2019/07/17

D-Cafeレポート

『リラックス・トーク』 トップ10入りを増やせれば、その先に見えてくるものがある~吉田弓美子~

 みなさん、ご無沙汰しています。吉田弓美子です。いつも応援していただき、どうもありがとうございます。早いもので、今年の女子ツアーも半分が終わりました。今日は、私自身の前半戦のことからお話ししたいと思います。
 シーズン序盤は、ショットはまずまずで、気持ちも前向きにプレーできていました。ただ、予選は通過できていたものの、なかなかバーディチャンスを決めきれないために、上位に行けない状態が続いていました。でも、担いでくれたキャディさんや家族から、「焦ることはないから」と言われたこともあって、このまま自分のやるべきことをやろうと思っていました。後ろ向きにならないように気をつけながら、チャンスが来るのを待とうと。そうしたら「フジサンケイレディス」(4月第4週)で、高麗グリーンなのにパットが入ってくれて(笑)。今年自己ベスト(当時)の11位タイに入って、その後、10位タイと5位タイに入ることができました。どちらももう少し上に行ける感じはあったし、もったいないプレーがあったものの、「あぁ、昔はこういうゴルフをしてたなぁ」という感覚がありました。そう感じたのは本当に久しぶりで、2勝した一昨年も自分の中では全然しっくり来ていませんでした。なぜ優勝できたのか自分でも分かりません。だから去年は全然ダメだったのだと思います。

 それとくらべると、今年は成績だけ見れば物足りなさはあるものの、よかった時の平均か少し下ぐらいのレベルのプレーができているし、ショットもパットも手応えを感じています。
 ところで今シーズンの女子ツアーと言えば、やっぱり黄金世代ですよね(笑)? 私は彼女たちの中では、勝みなみちゃん、私は「みなみ」と呼んでいますが、彼女と仲良くしてもらっています。みなみがまだアマチュアの頃、出ているアマが彼女だけという試合の時に私が声をかけたんです。そうしたら、すごく人懐っこい子で、すぐに親しくなって。今年も春に宮崎で試合があった時に食事をしました。みなみは面白くて、「試合に出て決勝ラウンドになると、パットが入るたびに“チャリーン”“バサッ”って聞こえるんです」と冗談で言うんです(笑)。それを聞いた時に、「私もそういう気持ちでやったらいい結果が出るかも」と思って、パットが入ったら心の中で「うわー、やったー!」と喜ぶことにしています(笑)。
 みなみとはなかなか同じ組でプレーすることがなくて、いつか一緒に回ってみたいと思っていたのですが、今年の5月にやっと実現しました。その時に感じたのは、すごく落ち着いてコースマネージメントをしているのと、ミスしてもすぐに「次、次」という感じで切り替えが早いこと。どちらも20歳頃の私にはできなかったことですね。みなみもそうですが、若い選手たちはエネルギーが溢れている感じで、私にはいい刺激になっています。

 先ほどもお話ししましたが、去年は本当に落ちるところまで落ちたという感じでした。ゴルフだけでなく人間関係的にもボロボロで、シードを獲るのが厳しくなった時には、「ファイナルQTはどうしよう」「もうゴルフをやめようかな」とまで考えました。でも、シーズンもあと数試合で終わりという頃になって、「ここから先は上がっていくしかないな」と思えたんです。そうして久しぶりにファイナルQTに出て、今シーズン前半戦の出場権を獲ることができました。
 去年の私は、ゴルフに対して傲慢になっていたというか、自分を過信していたように思います。そこから甘えとか慣れといった悪い部分が出てきて、結果が出なかったのかなと。もし間違って去年シード権を獲れていたら、それこそ今年は全然ダメだったでしょうね。
 だから、オフはよくよく反省しましたが(苦笑)、練習やトレーニングはこれまでと変えませんでした。私が20代前半だったら、やるべきことがいろいろあったかもしれませんが、あまり自分を追い込むと体を壊してしまうかもしれないと思ったんです。それに、気持ちもついていかないだろうという思いもあったので、あえていつも通りのオフを過ごしたのですが、それでよかったと今は思えます。

 ただ、シード選手と違って、今年、私がずっとツアーに出続けるには、年に2回あるリランキング(※)で上位にいないといけません。そのためリランキングリストのことはメチャメチャ意識していたし、「ひと月にこれぐらい稼いで」という計算もしていました。幸い1度目のリランキングで上位に入って7月以降も試合に出られることになったのでひとまずホッとしたのですが、去年、自分自身でなあなあになってしまったことを思うと、リランキングは今の私には必要なプレッシャーなんだと感じています。まあ、ファイナルQTが11位で、1回目のリランキングの順位も同じ11位だと分かった時にはびっくりしましたけど(笑)。

 これからツアーは後半戦に入りますが、今年は最低でもシードは獲りたいなと思っています。優勝ということで言うと、今は本当に選手全員が上手いし、実力が変わらないので、誰が勝ってもおかしくないと思います。パットが入るか入らないか、運に恵まれるかどうかが勝敗を分けると言ってもいいくらい。私自身はまずはトップ10に入る回数をもっと増やして、ひと月に1、2回は入れたらと思っています。それができれば、その先に見えてくるものがあると思うので、それまでは我慢かな、と。私、耐えるのは得意なので(笑)。
 今年は体調がよくて、すべての試合に出ていて、ありがたいことに予選もコンスタントに通過できている分、ちょっと疲れ気味で(苦笑)。これから暑くなるので、練習のペース配分を考えながら、マイペースで頑張っていこうと思っています。

(※)シーズン途中に、シード選手以外のTP登録者を、賞金ランキング順に並び替え(リランキングリスト)、それ以降の対象競技からリストに基づき出場資格を付与する制度。

吉田弓美子(よしだ・ゆみこ)
1987年神奈川県生まれ。アマチュア時代はナショナルチームで活躍。2007年からツアーに参戦し、12年ツアー初優勝。翌13年には年間3勝を挙げ賞金ランキング3位に。18年までにツアー通算7勝。身長164センチ、血液型AB。