プロ・上級者を中心に多くのゴルファーに支持されているスリクソン・ボールのフラッグシップモデル『スリクソンZ-STAR シリーズ』。その最新モデルが、来年1月の発売開始に先駆けて「SDGsブース」内に展示されました。
2050年にゴルフボールのすべてのモデルで、サステナブル原材料の比率を100%にすることを目標に掲げているダンロップ。その目標達成のために、今回のモデルに採用したのが、トウモロコシから抽出した「バイオポリオール」を配合したウレタンカバーです。製造時のCO₂排出量を、従来の石油由来の原材料を使う場合よりも削減でき、その量は、2022年からの2年間でダンロップが全世界で販売したスリクソンZ-STAR シリーズから算出すると、約30.7トンにも達します。これは、ゴルフボールとしては世界でも画期的な取り組み。NEW『スリクソンZ-STAR シリーズ』は、従来モデルにくらべ打感が向上し、スピンコントロール性能もアップしていますが、そんな高性能を環境に配慮した上で実現しているのです。
また、今回ダンロップが新たにチャレンジしたのが、食物由来の素材を使ったキャディバッグの製造です。
米由来のバイオマスプラスチックを原料の一部に使用している「ライスレザー」。この素材は日本で製造しているため、輸送時のCO₂排出量の減少につながるほか、非食用の米を使用するためフードロス削減にも貢献します。
財布やバッグといった小物類など、エコフレンドリーな材料として注目を集めている素材ですがスポーツグッズ、それもサイズの大きなものにはほとんど使われていません。
ブースの入口に置かれ、ひときわ目を引いていたのが、直径50㎝のスリクソンのジャンボゴルフボール。実は最上部に穴が開いていて、そこに詰められた物質が、大気中のCO₂(二酸化炭素)を吸収する仕組みになっています。
この装置を開発したのは、ダンロップと同じく住友グループの住友電気工業(以下、住友電工)です。同社では、CO₂と金属(主に鉄)を使って生成する環境配慮型の〝未来素材〟「metacol(メタコル)」を2022年に開発。冒頭のジャンボゴルフボールがトーナメント会場内で回収したCO₂も、metacolの生成に利用されます。CO₂の排出量を抑えるどころか、不要なCO₂を取り込んで作られるmetacolは、カーボンニュートラルを上回る〝カーボンマイナス〟を実現する素材。温暖化対策として有効な上、樹脂や塗料に混ぜることで強度やUVカットなどの機能性を高めるほか、食べたり、皮膚についたりしても安全という特長があります。
ブース内部では、大気中から集めたCO₂を水に溶かし、その液体を噴射、反応させて固形物にするmetacolの製造工程をCGムービーで紹介。また、ジャンボゴルフボールのほかにも、サイズを小さくしたゴルフボール型のCO₂回収容器を、売店など会場内の複数個所に設置しました。
ダンロップでは持続可能な社会の実現に向けて、「循環型社会の形成」を課題に掲げ、資源の循環やサステナブル原材料の使用に取り組んでいます。特にCO2は地球温暖化など私たち人間の生活にも直接影響を及ぼしているため、ゴルフ用品の製造過程においてもカーボンニュートラルの実現が急がれます。