2025/01/16

ダンロップメッセンジャー 2025 1月号

いつもダンロップ並びに弊社テニス用品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
【ダンロップメッセンジャー】は、みなさまへ特別な情報提供をすることで、【ダンロップ】をより身近に感じていただくためのものです。
みなさまと一緒に良い商品を作り、ダンロップからの情報発信を目指すものです。

1960年代、テニスシューズは「キャンバス地が当たり前」という時代でした。ところが1966年、アメリカのカリフォルニアに誕生した『K・SWISS』は、「オールレザー」という革新的なコンセプトで、世界中の注目を浴びました。世界のテニス界も、徐々にスピードアップし、フットワークも激しくなります。布製のシューズでは、強烈な踏み込みに耐えることができなくなり、耐久性の高いものが求められ始めた時代です。

そこに登場した『K・SWISS』のオールレザーシューズは、まさに待望のアイテム。世界的な大テニスブームとなった1980年代には「オールレザーの高級感」を象徴する【K・SWISS CLASSIC】が、「5本線の紋章」によって、世界的なアイデンティティを獲得したのです。その「5本線」は単なるデザインではなく、足の横ブレを抑えるために、シューレースと直結して足をホールドする「機能」であり、その後のテニスシューズ設計に大きな影響を与えることになったのです。

『K・SWISS』というブランドを創設したのは「満足できるテニスシューズを自分たちの手で創りたい!」という夢を抱いて、スイスからカリフォルニアへ渡った「ブランナー兄弟」です。ちなみに『K・SWISS』というブランド名は、創業地カリフォルニアのドイツ語綴り”Kalifornia”の頭文字と彼らの母国であるスイス(SWISS)を組み合わせて生まれました。

1990年代には、さらにパワー&スピードが過激化するテニスに対応すべく、長く「オールレザー」の価値を守ってきた【K・SWISS】も、2010年には軽くて伸びないシンセティックレザー・アッパーのメリットを受け容れ、パワー&スピードに対応した進化を辿り、今日に至ります。

近年、アメリカのテニス市場では大きなマーケットへと成長した【K・SWISS】ですが、日本では「まだみんなが履いていないブランド」として注目を浴び始めたところです。日本再登場の第一弾は【Express Light 3】でしたが、その進化型ともいえる【Hypercourt Express 2】がついに日本上陸です。

現代的な「メッシュ+RPUアッパー」は、耐久性と屈曲性に優れ、足の動きに対して素直に反応しながらサポートします。とくに注目すべきは「中足部を引き締めるフィット&サポート感」で、【K・SWISS】のトレードマークである「5本ライン」の機能を、現代シューズでも高性能へ反映させています。

そうした心地よいサポート感がありながら、前足部はちょっとゆとりを感じさせる設計で、ここ最近、多く存在する「ワイドタイプ希望」のユーザーに、ぜひ一度、足を入れて試していただきたいモデルです。機種名に【ワイド】と付いていないとダメだ!というプレーヤーでも、違和感なく、しかもスピーディーに移動できるシューズがある……ということを知っていただけると思います。

ブランドの根幹を示すモデルが、いわゆる「フラッグシップモデル」ですが、2025シーズンの【K・SWISS】フラッグシップモデルは【ULTRASHOT 4 HB】です。

トッププロの激しいフットワークを支え得るように設計され、その内容は、まさに「ハードスペック」。強烈な踏み込みにも耐え、プレーヤーのイメージどおりの感覚を保ちながら、踏み込んだ力を、効率よく「蹴り出し」に押し返す機能で固められています。

テニスシューズにサポート機能を搭載する場合、確実で堅牢なパーツが、どうしても必要です。それは必然的な重量を持ち、どれだけ「軽量に……」と磨き抜いても、全体重量は増していきます。昨今の一般プレーヤーは「軽量ほど好む」傾向が強いですが、強靭なシューズには、それなりの重量が伴うのです。

それでも。「必要なプレーヤーには、軽さよりガッチリ感」です。抜群の脚力、無駄のないフットワークを備えたプレーヤーには、堅牢さこそが頼りどころとなります。

【ULTRASHOT 4 HB】は質実剛健。履いた瞬間の快適さよりも、動いているときの確実さを重視するプレーヤーのためのモデルです。まず「ソールの安定性確保」のため、いくつものサポート機能が複合的に足と身体を支えます。足入れの際には、不必要なフワフワ感を排除し、踏み込んだときに必要十分なクッションに抑え、サーフェスと足裏の状態をダイレクトに脳へ伝え、レスポンスの速い切り返しを実現させるのです。

ハイレベルな競技では、「踏み込み→蹴り出し」のレスポンスが重視されます。足の小指側が横に流れないようにガッチリ食い止め、踏み込みの力をしっかりサーフェスに伝えて蹴り出すために、【ULTRASHOT 4 HB】では『CRBN WINGLET』 というカーボン製のパーツを小指の位置に潜ませています。

踵部に仕込んだ衝撃緩和システムも、必要以上のクッションは「エネルギーロス」につながるため、強靭な安定性を保持したうえで、身体へ突き上げる衝撃を緩和する複合的システムです。

激しいフットワークでは、足自体も屈曲したり伸びたりと、動きが大きくなるため、シューレースも弛みがちになります。シューレースは、足を動かないように締めるものですが、ただキツく締まればいいというものではありません。足の動きを妨げず・サポートするため、【ULTRASHOT 4 HB】では、内足側のレース通しをベストで動きやすくしながら、外足側はレースが動きにくい孔型にしています。「弛まぬように」「でも足の動きを邪魔しないように」、レース自体の可動性にも配慮しているのです。

フットワークと脚力に自信のあるプレーヤーは、ぜひ【K・SWISS】のハイエンドモデル【ULTRASHOT 4 HB】をお試しください。