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それでいて、今のボールは、間違いなく、昔よりも酷使されるようになっていますね。シバかれまくり、こすられまくって、何も言わずに転がっている彼らの、こんな会話が聴こえてくるようです。
「昔は『いくわよぉ〜』『ハァーイ』って、ネットのあっちとこっちを優雅に行ったり来たり。あの頃は、飛んでる間も楽しかったよなぁ……。みんな僕らボールのことを大切に扱ってくれたし」
「今なんかさぁ、プロの試合球にされちゃったりすると、筋肉モリモリの女子プロにもシバかれまくり、打たれた後は、ケダモノみたいな声でドヤされるし」
「でさぁ、プロの試合だと、僕らの生涯って、たった11ゲームじゃん。御用済みになると、あとは捨てられるだけだもんなぁ」
「こないだ聞いたけど、プロの試合で使われた後に、また売られちゃったりすることもあるらしいよ。こっちは身も心もボロボロなのに……。僕らの生涯って、そうやって転がされまくるわけ……まっ、ボールだからしょうがないか(笑)」
こんなふうに、テニスボールは辛いわけです。とくに昔と今を比べると、気の毒なくらいに痛めつけられています。
負担増1:カーボン自体の進歩のおかげで、ラケットの軽量化に伴うスイング速度アップにより、ボールにとってはよりシビアな条件で叩かれることになり「負担増」。
負担増2:伸縮が起きにくくて硬いポリエステルストリングのせいで、ボールは潰されるため、コアボールの圧縮・復元力が疲弊させられて「負担増」。
負担増3:角ばったストリングが、フェルトに引っかかってこすり上げるから、フェルトが切れて摩耗して「負担増」。
負担増4:プレーヤー側のスイングスピードの高速化、インパクトパワーがはるかに強烈になったせいで、ボールを潰すわ・こするわで、ボールはクタクタになるほど「負担増」。
原材料の高騰や物価の上昇などにより、ラケットの価格は1.5倍。シューズは3倍という値上がり具合なのに、ボールだけはラケットやシューズの価格に比べると値上げ幅は小さいのです。他の要素が変化してしまったために、ボールへの負担は何倍にもなっています。シバかれまくるテニスボールって、本当に大変なんです。

松尾高司氏
おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップテニス」のサポーターも務めてもらっています。