を、さらに磨き上げたのが2025【SX】なのです。

さて、2025【SX】シリーズのイメージを大きく変えたのが「コスメティック」ですね。2019年の初代モデルが「ブラックメイン×イエロー」、二代目の2022年モデルが反転したような「イエローメイン×ブラック」というツートーンデザインでしたが、三代目はスピンイメージの「イエロー」をセンターに置いて、トップ側にブラック、そしてシャフト側に「アースティール」という、これまでのダンロップラケットには使われていなかった新色を用いました。

一般的に「ティール」とは「緑色と青色との中間色」ですが、2025【SX】に使われる「アースティール」は、もっと青色に寄せられて、どこか地球の青さを感じさせるような爽やかな色です。

従来のイメージが「スピンの過激さ」を感じさせたのに対して、新コスメティックは「ちょっとおとなしそうな」印象を与えます。繰り出す「激スピン打球」のイメージとは逆であるように感じるかもしれませんが、おとなしそうな雰囲気から弾き出される過激なスピンというギャップが、対戦相手を驚かすかもしれません。

有り余るパワーによる高速スイングには、欠かすことのできない「強烈なスピン」。でもスピン量が増すことで「推進パワーが消費される」というパラドックスを解消するために備えられた『スピンブーストフレームジオメトリー』『Vエナジーシャフト』によるハイパワーと、インパクト時間を長く保ち、スピン量の充実を図る『スピンブーストXTグロメット』のシンクロによって、きわめて攻撃的なスピン系ラケットを生み出すことができました。

プレーアビリティーにおいて、前モデルと「まるで違うじゃないか!」といった基本イメージのギャップを感じさせないように……、でも確実に「違うよね!」という進化を感じてもらうために、3年間に渡る開発努力を、ダンロップはこの1本に集結させました。