2025/10/24

ダンロップメッセンジャー 2025 10月号

いつもダンロップ並びに弊社テニス用品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
【ダンロップメッセンジャー】は、みなさまへ特別な情報提供をすることで、【ダンロップ】をより身近に感じていただくためのものです。
みなさまと一緒に良い商品を作り、ダンロップからの情報発信を目指すものです。

住友ゴム工業(株)が海外のDUNLOP商標権とDUNLOPブランドのスポーツ用品事業およびライセンス事業を買収することについて合意したのが2016年末。ブランドの中心を担うのはタイヤ、その次にテニスラケット。「Control」の【CX】、「Spin」の【SX】、「Luxury/Light」の【LX】、そして「Force」の【FX】という、明確な個性の違いをわかりやすく機種名に反映した各シリーズを確立しました。そのなかでもっとも新しくシリーズに加わったのが【FX】シリーズであり、2026年には三代目の【FX】が登場します。

このシリーズの特徴は「攻撃的でハイパワー」であり、キーワードは『速さ』です。テニスというスポーツにおいて『速さ』はとても大きな武器になります。まず相手に迫るスピードで「威圧感を感じさせ」、普通ならば届くはずの打球がラケットの先端を通り過ぎてしまう「精神的ダメージを与え」、相手が次の打球に備えるための「時間を奪う」のが打球の『速さ』です。

【FX】シリーズは、そのために生まれました。パワフルなスイングが、確実に高速打球の実現に結びつき、勝利へと導くスピードが、圧倒的な武器となってくれるのです。ダンロップは、【FX】シリーズがモデルチェンジを迎えるごとにパワーアップ……高速化を実現してきましたが、「教科書どおり」の単なるパワーアップに留まらず、ダンロップのお家芸たる「快適な打球感」を、保ち・発展させながら進化させてきました。

まずは、ダンロップの「青いヤツ」をお試しください。そして、そのハイパワー+快適性というバランスを、他のすべてのラケットと比較してみてください。……きっと、あなたの相棒にしたくなるはずです。

ラケットフレームのハイパワー化には、ある種の鉄則方程式が存在します。まず「フレームの高剛性化」。しなり剛性(打球方向へのしなりが少ないこと)が高いと、スイングのパワーが「しなりによって逃げてしまう」のを防ぎ、高い効率で打球のパワーとして活かすことができるようになります。

そのために行われるのが「フレーム厚を大きくすること」と、「しなりに強い強靭なカーボンの積層」を構築すること。実際、新【FX】では、従来モデルよりも「フェース部のフレーム正面厚・側面厚を増幅」。つまり太く・たくましさを増しています。こうして、フレームの形状と、カーボンの積層方法を変更することでフェース部の剛性アップを図ることにより、スイングパワーが打球速度へ変換されるエネルギー効率を高めているわけです。

ただし、それだけでは「とても硬いだけのフレーム」になってしまいます。そこでダンロップが注目したのが「面内剛性」です。この面内剛性は、「インパクトポイントへ向けて、ストリングがたわみやすくなる具合」に反映します。面内剛性を柔らかくすると、ストリングがグッと内側へ引き込まれ、打球のホールド感が増します。ダンロップは、この効果を利用して、パワーアップと快適な打球感の同時実現に至りました。

これによってストリング面においても「パワーロスがなくなり」、新【FX】シリーズの打球高速化は進歩したわけです。

この『パワーブースト+フレームジオメトリー』も、スイートエリアの拡大に役立っていますが、今回から新機能として効果を発揮したのが『パワーウェーブグロメット』です。これは「横ストリングのセンター8本分」に対して、ウェーブ状のグロメットホールを設定しました。これまで「真っ直ぐだった」ストリングホールの並び方を、中心線に対して「互い違い」にしたわけです。

これによって、ノーマルラケットよりも広いスイートエリアを誇っていた、前モデル【2023 FX】よりも、もっと広く感じるようになりました。その秘密は「反発係数の均一化」です。前モデルは、中央部の広いエリアで高い反発係数を実現していましたが(図中ではノーマル:10に対して、【2023 FX】:12)、【2026 FX】では「中央部を10にし、その周辺を10に引き上げる」結果を得ることができました。

プレーヤーの誰しもが「スイートエリアの拡大」という一言に魅力を感じるため、多くのニューモデルラケットが「スイートエリア拡大」を謳いますし、どのラケットも「反発係数の増大」を数値上昇で表現しています。しかし【2026 FX】は、あえて前モデルの中心部「12」から、「10」へと反発度を落ち着かせ、そのかわりに周辺部を「10」へと向上させました。

この「10」とか「12」というのは比率を表わす数値で、実際の反発係数ではありません。先に述べたとおり、フレーム厚を増して全体としてパワーアップしていますから「飛ばなくなった」のではないことをご理解ください。こうしてスイートエリアが拡大すると、ミスショットが減ります。ミスショットというのは「オフセンターに当たってしまう」ことで、センターで捉えたときよりも打球のパワーが低下します。でも【2026 FX】では、より広いエリアで均一な反発性能を発揮するので、打球パワーが低下したミスショットが減るのです。

プレーヤーは、これまでより安心して振り抜くことができ、それがパワー向上につながりますし、ミスショットが減れば、従来よりも高い攻撃性を保つことができ、あなたを勝利へと近付けてくれるでしょう。

ボディカラーも「ブラック×ブルー」→「バイオレット×ネオンブルー」へと衣替えし、【FX 500 TOUR】【FX 500】【FX 500 LS】【FX 500 LITE】に加えて、ジュニア用2モデルが揃いました。これまでよりも、さらに高速化した【2026 FX】を、ぜひ体験してみてください。