みなさん、ご無沙汰しています。畑岡奈紗です。今年もどうぞよろしくお願いいたします。この日記が公開される頃には、アメリカ女子ツアーの2019年の開幕戦が終わっていると思うのですが、今日はまず昨シーズンのお話からしたいと思います。
昨シーズンは、めざしていたアメリカツアーでの初優勝を達成でき、2勝目も挙げることができたので、すごくいいシーズンだったと思います。一方で、勝てそうな試合で勝ちきれなかったので少し悔しい気持ちもあります。
勝てそうな試合というのは、7月のメジャー「KPMG女子PGA選手権」です。ご存じの方もいると思いますが、あの試合で私はトップと9打差で最終ラウンドをスタートさせました。つまり、完全に優勝圏外にいたのですが、8アンダー「64」というスコアが出せて、首位タイでホールアウトしました。ただ、3人によるプレーオフでは1ホール目で脱落してしまって・・・。だから、「せっかくプレーオフに行ったからには勝ちたかった」というのが正直な気持ちです。
それでも、優勝まであと一歩のところまで行けたし、初めて出場した「全米女子オープン」でもトップ10(10位タイ)に入れたので、一昨年にくらべればメジャータイトルに近づいたかなという感触はあります。
メジャーの試合はすべて、やはり他の試合とは雰囲気が違うし、緊張感も違いました。中でも全米女子オープンは特別で、“世界一”を決める大会だと思うし、誰もが手に入れたいタイトルなので、それに出られたことは素直にうれしかったですね。
それと、一昨年は9週連続とか、けっこう無理をして試合に出たんです。でも、休まずにたくさん試合に出たことで、多くのコースを経験することができたので、それも去年のプレーにかなり活きたと思っています。
一昨年は、ゴルフ以前のことでも苦労しました。日本とアメリカとでは文化がまったく違うし、生活のリズムも違います。移動の距離も日本とはくらべものになりません。そういうものに慣れるのに時間がかかり、なかなか自分のリズムをつかめませんでした。
そういったことに去年の途中からようやく慣れた気がします。移動の距離感のようなものがつかめたし、どうすれば週末に自分のベストパフォーマンスが出せるかを考えて一週間を過ごすようになりました。一昨年は結果が出なかったこともあって、「練習しなくちゃ」と焦っていましたが、去年は、まず疲れをとって体調を整えるほうが大事だと考えたんです。アメリカツアーに慣れたことで、日本にいる時より思い切ったプレーができたし、気持ちよくプレーできているなと感じることもありましたね。
ただ、気持ちの余裕はまだないですね(苦笑)。アメリカツアーの選手の中には、試合が早く終わると、近くにある観光スポットに出かけたり、きれいな景色を見に行ったりする人もいるのですが、私はまだいいかなと思っています。まあ、私は元々あまり外に出るタイプではないのですが(笑)、それより体を休めるほうが大事だと思うからです。
このオフは、試合以外の仕事がいろいろあって、あまりゆっくりできませんでしたが、その合間にもトレーニングはしっかりやりました。トレーニングはバーベルを使った重量系のメニューがメインで、飛距離アップが目的でした。
それと、1月13日で20歳になりました(笑)。その日はちょうど地元の成人式で、会いたかった中学時代の友だちと会えたし、とても楽しくすごしました。でも、同じトミーアカデミー出身で、今シーズンからアメリカツアーに参戦する山口すず夏ちゃんをはじめ、私より若い世代の子がどんどん出てきます。他のプロスポーツと同様、ゴルフも低年齢化が進んでいるので、20歳の私もうかうかしていられないし、けっこう危機感を抱いています。
畑岡奈紗(はたおか・なさ)1999年茨城県生まれ。11歳で本格的にゴルフを始め、2016年の「日本女子オープン」で17歳263日の史上最年少、さらに史上初となるアマチュアでの優勝を達成。同年10月プロ転向。17年よりUSLPGAツアーに参戦し、18年「ウォルマートNWアーカンソー選手権」で同ツアー初優勝。ツアー通算5勝(国内:3勝、アメリカ:2勝 ※アマチュア時の1勝を含む)。身長158センチ、血液型A。