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先日、マンションの隣室で引越しがあり、翌日、ご挨拶の「ピンポ〜ン」が鳴りました。最近では、引越しの挨拶などなさらない若いご夫婦もいたりしますが、ご丁寧に「ちょっと高価そうな洋菓子」をいただいてしまい、やや恐縮……。「お困りのことがあったらなんでも言ってくださいね!」と扉を閉め、「う〜ん、気が利いてるなぁ」と、いただいたクッキーをすぐにポリポリ。ただ、そのときにはもう、お隣さんの苗字さえ覚えちゃいません(笑)
そういえば、以前に越してらっしゃった方が、「高級ティッシュ3箱パック」を手に、ご挨拶にみえました。これは嬉しかったですね〜!ビックリするほど値段の差があるわけじゃないですから、「とても買えないよ……」ってほどでもないんですけど、どうしても普段は安価なティッシュを選んじゃいますし、高級ティッシュなど、なにか特別なときでなけりゃ使わないですからねぇ〜。ちょっと特別なものをいただいた感覚で、嬉しかったわけです。
……いまだに使えずに、クロゼットの中で出番を待っていますけど……
昔、友人から「コードバン革のブックカバー」をもらい、それは30年たった今でも大切に使っています。もちろん「高額だから」ということもありますけど、なにより「自分の好きなものを、相手が知っていてくれた」ということが嬉しかったのです。それ以来、自分が「贈り物」を選ぶのに、ものすごく慎重になりました。相手にとって「もらって嬉しいもの……ってなんだろ?」
出張時の土産物を買うときの基準の違いに、驚いたことがあります。自分は「かつて食べて美味しかったものを、ちょっとでもお裾分け」と思うタイプですが、ツレの知人は「駅の土産物売店で、とにかく個数がたくさん入っている菓子。味なんか、どれだって知れたものでしょ」と嘯きます。
プレゼントも土産物も、何を選ぶかによって、送る側のセンスが問われる重要課題です!「印象に残るものを!」と頑張りすぎると、考えすぎちゃって、思いっきりスベったりするし、あまりに日常的な消耗品(ふきんセットなど)や、すぐに食べちゃうお菓子など、助かるんだけど、まるで印象に残らず、いただいたことさえ忘れてしまうしね……
ずいぶん昔、出張のため、同僚の結婚式に参列できなくて、結婚祝いだけを贈ることにしたんですが、そのときは本当に悩みました。結婚式って、本当にたくさんの方からプレゼントをもらうわけですけど、「こんなの貰っちゃったけど、どうすんのよ、コレ?」ってのが少なくありません……いや、たまーにあります。送ってくれる側も、考え抜いた挙げ句の選択だったのでしょうが、完全にハズしちゃってたりするんですね。
出張から戻ると、「ボール、届いたよ。いろんないただきものの中で、あれがいちばん嬉しかった!」それを聞いた自分も、ものすごく嬉しかったのを、いまでも強く覚えています。
自分が「プレゼントする側」のとき、心掛けているのは、「相手のことを、ゆっくり考えること」「よくあるものではなく、多少のインパクトがあるもの」「必要ないのに残ってしまような『邪魔』にならないもの」……「確実に『使ってもらえる』もの」そんな感じでしょうか。
もうひとつだけ守っているのは、いただきものをしたときには「嬉しかった気持ちを、素直に伝えること」です。贈ってくれた方は「あれって、どうだった?」とは訊きにくいもの……。こちらから「嬉しかった」ことを伝え返せば、それが相手の喜びにもなり、「こんどは何を贈ろうかな?」という関係を生み出すでしょう。

松尾高司氏
おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップテニス」のサポーターも務めてもらっています。