世界で最も過酷なゴルフトーナメントといわれる「全米オープンゴルフ」。117回目となる今年は6月15日から4日間、ウィスコンシン州のエリンヒルズ・ゴルフコースで開催されます。同コースで全米オープンが開催されるのは初めて。全長およそ7800ヤードという長さに加え、リンクスを思わせる長いラフがプレーヤーたちに立ちはだかります。そんな難コースを相手に、メジャー初制覇を賭けて挑む松山英樹プロの練習日の模様をレポートします。
13日(火)、コース周辺は早朝からあいにく雷雨に見舞われ、練習と練習ラウンドはサスペンデッドに。そして午前8時半過ぎ、練習ラウンドが9時に開始されることが発表されました。松山プロのスタートは当初の予定より2時間15分遅れの午後2時56分に延期されたため、松山プロは12時半過ぎにコース入り。前日同様、ショートパットの練習から始めました。パット練習の合間には、母校・東北福祉大学の先輩で、この日同じ組でプレーする宮里優作プロと握手をかわし、談笑する姿も見られました。松山プロは、1時間近くパッティングをしたあと、ドライビングレンジへ移動し30分ほどショット練習。さらに15分前後のアプローチショットの練習を経て、10番ホールに向かいました。
すっかり天候が回復し、前日までの蒸し暑さが戻った午後2時56分、10番ホールから練習ラウンドをティオフ。この日は宮里プロのほか、やはり大学の先輩である谷原秀人プロ、それにL.ウーストハイゼン選手(南アフリカ)というフォーサムで、青木功プロも同行していました。序盤の11番、12番ホールで松山プロが特に時間をかけていたのが、グリーン奥からのアプローチショット。フワリと高く上がる球で、近くのピンに寄せる練習を繰り返していました。また、この日の午前中にフェスキュー芝のラフが新たに刈り取られ、エリアが広がったセカンドカットからのフライヤーもチェックのポイントのようで、自身のショットだけでなく、谷原プロがセカンドカットから打つ際には、近くで見守りながら球の止まり具合を確かめていました。
グリーンだけでなく、その周囲の起伏も激しいため、やはりショートゲームが重要なカギを握りそうなエリンヒルズ。松山プロは、15番(357ヤード)、17番(509ヤード)という2つのパー4では、砲台グリーンの手前から高い球で手前のピンに寄せるアプローチに時間を割いていました。また、16番パー3(183ヤード)では、右サイドにある2つのバンカーからショット練習。このグリーンは縦長で幅が狭いため、バンカーショットの難度は高そうです。難しいと言えば、エリンヒルズ最長の637ヤードの18番パー5も簡単にはバーディを獲らせてくれなさそう。この日、松山プロたちは最後方のティを使用したため、全長はさらに長い663ヤードに。その上この日はアゲンストの風が吹いたため、ティショットで会心の当たりを見せた松山プロもツーオンにはトライせず、3打目勝負を選択。本番では、風向きとティの位置によって攻め方が変わりそうです。
午後5時20分に18番ホールをホールアウトした松山プロ。ホール横で待ち受けていた子どもたちにサインをしたあと、ドライビングへ移動。17時半すぎからショット練習を開始しました。その合間には、ダウンスイングでの右腕の動きについて、進藤キャディ、飯田トレーナーとしきりに会話を交わしていた松山プロ。ただ、その表情は明るいことから、本番を間近に控えたスイングの感触は悪くなさそうです。ショット練習を30分ほどで終えると、パッティンググリーンに移動。前日と同様、1.5m前後のやや上りのフックラインを、右手、左手、両手とそれぞれ5球ずつ、繰り返し練習していました。そして最後はランダムの方向に転がした同様の距離のパットを行い、18時半にこの日の調整は終了。明日は午前8時半に練習ラウンドをスタートさせる予定です。