2019/10/10

大会・イベント

パトリック・ムラトグルー氏が住友ゴム工業神戸本社訪問 ~社員からの質問コーナーも~

~ムラトグルー氏からの挨拶~

ダンロップとスポンサーシップを結べてとても嬉しく誇らしく思っています。
我々は「ムラトグルーテニスアカデミー」として20年以上にわたってテニス選手の育成に携わっています。マリオ・アンチッチや最近ではATPランキングTOP10のステファノ・チチバス選手や、直近のグランドスラムでの活躍が目覚ましい15歳のココ・ガウフ選手などを輩出しています。
ダンロップは歴史あるブランドで、数々の国際大会で使用されているボールなど非常に優れた製品を送り出しています。私もジュニアのころダンロップのラケットを使っていました。当時はマッケンローも使っていたMAX200Gを使っていましたし、個人的にはあれが最高のラケットでした。古いラケットをコレクションしていて、当時もっともポピュラーだったダンロップの木製ラケットも何本か持っています。このように歴史を持つ我々のパートナーシップとして、今後すばらしいことがなせると確信しています。

コーチングは選手によって変わってくるので、決まったものはありません。それぞれ失敗に対する恐怖というものを多かれ少なかれ持っているので、それを乗り越えられるようにしていくことだと考えています。選手によって全く違うアプローチが必要なので、それはいつもエキサイティングな経験です。

うまくなるために練習するとき、コーチや選手は限りある時間の中で「次のステージに進むために」何に取り組むかを選択しなければなりません。その時私は長所を伸ばすことを重視するようにします。しばしば多くのコーチは弱点を補強するようにしますが、違います。
理由は2つあります。
1つ目は、あなたの長所を伸ばすことが差別化につながるからです。ある選手はバックハンドは得意ではありませんでしたが、その分フォアハンドとサーブで世界の頂点に立ちました。フォアハンドが得意であれば、バックハンドを克服するより、フォアハンドを活かす機会を増やし、そこで勝負に差をつければよいのです。
2つ目は、選手の自信をつけるためです。例えば、あなたが料理が非常に苦手・嫌いだとしてあなたが毎日毎日料理ばかりやらなければならないとしたらどうでしょう?きっと楽しくないですよね?選手に自信をつけ、常に成長実感を持たせることがコーチの役割のひとつであり、そのためには長所にフォーカスしたほうが良いのです。

おっしゃる通りです。一度優勝したあと、選手は勝つことが期待されるようになり、そののプレッシャーは相当なものです。コートに行くたびに、コート上や観戦する人皆から勝つのが当然だと思われるのです。(コーチをしている)セリーナ・ウィリアムズについてはまさにその精神面において、若いグランドスラム優勝者よりずっと強かったことが、違いなのです。